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半導体関連株が上昇
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

半導体関連株が上昇

2016/8/31
30日の日経平均は前日比12円安の16,725円でした。
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執筆:窪田真之

30日の日経平均は前日比12円安の16,725円でした。1ドル102円台まで円安が進んでいることから下値は堅くなってきていますが、9月2日(金)に8月の米雇用統計の発表を控えており、積極的に買い上がるも出にくくなっています。米雇用統計が、利上げを後押しするものになるか、注目されています。

今日は、最近の話題として、半導体業界の近況にふれます。

(1)米国で半導体関連株が上昇

2016年に入り、世界的に半導体産業が活気づき、米半導体株指数の上昇が加速しています。

米半導体株価指数(SOX指数)の動き:1996年3月末―2016年8月29日

(出所:ブルームバーグ)

上のグラフをご覧ください。①は、ITバブル時の高値、②は、ITバブル崩壊後の安値、③はリーマンショック後の安値を示しています。

リーマンショック後、米半導体株価指数は順調に回復基調をたどってきましたが、2016年に入り上昇が加速しています。今年の値動きを、もう少し詳しく見ると、以下の通りとなります。

2016年の米SOX指数とNYダウの動き比較:2015年末―2016年8月29日

(注:2015年末の値を100として指数化、楽天証券経済研究所が作成)

7月以降、日本と同様に、アメリカでも景気敏感株の上昇が目立っています。そうした流れの中で、半導体株価指数が、NYダウを上回る動きとなっています。

(2)日本でも半導体関連株の上昇が目立つ

世界的に半導体需要が拡大する流れを受け、日本でも、久々に半導体関連株の上昇が目立ちます。以下をご覧ください。

半導体関連株の2016年の騰落率:2015年末―2016年8月30日

コード 銘柄名 業 態 2016年の騰落率
4063 信越化学 半導体材料 13.5%
6502 東芝 フラッシュメモリー 26.7%
6857 アドバンテスト 半導体製造装置 49.1%
8035 東京エレクロトン 半導体製造装置 27.6%
8036 日立ハイテク 半導体製造装置 14.6%
(参考) 日経平均 株価指数 -12.1%
(参考) ドル円 為替レート -14.9%

(注:楽天証券経済研究所が作成)

上の表をご覧ください。2016年は、円高が進み、日経平均が下がっています。ドルが円に対して14.9%下落(円高になっていること)していますが、円高を受けて、日経平均は12.1%下がっています。 ところが、円高がマイナスになる輸出企業の中に、2016年に株価が上昇しているものがあります。半導体関連株がそうです。

信越化学(4063)は、半導体材料(シリコンウエハ)で世界トップの競争力があります。シリコンウエハの拡大と、米国塩ビ事業の好調を受けて、2016年に株価が13.5%上昇しています。

東芝(6502)は、さまざまな事業で競争力を失い、財務にも問題があるので、投資対象とするには不適切と考えています。ただ、フラッシュメモリー(スマホなどに使われる記憶用の半導体)では高い競争力を持ちます。スマホ向け需要拡大で、フラッシュメモリーは当面、好調に推移しそうです。

半導体製造装置の受注が増加していることから、日米で半導体製造装置メーカーの株価上昇が目立っています。半導体製造装置に加え、今後、スマホでの採用拡大が期待される有機EL製造装置の受注が伸びていることが、株価上昇の材料となっています。

株式市場のテーマとして、「半導体関連」は今年後半に向けて期待できると思います。ただし、上記リストに挙げた銘柄は、推奨銘柄として掲載しているわけではありません。半導体業界の状況を説明するために、参考として掲載しています。

(3)半導体産業の業況が好転している理由

半導体産業は、日本では長らく構造不況産業でした。久々の業況好転です。半導体需要の中核を占めているのはPC(パソコン)ですが、PC需要の低迷によって、半導体産業も低迷が続いていました。最近の回復は、PC以外の需要拡大によるものです。

  • スマホ・タブレット端末向けの需要拡大が続いています。
  • 自動運転やEV(電気自動車)増加により、自動車に使われる半導体・電子部品・センサーが続いています。
  • 3DゲームやVR(バーチャルリアリティ)ゲームなどで必要になる高度な画像処理に必要なグラフィック半導体の需要が拡大しています。
  • すべてのモノがインターネットにつながる「IoT」に使われるセンサーや半導体の需要が拡大しています。たとえば、工場のラインがインターネットにつながることで、生産性を飛躍的に高める試みが広がっています。FA(工場自動化)機器を始め、さまざまな分野にIoTが広がりつつあります。

先日、ソフトバンク(9984)が、半導体の設計でコアとなる技術を持つ、英アームホールディングスを3.3兆円で買収する方針と発表して驚かれました。買収価格は高過ぎる可能性もありますが、ソフトバンクの孫社長は、英アームの将来に高い期待をしています。

「IoT」が成長する時代を迎え、中核となる半導体設計技術の重要性はこれから、ますます高まっていくと考えられます。

ただし、半導体産業は、好不況の波の大きい産業である点に注意を要します。今年は、半導体サイクル(半導体産業の価格変動)は上向きとなり、年後半にかけて半導体関連株のさらなる上昇が予想されますが、サイクルが下降する局面では、下落率が高くなる可能性もあります。

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