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米利上げは日本株に強材料か?
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略を毎営業日レポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者と…

米利上げは日本株に強材料か?

2016/8/30
先週の、日経平均は1週間で185円下がり、16,360円となりました。
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執筆:窪田真之

29日の日経平均は前週末比376円高の16,737円となりました。先週26日にイエレンFRB議長が講演で「利上げするのに必要な条件は整ってきている」と発言をしたことを受けて、1ドル102円台まで円安が進んだことが好感されました。

イエレン講演で利上げ時期を特定する発言はなかったので、利上げが9月か12月か見方が割れていますが、年内利上げの確度は高まったと考えられています。

米利上げがあれば、私は、円安→日経平均上昇となると予想しています。ただし、読者の方から、「米利上げ→米国株下落・世界的に株安→日経平均も下落とならないか?」質問をいただいています。

今日は、米利上げがあった場合に、日本株にどういう影響が及ぶかを考えます。

(1) 過去を見ると米国が利上げする時期に日本株は上昇

米国FFレートと日経平均の推移:1990年12月―2016年8月

(出所:ブルームバーグより楽天証券経済研究所が作成)

過去の米国FFレート(政策金利)誘導水準と、日経平均の動きを見ると、以下の傾向が読み取れます。

  • 米利上げ(FFレート誘導水準の引き上げ)が行われる時に、日経平均は上昇していることが多い。
  • 米利下げ(FFレート引き下げ)が行われる時は、日経平均は下がっていることが多い。

過去の動きだけから見ると、米利上げは、日本株に強材料と見られます。米利上げは、米国株や世界の株式にとっては、悪材料ですが、日本株にとっては、やや事情が異なります。

米利上げは、米景気が好調なときに実施されることが多く、また、米利上げは、円安(ドル高)につながり易いといえます。米景気が好調な中、円安が進めば、日本の企業業績が拡大し、日経平均が上昇しやすくなる、ということです。

逆に、米景気が悪化する時に、利下げが行われることが多いと言えます。リーマンショックの時(2008年)など、緊急利下げが行われるときは、円高が進み、日経平均は急落しています。

(2)米利上げがあった場合の世界の株式の反応

9月の米利上げの確率は、依然低いと考えています。私は、12月に利上げと予想しています。仮に、12月に利上げがあるとして、その後の世界の株の反応はどうなるでしょうか?私は、世界の株式は一時的に下がっても、大きく下がり続けることはないと予想しています。

FFレートの誘導水準が0.25%引き上げられると、0.5-0.75%となりますが、それだけで世界の金融市場を崩壊させることにはならないと、予想しています。

FFレートが連続で引き上げられて1%を越えてくると、世界的な株安を引き起こす懸念も生じます。私は、目先1回利上げをした後、当分、FFレートは据え置きになると考えています。年に1回だけの利上げペースならば、世界の株式市場の大きな調整にはつながらないと思います。

逆にいうと、1回米利上げがあっただけで、大幅な円安が進むとは考えていません。利上げがあれば、1ドル100円を割れる円高圧力は薄れ、1ドル107円を目指す展開になると予想しています。ただし、1回だけの利上げならば、それ以上の円安は進まないと考えています。

まとめると、1回の米利上げで世界的な株安が起こるとは考えていませんが、大幅な円安が進むとも考えていません。それでも日経平均は、米景気好調と円安を受けて、上昇していくと予想しています。

(3)9月に米利上げがなかったら、どうなるか?

私は、9月には米利上げがないと予想していますが、一部に、9月利上げへの期待も出ています。利上げがなければ、一時的に円高が進み、日経平均が売られる可能性もあり、注意が必要です。

ただし、9月利上げがなくとも、年内(11月か12月)に利上げが実施される見込みが強ければ、大幅な円高は回避されると思います。

まず、目先重要なのは、9月2日に発表される予定の、8月の米雇用統計です。イエレンFRB議長が言うように、米雇用は好調で「利上げの条件が整ってきた」と言えるのか、注目されます。

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