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イエレン講演を受けて円安に
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略を毎営業日レポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者と…

イエレン講演を受けて円安に

2016/8/29
先週の、日経平均は1週間で185円下がり、16,360円となりました。
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執筆:窪田真之

先週の、日経平均は1週間で185円下がり、16,360円となりました。為替が、1ドル100円前後で推移し、さらなる円高が進む可能性が意識されたことから、先週の日経平均は上値の重い展開が続きました。

9月に米利上げが実施されず、年内利上げの見通しが立たなくなれば、さらなる円高が進む可能性もあります。そのため、先週8月26日にジャクソンホールで行われたイエレン米FRB議長の講演内容に注目が集まりました。

イエレン講演では、利上げ時期についての示唆はありませんでした。ただし、「利上げ実施の環境が整ってきている」と利上げに対して前向きの発言があったことから、26日のNY市場でドル高(円安)が進みました。さらに、フィッシャーFRB副議長がテレビのインタビューで今年中に2回の利上げの可能性もあることを示唆したことから、ドル円は一時1ドル102円台をつけ、その後1ドル101.77円となりました。円安を好感し、26日のCME日経平均先物(9月限り)は、16,590円(日経平均終値対比+230円)まで上昇しています。

(1)先週の木・金曜日は、続けて日銀のETF大口買いが出る

先週、注目されていたのは、26日(金)のイエレン講演と、日銀のETF買いのタイミングでした。先週は、25日(木)・26日(金)と、続けて大口買いがありました。

日銀の日本株ETF買取額と日経平均騰落:8月1日―26日

約定日 ETF買取額(億円) 日経平均騰落(円)
8月1日 12 +66
8月2日 359 ▲ 244
8月3日 359 ▲ 308
8月4日 719 +171
8月5日 12 ▲ 0
8月8日 12 +396
8月9日 12 +114
8月10日 719 ▲ 29
8月12日 12 +184
8月15日 12 ▲ 50
8月16日 12 ▲ 273
8月17日 12 +149
8月18日 12 ▲ 259
8月19日 12 +59
8月22日 12 +52
8月23日 12 ▲ 100
8月24日 12 +99
8月25日 719 ▲ 41
8月26日 719 ▲ 195
合 計 3,750  

(出所:日本銀行より楽天証券経済研究所が作成、大口買いがあった日は買取額を赤で表示)

7月末に、日銀は、年間3.3兆円のETF買い取りを、6兆円に拡大することを決定しました。月平均2,750億円の買い取りを、月平均5,000億円に増やすことになります。その決定を受けて、8月にどういうタイミングで大口買いを出すかが注目されていました。

8月26日までの買い取り実績を見ると、「日経平均が下がった時に買いを増やし、上がると減らす」これまでの買いパターンがおおむね維持されています。ただし、8月の買取額は、今のところ3,750億円で、月平均5,000億円には、まだ足りません。残り3営業日(29-31日)で、大口買いが出るか否か、注目されます。

ただ、日銀は、年6兆円買うと言っているだけで、毎月、5,000億円買うと言っているわけではありません。今月は、少な目に買い、来月以降に多めに買う可能性もありますし、その逆になる可能性もあります。実際にどう買うかは、日銀の発表を見ているしかありません。毎日午後6時頃に、日銀はその日のETF買い取り実績を発表しています。

先週は、25・26日と2日続けて日銀が大口買いを出したにもかかわらず、日経平均は2営業日続けて下がりました。イエレン講演を控えて、いったん日本株のポジションを縮小しようとする動きが出ていたと考えられます。

(2)イエレン講演でいったん円安は進んだが9月利上げの可能性はまだ低い

注目された26日のイエレン講演で利上げに前向きな発言があり、円安が進んだことから、今週の日経平均は上昇して始まることが予想されます。ただし、今週の半ば以降は、再び上値が重くなると思います。

イエレン発言で年内の利上げ確率は高まったと考えられますが、それでも、9月に利上げが実施される可能は、依然として低いと考えられます。鍵を握るのが、これから発表される米景気指標です。

週後半に以下の通り、重要な米景気指標の発表を控えています。

  • 9月1日(木):8月の米ISM製造業景況指数
  • 9月2日(金):8月の米雇用統計

強めの指標が出て、9月の米利上げ期待が高まり円安が進むか、あるいは、弱めの指標が出て、利上げ期待が遠のき円高が進むか、注目されます。

(3)米利上げは、日本株に好材料ととらえてよいか?

ところで、現時点で可能性は低いと考えていますが、もし、9月に米利上げが実施された時、マーケットはどう反応するでしょうか?米利上げは、米国および世界の株式にとってマイナスです。一方、為替市場では、円安(ドル高)が進みやすくなります。日本株への影響はどうなるでしょうか?

米利上げで米国株が下がることは、日本株にマイナスです。ただし、円安が進めば、それは日本株にプラスです。過去の経験則では、米利上げで円安が進む時は、米国株が多少下がっても、日本株は買われやすくなっています。

米国株が暴落する場合は、話が変わりますが、米利上げで円安が進む場合は、米国株が多少下がっても、日本株は上昇する場合が多かったと言えます。

私は、米利上げ実施が日本株にプラスに働き、米利上げ無しが日本株にマイナスに働くと予想しています。

イエレン議長が、利上げに前向きの発言があったことから、年内利上げの可能性は高まったと考えられますが、9月の利上げを示唆したわけではありません。9月に利上げが実施される可能性は、依然として低いと考えられます。

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