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金融・財政政策の発表待ち4-6月決算発表にも注目
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略を毎営業日レポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者と…

金融・財政政策の発表待ち4-6月決算発表にも注目

2016/7/26
25日の日経平均は、前週比6円安の16,620円でした。為替は、1ドル106.20円近辺で小動きでした。政府の経済対策、および、日米金融政策の発表を間近に控え、神経質な相場展開となっています。
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執筆:窪田真之

25日の日経平均は、前週比6円安の16,620円でした。為替は、1ドル106.20円近辺で小動きでした。政府の経済対策、および、日米金融政策の発表を間近に控え、神経質な相場展開となっています。発表される財政・金融政策の中身次第で、相場が荒れる可能性もあり、25日の東京市場では株・為替とも大きく動くことができませんでした。

26日の日本時間午前6時現在、為替は1ドル105.78円です。CME日経平均先物(9月限)は、16,560円でした。

これから本格化する4-6月決算の発表にも注目です。今日は、決算の注目点について書きます。

(1)今期業績予想は、第1四半期(4-6月期)を終えてどう修正されるか?

金融・財政政策の発表に注目が集まっていますが、これから本格化する4-6月決算も重要です。日本の企業業績が2016年1-3月期を底に回復に向かうのか、低迷が長期化するのか、見極める試金石となります。

東証一部3月決算主要企業の今期(2017年3月期)業績の前年比変化率
(会社予想):7月25日時点

  主要1445社 除く金融1377社 金融101社
連結経常利益 ▲ 1.3% ▲ 0.6% ▲ 5.5%
連結純利益 + 8.3% + 9.8% ▲ 0.2%

(出所:今期業績予想を公表している主要企業1445社から集計、楽天証券経済研究所が作成。IFRS・米国基準採用企業は、連結税前利益を経常利益とした)

7月25日時点で、今期の業績予想は、上の表の通りとなっています。これが、4-6月決算の発表が進むに従って、どのように修正されていくかが鍵となります。1ドル99円まで円高が進んだ時は、今期の企業業績は下方修正ラッシュになると考えられていました。今期の企業業績予想の前提となる為替レートを1ドル105-110円に設定している輸出企業が多いからです。1ドル100円を前提とする企業が増えると、今期の企業業績は5-10%ポイント下方修正になると考えられていました。

ところが、現時点では、為替は1ドル106円まで円安に戻っています。為替前提を、105-107円に見直す企業が増えると、輸出企業で若干、下方修正要因となりますが、当初懸念されたほど、下方修正が大きくはならない可能性があります。

第1四半期の決算発表時に、いきなり通期の企業業績を修正する企業は、通常はあまり多くありません。為替が1ドル106円辺りに戻ったので、通期の業績修正はあまり多くないかもしれません。それでも、業績の進捗率を見ながら、業績モメンタムの変化を読むヒントになると思います。

(2)純利益と経常利益、どちらを見るべきか?

外国人投資家と、日本人で、企業業績の見る部分が異なります。外国人は、全産業ベースの連結純利益の変化率(上の表の紫で示したところ)に注目しています。一方、日本人は、金融を除く全産業の連結経常利益(上の表の赤で示したところ)がどう変化するか注目しています。

どこを見るかで、今期の企業業績の見え方が異なります。全産業純利益は、8.3%の増益が見込まれていますが、除く金融経常利益では、0.6%の減益が見込まれています。純利益で見ると、前期末(2016年1-3月)が利益の底で、今期は回復が見込まれています。経常利益で見ると、前期に続き、今期も利益の低迷が続くという形になっています。

(3)特殊要因を除かない全産業純利益を見るのが、国際的には定番

株主にとっての最終利益は、純利益となります。外国人投資家が全産業連結純利益に注目するのは当然といえます。

これに対して、日本のアナリストや投資家は、業績の中の特殊要因(特別損益)を除いた経常利益の変化に注目しています。日本の会計基準の特色のひとつに、特別損益の計上が認められていることがあります(IFRSや米国基準では、特別損益の計上は原則認められません)。

今期純利益で増益が見込まれるのに、経常利益では減益見通しとなるのは、特別損失の影響によるものです。日本企業は、業績の悪化局面で、多額の特別損失を計上する傾向があります。前期(2016年3月期)は、多くの日本企業が、資源権益減損や在庫評価損などによって特別損失を計上しました。それで、前期の純利益の水準は低くなりました。ただし、前期の経常利益(特別損失差し引き前の利益)は、純利益ほど減少しませんでした。

今期の純利益は、資源価格反発により、資源関連の特別損失が発生しない見通しとなっているため、8.3%の増益見通しとなっています。円高は減益要因ですが、資源価格の反発による特別損失の減少が、最終利益を押し上げます。ところが、連結経常利益で見ると、今期は0.6%の減益予想となっています。経常利益は特別損失差し引き前の利益ですから、特別損失の減少が増益要因となりません。

このように使う会計基準によって、企業業績の見え方は異なります。日本企業の中には、IFRSや米国基準を採用している企業もあります。IFRSや米国基準では、特別損失の計上が原則認められません。IFRS・米国基準採用企業では、日本基準採用企業が特別損失にする費用(資源権益や不採算事業の減損、リストラ損失など)も、営業費用として処理します。IFRS採用企業が増加するにつれ、日本でも特別損益の計上は少なくなっていくと思われますが、現時点では、まだ特別損益が利益に与える影響は大きくなっています。

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