執筆:窪田真之

20日の日経平均は、前日比41円安の16,681円でした。前日までの6連騰で合計1,616円上昇していましたので、一旦利益確定売りが出ました。ただし、押し目買いも入り、大きくは売り込まれませんでした。米景気・企業業績の回復、NYダウの最高値更新、1ドル106円台まで進んだ円安を好感したリスク資産買い戻しの流れが続いています。

21日の日本時間午前6時20分現在、為替は1ドル107.20円と、さらに円安が進んでいます。20日のCME日経平均先物(9月限)は16,855円でした。

今日は、東証マザーズ上場の小型成長株投資の魅力とリスクについて、考えていることをお話しします。

(1)東証マザーズ上場の小型成長株について

東証マザーズ市場には、さまざまな成長テーマに関連する銘柄が多数存在します。バイオ、ロボット、フィンテック、ネット広告、コンテンツ、各種ITサービス関連などです。ただ、マザーズ成長株は、急騰急落を繰り返しやすく、投資タイミングがむずかしいことを理解する必要があります。

小型成長株の利益と株価の変動イメージを理解していただくために、以下にイメージ図を作成しました。

成長企業の利益と株価の変動パターン(イメージ図)

どんなに有望な成長テーマを抱えた企業にも、黎明(れいめい)期があります。開発や先行投資にお金がかかる割に、利益が上がらない時期です。上のイメージ図では、黎明期が5年続くことになっています。この時期は、株価が何度も急騰急落を繰り返します。投資家が将来の夢に熱狂して株価を買い上げても、期待するほどの利益はあがらないため、いずれ失望売りが出ます。バイオ関連などにこのパターンがよく見られます。こうした銘柄は、急騰局面ではこまめに利益確定した方が良いと思います。高値で買って株が急落した時(上のグラフの黎明期で赤い矢印をつけたところ)は、即座に損切りすべきと考えます。どんなに有望な成長銘柄でも、下げ局面では、株価が半値になることもあるからです。

上のグラフで、6年後に期待通り急成長期に入ると、利益が急拡大するので、株価も大きく上昇します。それでも株価の上昇ペースが速すぎて調整が入る場合はありますが、高い利益成長が続く限り、株価の調整幅は限られます。

注意すべきは、高成長期から成熟期に移行する時期です。増益率が低下すると、たとえ増益基調は変わらなくても成長期待プレミアムがはげ落ち、株価は急落します。

(2)魅力もリスクも大きいマザーズ成長株

マザーズ株は、売買タイミングをうまくはかれば、短期で利益を稼ぐこともできます。人気の成長テーマは、短期でくるくる入れ替わっています。株価チャート、売買高(人気)の変化を見ながら、機動的に売買していくことが必要と思います。