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好配当利回り株への投資を今どう考えるべきか
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

好配当利回り株への投資を今どう考えるべきか

2016/6/23
22日の日経平均は103円安の16,065円でした。ブレグジット(英国のEU離脱)リスクは低下したと楽観的にとらえるムードが出ていますが、それにもかかわらず円安があまり進まないことから、「ブレグジットがなくても円高トライは続く」との見方が出て、日経平均の上値を押さえています。
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執筆:窪田真之

22日の日経平均は103円安の16,065円でした。ブレグジット(英国のEU離脱)リスクは低下したと楽観的にとらえるムードが出ていますが、それにもかかわらず円安があまり進まないことから、「ブレグジットがなくても円高トライは続く」との見方が出て、日経平均の上値を押さえています。

23日の日本時間午前6時現在、為替は1ドル104.55円です。CME日経平均先物(9月限)は15,930円です。

(1)英国民投票の開票は、日本時間で24日午前6時より開始

早ければ、日本時間で24日午前中にも大勢が判明する見込みです。過去の英国民投票では、土壇場で浮動票が「現状維持」に流れる傾向が見られることから、現在の世論調査で賛否が拮抗していても、最後は「ブレグジット無し」の結論が出ると予想する向きが増えています。つまり、ブレグジット無しの結果が出ても、サプライズ(驚き)は大きくないと考えられます。

一方、「ブレグジット決定」の結果が出ると、それは市場にとってサプライズ(驚き)となり、円高→株安の反応が大きくなりそうですが、その可能性は低いと思います。明日には、結果が出ますので、出てくる結果を見守りたいと思います。

ブレグジット無しの結果が出た場合、それで世界を巻き込んだ英国イベントは一旦終息しますが、それで世界経済への不安が解消するわけではありません。たくさんあるリスクの1つに、結論が出るだけのことです。他にも気にしなければならないリスクはたくさん残っています。「7月に米利上げはあるか?日銀の追加緩和はあるか?日米金融政策を受けて為替はどう動くか?米大統領選の情勢はどう変化するか?中国経済はどうなるか?」等々、これからも、日本株を乱高下させる材料には事欠きません。

(2)日本株は割安になってきているが、世界経済の不安は払拭できない

このような時、日本株への投資をどう考えたらよいのでしょうか。日本株は、PER(株価収益率)・PBR(株価純資産倍率)・配当利回りなどから見て割安になってきています。特に注目できるのは、予想配当利回りの高い銘柄が増えていることです。

短期的な下値波乱に耐えて、投資していける資金のある方は、少しずつ時間分散しながら日本株の買い増しを始めてもいいかもしれません。まず大型の好配当利回り株から投資を始めたら良いと考えます。

ただ、既に日本株をたくさんお持ちの方は、まだ世界経済のリスクがいろいろ残っていますので、まだ様子見を続けた方がいいかもしれません。

(3)好配当利回り銘柄の選び方

配当利回りに注目して銘柄を選ぶとき、気をつけなければならないことがあります。配当利回りは、確定利回りではないということです。業績が悪化して、配当が減らされることもあります。減配リスクが小さい銘柄を選ぶようにすべきです。

一般的に、予想配当利回りが高い銘柄には、業績悪化リスクが高いものが含まれています。配当利回りが高くても買われないのは、業績への不安を投資家が気にしているからです。

一方、業績が安定的な銘柄は、配当利回りが相対的に低くなります。業績不安が小さいほど、投資家が安心して投資するので、株価が上昇し、配当利回りは低くなるわけです。

それでは、大型の好配当利回り株にはどのような銘柄があるか、具体的に見てみましょう。

以下に、時価総額1.7兆円以上、予想配当利回り2.5%以上の23銘柄を掲載します。

 

時価総額1.7兆円以上の好配当利回り株:6月22日時点

コード 銘柄名 株価:円 配当利回り 不安材料
7201 日産自動車 1,007.0 4.8% 円高
8316 三井住友FG 3,193.0 4.7% マイナス金利
8411 みずほFG 160.2 4.7% マイナス金利
8001 伊藤忠商事 1,279.5 4.3% 資源安
4502 武田薬品工業 4,412.0 4.1%  
5108 ブリヂストン 3,448.0 4.1% 円高
7182 ゆうちょ銀行 1,239.0 4.0% マイナス金利
8031 三井物産 1,237.5 4.0% 資源安
6178 日本郵政 1,286.0 3.9% マイナス金利
8766 東京海上HLDG 3,497.0 3.9% マイナス金利
7270 富士重工業 3,807.0 3.8% 円高
8306 三菱UFJ FG 500.6 3.6% マイナス金利
8725 MS&ADインシュアランスHD 2,862.0 3.5% マイナス金利
8058 三菱商事 1,794.5 3.3% 資源安
6902 デンソー 3,680.0 3.3% 円高
7267 本田技研工業 2,697.5 3.3% 円高
6301 小松製作所 1,876.5 3.1% 円高 資源安
2914 日本たばこ産業 4,217.0 3.0%  
9437 NTTドコモ 2,722.0 2.9%  
4568 第一三共 2,554.5 2.7%  
1925 大和ハウス工業 2,985.0 2.7%  
9432 日本電信電話 4,550.0 2.6%  
9433 KDDI 3,156.0 2.5%  

(出所:配当利回りは会社予想ベース、楽天証券経済研究所が作成)

上の表で、配当利回りの高い割安株には、主に3つの不安があることがわかります。①円高不安株(円高が進むことで大きなダメージを受ける株)、②マイナス金利不安株(マイナス金利が長期化すると大きなダメージを受ける株)、③資源関連株(資源安でダメージを受ける株)の3つです。楽天証券経済研究所の判断で、それぞれどれに該当するか、表の中に記載しています。

さらなる円高が進むリスク、マイナス金利が長期化するリスク、資源価格が再び急落するリスクが懸念される間、①②③の株は、上値を抑えられます。つまり、不安があるから、配当利回りが高くても、株価は上昇しにくくなっています。割安株には、割安の理由があるということです。

ただし、①円高が一服して円安に戻る時、②日銀の金融緩和が出口に向かうことが意識されて長期金利がプラス圏に戻る時、③資源価格が底入れし安定する時には、これらの割安株は、見直されて上昇する可能性もあります。

こうしたリスクのある好配当利回り株は、あまり大量に持つことは問題ですが、一定範囲で、逆バリ投資として持つ価値があります。配当を取りながら、経済環境が変わるのを長期でじっと待つ「待ち伏せ投資」になります。短期的な成果を求める投資には、向かないかもしれません。

なお、上記の表で、3大リスクの欄が空欄になっている銘柄は、リスクのない銘柄というわけではありません。それぞれ固有のリスクがあるわけですが、今心配されている3大リスクの影響は相対的に小さいという意味です。

たとえば、武田薬品の場合、リスクはいろいろあります。既存の大型薬が特許切れで収益が減少する中、画期的な新薬のネタが少なくなっているという問題があります。武田薬は円高不安株に挙げていませんが、円高が業績にまったく影響しないというわけではありません。海外子会社で高水準のドル建て利益をあげていますので、円高が進めば、円に換算した利益額が目減りするという影響はあります。

マイナス金利不安株に、銀行と損害保険をあげていますが、実際には、マイナス影響の及び方が異なります。損害保険(東京海上とMS&AD)の方が、マイナス影響は相対的に小さく済みます。

表を見ると、利回りが相対的高い銘柄には、3大リスク(円高・マイナス金利・資源安)の影響が大きい銘柄が多いことがわかります。1銘柄しか投資する資金がない場合は、利回りは相対的に低くても、3大リスクの影響が小さい銘柄を選んだ方が無難ではあります。

複数銘柄に投資する資金がある場合は、3大リスクの影響を受ける株と、受けない株を半々にして投資するなど、組み合わせに工夫が必要です。皆様でいろいろな組み合わせを考えてみてください。

 

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