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中国景気はどうやら本当に持ち直しているようだ
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

中国景気はどうやら本当に持ち直しているようだ

2016/4/27
25日の日経平均は、前日比86円安の17,353円でした。28日(木)の昼に日銀政策決定会合の結果発表を控え、一旦、ポジションを落とす動きが続きました。「何らかの追加緩和が発表される」との思惑が広がっていましたので…
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25日の日経平均は、前日比86円安の17,353円でした。28日(木)の昼に日銀政策決定会合の結果発表を控え、一旦、ポジションを落とす動きが続きました。「何らかの追加緩和が発表される」との思惑が広がっていましたので、追加緩和が何もないと嫌気されるリスクが意識されています。

今日は、昨日夕方に開催されたJFE HLDG(5411)の決算説明会で聞いたことをお伝えします。

(1)中国で鉄鋼市況が急騰している

4月に入ってから、中国景気が想定外に持ち直しているという話を聞くようになりました。中国景気の持ち直しを受け、原油など商品市況が、2月から反発を続けています。

IMF(国際通貨基金)は4月の世界経済見通しで、2016年の中国GDPの成長率見通しを6.3%から6.5%に引き上げました。2017年についても6.0%成長から6.2%成長見通しに引き上げました。1-3月の中国景気に持ち直しの兆しが出ていたことが反映されました。

昨日、JFEの決算説明会でも、同じ話を聞きました。どうやら中国景気は、本当に持ち直しているようです。以下は、JFE決算説明会で入手した中国の足元の状況です。

中国の薄板市況(中国21都市平均)

昨年急落した冷延(トン当たり1月に約530ドルが12月に約320ドル)が、今年の1月から急騰、4月も上昇を続け、足元500ドル近くに戻っている。同じく昨年急落した熱延(トン当たり1月に約420ドルが12月に約250ドル)が、今年の1月から急騰、4月も上昇を続け、足元約430ドルに戻っている。

鉄鋼の主原料価格

昨年急落した強粘炭(トン当たり1-3月に109.5ドルが10-12月に81ドル)が、今年の1月から上昇、3月末に84ドルだったが、4月に入ってから急騰し、足元95ドルになっている。昨年急落した粉鉱石(トン当たり1月に約62ドルが12月に約47ドル)は、今年の1-3月に続落し、3月に39ドルになりました。ところが、4月に入ってから急騰、足元61ドルに戻っている。

メタル・スプレッドが拡大

製品価格・原料価格とも上昇。製品価格の上昇の方が幅が大きいので、メタル・スプレッド(製品価格と原料価格の差)が1月に入ってから急拡大。4月も拡大が続いている。

中国で粗鋼生産が急拡大

日当たり生産量は、昨年6月をピークに減少が続いていた。今年の2月には、日当たり200万トンまで減少。ところが、鉄鋼市況が1月から上昇していることを受けて3月には生産量が、日当たり228万トンと、一気に過去最高水準まで上昇。

(2)中国の鉄鋼市況上昇は続くか?

中国の鉄鋼市況が急騰し、メタル・スプレッド(利ザヤ)が急拡大していることは、JFEの業績にとって、強い追い風です。ところが、経営陣は、今起こっている追い風を半信半疑で見ています。「中国鉄鋼市況の上昇が一時的だったことは過去に何度もある。市況上昇を受けて3月の中国粗鋼生産がいきなり過去最高水準に増加していることに危惧を感じる。あつものに懲りてなますを吹くと言われるかもしれないが、今の中国の鉄鋼市況上昇が本物か、慎重に見ている」と話していました。

中国が、大型の公共投資を出していると考えると、この話は整合性が取れます。2兆元の大型公共投資が1月から動き出しているならば、鉄鋼市況への追い風は、5月以降も続く可能性があります。

(3)JFEが発表した決算内容について

前期(2016年3月期)実績

売上高が前年比11%減の3兆4317億円、経常利益が同72%減の642億円、純利益が同76%減の336億円でした。前期実績は、事前に発表されている見通しとほぼ同じで、サプライズはありませんでした。

なお、JFEによると、前期決算では、一過性要因(高値の原料在庫を保有している効果など)が780億円の利益引き下げ要因となっていました。一過性要因を除くベースでは、前期経常利益は1,400億円であったことになります。

今期(2017年3月期)見通し

会社側は、今期予想を発表しませんでした。その理由について、「鉄鋼事業の主原料価格、鋼材販売価格等について先行きを見通すことが困難な状況であるため」としています。ただし、「原料・製品価格について、足下の水準が継続する前提とすると、連結経常利益は、前期並みの650億円を見込んでいる」とのことでした。

楽天証券経済研究所では、前期の経常利益に前期の一過性損失を加えた1,400億円あたりが見込まれると考えていました。650億円しか出ないとなると、ネガティブです。

ただし、JFEの説明によると、今期経常650億円予想の前提となる「足下の水準」の「足下」は3月末のことだそうです。4月にさらに鉄鋼市況が急騰していることは、反映されていません。4月の急騰まで勘案すると、今期連結経常利益は、1,400億円以上が見込まれることになると、推定されます。

投資判断

中国の鉄鋼市況上昇の継続性に会社は半信半疑です。ただし、それでも、私は今、JFE HLDG(5411)・新日鐵住金(5401)の2社を少しだけ買ってみていいと考えています。不透明要因が残っているので、少しだけにしておく方がいいと思います。不透明要因がなくなった時には、株価は好材料を織り込み済みになっていることが多いので、今の段階で投資判断をする必要があります。

中国景気の回復によりもっと確信が持てるようになれば、神戸製鋼所(5406)・三井物産(8031)・三菱商事(8058)などにも、投資を拡大できるようになります。中国景気の状況を、今しばらく注意してみておく必要があります。

本レポートは、以下のレポートの続きに当たるものです。もし、お読みでなければ、リンクをクリックしてお読みいただけると幸甚です。

「3分でわかる!今日の投資戦略」4月21日「中国景気が持ち直していると聞くが本当か?」

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