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リターン・リバーサルを意識した銘柄選別も必要
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

リターン・リバーサルを意識した銘柄選別も必要

2016/4/22
21日の日経平均は、前日比457円高の17,363円でした。米景気が堅調、中国景気に持ち直しの兆しがあることを好感して、世界的にリスク資産を買い戻す流れが出始めています。為替市場では、「リスク・オフ」の円高圧力が低下し、少し円安に戻りつつあります。
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21日の日経平均は、前日比457円高の17,363円でした。米景気が堅調、中国景気に持ち直しの兆しがあることを好感して、世界的にリスク資産を買い戻す流れが出始めています。為替市場では、「リスク・オフ」の円高圧力が低下し、少し円安に戻りつつあります。

米国・中国と、GDP規模で世界1位2位の経済大国で原油需要が増加しつつあることを受け、原油先物の反発が続いています。円安・原油高を好感して、日本株に外国人の買いが戻りつつあります。

ただし、4月22日の日本時間午前6時現在、為替は1ドル109.42円とやや円高になり、同時刻でCME日経平均先物(6月限)は、17,235円に下がっています。

(1)外国人についていく運用ならば今が買い時の可能性も

21日に東証が発表した主体別売買動向によると、先週(4月11-15日)、外国人投資家は日本株を3849億円買い越しました。外国人は、年初から日本株を13週連続で売り越した後、2週連続で買い越したことがわかりました。今週も買い越しになる可能性が高いと思います。そうなると、外国人は4月に3週連続の買い越しとなります。

以前、お見せした通り、日本株は外国人が買えば上がり、外国人が売れば下がる展開が20年以上続いています。→以下のレポートを参照してください:「3分でわかる!今日の投資戦略」4月13日「外国人の売買動向を知る方法」

来週以降も外国人の買いが続くと考えるならば、今は日本株買い増しを考えるタイミングとなります。私が、日本株ファンドマネ-ジャーをやっていた25年間の大部分、外国人についていくコバンザメ運用は鉄板の手法でした。「情けないことを言うやつだ」とお思いになる読者の方もいらっしゃるでしょうが、私が長い年月、ファンドマネージャーとして市場平均を上回る成績をあげることができたのは、外国人に逆らわない運用に徹していたからです。

外国人についていく運用で重要なのは、外国人の売買動向が変わる時です。今がそうです。年初から13週連続で売っていた外国人が、買ってきています。このまま買い越しのトレンドが続くのか、一時的な買いなのか、しっかり見極める必要があります。

3週だけ買い越して、来週以降、売り越すならば、外国人の買いは「だまし」だったことになります。外国人の買いについていくつもりで、日本株を買ったら、来週、いきなり外国人の売りにぶつかるということもあり得ます。「だまし」のリスクもあるので、一気に大きなポジジョンを動かすのは得策ではありません。割安な日本株を少しだけ買ってみるという考えでよいと思います。外国人に「ついていく」のも結構、むずかしい判断が必要なものです。

(2)「相場は相場に聞く」テクニカル分析で、初期の買いシグナルが出ている

詳しいテクニカル分析は、毎週金曜日の夜に掲載される土信田のレポート「テクニカル風林火山」をご覧ください。ここでは、初歩の移動平均線の分析だけ書きます。

まず、日経平均の日足チャートをご覧ください。昨日、25日移動平均線が上向きに転じました。これで、日経平均日足についている、5日・25日移動平均線はともに上向きとなりました。短期的に上昇トレンドが出たと判断できます。

日経平均の日足チャート

(出所:トムソン・ロイター)

日経平均の週足には、13週・26週移動平均線がついていますが、ここでは、やや異なる絵が見えます。13週移動平均線は上向きに転じていますが、26週移動平均線は下向きのままです。長い移動平均線まで見ると、まだ日柄調整が不十分ということになります。26週移動平均線が上向きになるには、まだ時間がかかります。それまで、まだ日経平均が乱高下するリスクは残っているといえます。

日経平均の週足チャート

(出所:トムソン・ロイター)

(3)何を買うかが、きわめて重要

日経平均は、既に17,363円まで戻っています。ただし、個別銘柄では、戻りのスピードがまったく異なります。大きく下がってほとんど戻っていない「出遅れ」銘柄もあれば、先行して日経平均以上に上昇している「先行」銘柄もあります。

相場全体の流れが変わる時、物色動向が変わることもあります。これまでの下落率の大きかった銘柄ほど、上昇率が大きくなることがあります。これをリターン・リバーサル(上がっていたものが下がり、下がっていたものが上がること)といいます。ここからは、リタ-ン・リバーサルを意識して、昨年来の下落率が大きかった銘柄にも少し投資してみて面白いと考えます。

そこで、ご覧いただきたいのが、以下のグラフです。

日経平均下落局面での、下落率比較:2015年7月末―2016年4月21日

(注:2015年7月末の値を100として指数化、楽天証券経済研究所が作成)

上記は、日経平均が下げに転じた昨年8月から2016年4月21日までの値動きを示しています。世界景気の不安や円高の悪影響を受けない、セコム(9735)や、オリエンタルランド(4661)は、日経平均より値下がり率が低かったが、日経平均よりも戻りが早く、既に7月末の水準をほぼ回復しています。今から買っても、リバウンドでの上昇は期待できません。

一方、景気敏感株のJFE HLDG(5411)や、マイナス金利でダメージを受ける三菱UFJ FG(8306)は、日経平均より下落率が大きく、戻りは日経平均よりも遅れています。相場の潮目が変わりつつある時は、出遅れ株のJFEや三菱UFJにも、リバウンド狙いで投資して面白いと考えます。

グラフには代表銘柄だけ示しましたが、大手鉄鋼では、新日鐵住金(5401)にも投資妙味があると考えています。メガバンクでは、三井住友FG(8316)・みずほFG(8411)にも投資魅力があると思います。

鉄鋼やメガバンクは、これまでの株価下落率が高かったので、不安を感じている方も多いと思います。この2セクターについては、本欄でたびたびレポートを書いています。詳しくは「3分でわかる!今日の投資戦略」バックナンバーからお読みいただけると、幸甚です。

(4)決算リスクには要警戒

外国人が買い越しになり、テクニカル指標が改善したので、今日は、投資アイディアについて書きました。ただし、突然、世の中がぱっと明るくなったわけではありません。米経済が堅調、中国経済が回復という話しが、「だまし」である可能性もないとは言えません。警戒心は解除できません。

目先、一番警戒しなければならないのは、これから始まる2016年3月期の決算発表です。前期(2016年3月期)実績はあまり良くないと思います。問題は、今期(2017年3月期)の業績予想です。日本企業は、期初は低めの予想を出す傾向がありますが、円高が進んだ今、保守的に減益で予想を出してくるところもあると思います。後から上方修正されていく見込みでも、とりあえず、減益予想の発表直後は、株価が大きく下がる可能性があります。

一昨日、決算を発表した安川電機(3月20日決算)は、前期営業利益が16.5%の367億円と最高益でしたが、今期は23.8%減益の280億円になるとの予想を出しました。今期の減益予想を嫌気して、21日は株価が4.8%下がりました。円高が減益予想の主な要因とされています。

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