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裁定買い残高が1兆9800億円まで減少
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略を毎営業日レポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者と…

裁定買い残高が1兆9800億円まで減少

2016/2/18
17日の日経平均は、218円安の15,836円でした。午前中に一時160円高の16,214円まで上昇した後、午後には一時422円安の15,632円まで下がり、大引けは218円安でした。不安定な値動きが続いています。
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17日の日経平均は、218円安の15,836円でした。午前中に一時160円高の16,214円まで上昇した後、午後には一時422円安の15,632円まで下がり、大引けは218円安でした。不安定な値動きが続いています。先物・オプションにからんだ突発的な売りがいつまた出るか、判断できないことが不安心理につながっています。

今日は、株式市場に潜むさまざまな地雷(先物・オプションを使った投機的ポジション)の変動を知るための参考指標として重要な、「裁定買い残高」の変化について改めてご報告します。

(1)株式市場に潜む「地雷」は減りつつある

先週の日経平均急落に日経平均リンク債が絡んでいることを、昨日、ご説明しました。先週は、日本で大量に販売されている日経平均リンク債がノックインしたことに伴い、日経平均先物へ大量の売りが出ました(詳しくは、昨日のレポートをご覧ください)。

日経平均リンク債に付帯している「プット(売る権利)」が、株式市場に潜む「地雷」となっていたわけです。突然プットが行使されることで、日経平均は突発的な下げに見舞われました。

ただ、日経平均リンク債にからむ地雷(プット)は、破裂する(行使される)ことで、かなり減少したと推定されます。でも、それはあくまでも、推定です。日経平均リンク債に付帯するプット(売る権利)は、取引所で売買されるプットと異なり、その残高変化を、何かの統計を見て知ることはできません。

(2)裁定買い残高に、先物・オプションに絡む投機的ポジションの変動が表れる

先物・オプション市場に潜むさまざまな地雷が、トータルでどれくらい減ったかを、間接的に知る術があります。それが、裁定買い残高の変化です。

日経平均と裁定買い残高の推移:2013年1月4日―2016年2月17日

(出所:東証データより楽天証券経済研究所が作成)

裁定買い残高の変化に、外国人投資家による日経平均先物への投機的買い残高の増減があらわれます。もちろん、国内投資家の投機的売買も、裁定買い残高の変動に表れます。先物・オプションにからむ、あらゆる種類の投機的ポジションの変動が、裁定買い残高の変動にあらわれるわけです。日経平均リンク債を組成した証券会社がヘッジのために行う先物買いが誘発する裁定買い残高も、ここに含まれます。

外国人売買を例に、裁定買い残高が変動する仕組みを簡単に説明すると、以下の通りです。

外国人が先物を買い、先物が割高になると、裁定業者(証券会社)が裁定買い(先物売り・現物買い)を出します。そこで、裁定買い残高が増加します。逆に、外国人が先物を売り、先物が割安になると、裁定業者は裁定解消売り(先物買いい・現物売り)を出します。そこで、裁定買い残高は減少します。

近年は、裁定買い残高が1.8~2.6兆円まで減少すると、短期的に日経平均が反発する傾向が見られました。裁定買い残が1.8~2.6兆円になれば、あらゆる種類の投機的な買いポジションがトータルでかなり整理されたと考えることができるわけです。

2月12日の裁定買い残は、1.98兆円まで減少しました。先物やオプションにからむ投機ポジションの整理がかなり進んだと判断できます。今後、突発的な先物の売りは段々減少すると、推定されます。ただし、それも、あくまでも推定です。1.98兆円の中に、まだ投機的なポジションがかなり残っている可能性もあります。

なお、裁定買い残高には、投機的な先物買いによって作られたものと、投機的ではない先物買いによって作られた部分があります。その内訳は、推定するしかありません。証券会社は、機関投資家と相対取引するために、常に一定量の株式現物を保有するとともに、株価変動リスクを避けるために、ほぼ同金額の先物を売っています。このように証券会社が常に保有する「株式現物の買い、先物の売りポジション」も、裁定買い残高に含まれます。この部分は、投機的ではありません。

昨日に続き、専門用語ばかりのわかりにくい説明ですみません。ここまでの説明がよくわからなかった方は、以下の結論①-③だけ頭に入れてください。

  • 先物・オプションを使った地雷(突発的に表れる売りの原因)が、日経平均リンク債などさまざまなところに埋まっています。その残高変動は、統計に表れません。
  • 裁定買い残高の変動に、先物・オプション絡みの投機的ポジションの変動トータルが表れます。
  • 足元、裁定買い残高が1.98兆円まで減少したことから、先物・オプション絡みの地雷は、かなり整理されたと推定されます。ただし、それはあくまでも推定で、1.98兆円の中にまだ大量の投機的ポジションが残っている可能性を否定することはできません。

裁定買い残高の見方について、もう少し詳しい説明が必要な方は、以下のレポートをご参照ください。

2016年1月15日のレポート「裁定買い残の変化から考える日経平均の下値メド

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