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日経平均急落リーマンショック再来?
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

日経平均急落リーマンショック再来?

2016/2/15
先週の日経平均は、1週間で1,867円(11%)下がり、14,952円となりました。一時1ドル110.97円まで進んだ円高と、欧州の銀行の信用不安が嫌気されました。先週末(12日)の海外市場では、欧米株が反発、1ドル113円台へ円安が進み…
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先週の日経平均は、1週間で1,867円(11%)下がり、14,952円となりました。一時1ドル110.97円まで進んだ円高と、欧州の銀行の信用不安が嫌気されました。先週末(12日)の海外市場では、欧米株が反発、1ドル113円台へ円安が進み、CME日経平均先物(3月限)は、15,410円(日経平均終値より458円高)へ上昇しています。世界経済への不安は払拭されませんが、今週の日経平均はテクニカルな反発が見込まれます。

(1)日経平均は2014年10月の黒田バズーカ(大規模追加緩和)直前の水準を下回る

日経平均週足:2014年4月―2016年2月12日

(注:マーケットスピードより楽天証券経済研究所が作成)

1月から、①上海株安、②原油安、③円高、④欧州銀行不安などの悪材料が重なり、日本株へ外国人の売りが増え、日経平均は15,000円を割れました。2014年10月の黒田バズーカ以降の上昇を、すべて帳消しにした形となりました。

これくらい急激な株価の下落があると、リーマンショックのように実態経済が大きく悪化する前触れかと、考える人もあらわれます。今日は、今起こっていることと、リーマンショックの比較をしてみようと思います。その前に、まず今朝の注目材料をコメントします。

(2)今朝の注目材料

  • 日本の10-12月期GDP

今朝8時50分に、総務省から日本の10-12月GDP(速報値)が発表されます。市場予想では、前期比年率▲0.8%とマイナス成長になります。暖冬で衣料品消費がふるわなかった影響に加え、中国景気の悪化を受けて設備投資にブレーキがかかってきている可能性があります。市場予想通り、マイナス成長となると、日本の景気回復に疑問符がつきます。

  • 上海株1週間ぶりの取引

先週は、中国が春節(旧正月)休暇で、上海株は休場でした。今日から売買が再開されますが、先週世界的に株が下がった影響を受けて、下落して始まる公算大です。下げが大きいと、警戒感が広がります。

(3)リーマンショックはなぜ起こったか?

まず、リーマンショックが起こった原因を、振り返ります。リーマンショックを引き起こしたのは、以下の2つです。①世界景気の急激な悪化、②世界的な金融危機です。

  • 世界景気の急激な悪化

世界的にインフレが高進した影響で、世界中で消費が失速しました。中国ではインフレ率(消費者物価指数の前年比上昇率)が一時8.5%に達しました。新興国では軒並み10%を超えつつありました。低インフレ国の日本ですら、一時インフレ率が2%に達しました。当時は、今と正反対で、資源価格の高騰が続き、まさに資源バブルのピーク期にありました。資源価格の高騰が世界的なインフレを生み、それが世界の消費を押しつぶしたのが、リーマンショック時の世界不況だったと言えます。

  • 世界的な金融危機

米国の住宅バブル崩壊が、世界的な金融危機を生じました。米国のサブプライムローン(低信用の住宅ローン)を組み込んだ商品が、世界中の金融機関に販売されていましたが、米国の住宅価格急落を受けて、サブプライムローンに貸し倒れが急増しました。サブプライムローン商品を大量に保有していた米国および欧州の金融機関の財務内容が悪化し、信用不安が広がりました。サブプライムローン商品の価格急落で自己資本が不足する銀行が、自己資本をカバーするために保有する金融商品を一斉に投げ売りしました。それで世界中の金融商品が一斉に急落しました。金融商品の急落で、さらに自己資本が減少する欧米の金融機関が、さらに自己資本をカバーするために金融商品の売りを増やすという悪循環が見られました。

ケースシラー米20都市住宅価格指数:2000年1月~2015年11月

(出所:ブルームバーグより楽天証券経済研究所が作成)

米国の住宅価格の推移を表しているのが、上記のケースシラー米20都市住宅価格指数です。住宅価格の推移は、米景気に大きな影響を及ぼします。

2001年ITバブル崩壊は、住宅価格の上昇も寄与して、短期で終息しました。2001年ITバブル崩壊で、米景気は不況に陥りました。2001年9月11日には、同時多発テロがあり、さらに米景気が悪化することが懸念されました。ところが、案に反して2001年10-12月からアメリカの消費は力強く回復しました。住宅価格が上昇し続けていたことから、消費の回復は早かったと言えます。

2007年から米住宅価格は急落し、リーマンショックを引き起こしました。現在、米住宅価格は再び上昇基調にあり、米景気好調に一役買っています。ただし、最近、上昇率が鈍ってきており、米住宅価格がピークアウトする懸念も出ています。

(4)現在の世界経済が、リーマンショック並みの悪化する危惧はあるか?

現在、世界経済が減速しつつあります。欧州の銀行に信用不安が広がっており、金融危機の芽もないとは言えません。世界的な景気後退と金融危機が同時に起これば、リーマンショック並みの経済危機に発展することはあり得ます。

ただし、現時点では、世界景気、金融不安も、リーマンショック時ほどのマグニチュードを持ったものとは、なっていません。

  • 世界景気の悪化

資源バブルと、中国の投資バブル崩壊を受けて、新興国中心に世界景気は悪化しています。すぐに、リーマンショック並みの景気後退が起こる可能性は低いと考えられます。リーマンショック時、トヨタ自動車(7203)・本田技研(7267)・日産自動車(7201)・日立製作所(6501)・ソニー(6758)など日本の大手製造業は軒並み赤字になりました。

今はどうでしょうか?1ドル110円を前提とすると、来期(2017年3月期)、トヨタ自動車(7203)が3000億円くらい減益になるリスクがあります。ただ、今期(2016年3月期)、トヨタ自動車(7203)は連結営業利益で過去最高の2兆8000億円を計上する見通しです。来期減益となっても高水準の利益をあげる見通しには変わりありません。赤字になったリーマンショック時とは異なります。

それでは、金融危機が起こる可能性はどうでしょう?欧州の銀行に信用不安が起こっています。また、資源関連のファイナンスでデフォルトが発生するリスクも心配されています。ただ、私は、リーマンショック並みの金融危機に発展する可能性は低いと考えています。

この問題につき、明日以降も、さまざまな視点から議論します。

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