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21日後場に日経平均を急落させたのは誰か?
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

21日後場に日経平均を急落させたのは誰か?

2016/1/22
21日の日経平均は前日比398円安の16,017円でした。後場寄り(12時34分)には前日比318円高の16,734円まで上昇していましたが、後場に入って売りが増えて急落しました。
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21日の日経平均は前日比398円安の16,017円でした。後場寄り(12時34分)には前日比318円高の16,734円まで上昇していましたが、後場に入って売りが増えて急落しました。

今日は、後場に日経平均が急落した理由について、私が考えていることをお話しします。

(1)21日の日経平均の動き

まず、昨日の日経平均の値動きをレビューします。日経平均は、前場(午前中)じりじりと上昇しつつありましたが、後場(午後)に急落しています。午後に入ってから海外勢(産油国と推定される)から大口バスケット売りが入ったと考えられます。

日経平均の21日の日中の動き

21日後場の大口売りは先物ではなく、現物株に出ていると考えられます。日経平均先物に売りが入る時は、日経平均の下げが大きくなりますが、21日は日経平均よりも、東証株価指数(TOPIX)の下落率の方が大きくなっているからです(日経平均▲2.4%、TOPIX▲2.8%)。したがって、昨日の売りの主体は、ヘッジファンドの先物売りではなく、産油国の現物バスケット売りと推定されます。

産油国と推定される大口現物売りは、20日・21日と2日続けて出たと考えられます。それが、日経平均が▲632円・▲398円と2日続けて大きく下がった理由と思います。20日は朝から1日かけて売ったが、21日は午後に集中して売ったと推定されます。20日に日経平均が▲632円と大きく下がった後、21日午前中は、大口売りを出さずに様子見していたと考えられます。日経平均がリバウンドしてきたところで、後場になって大量の売りを出したと考えられます。

21日の午前は、海外勢の大口売りが出ていなかったので、リバウンド狙いの買い物で日経平均は少しずつ上昇していましたが、後場に大口のバスケット売りが出たことがわかり、再び売り一色に変わりました。

(2)追い詰められるサウジアラビア

どこの産油国から売りが出ているか、わかりません。相当、焦って売ってきていることは間違いありません。長年にわたってコツコツと積み上げてきた日本株(および世界の株式)への巨額の投資資金を、急落後の「短期売られ過ぎ」と考えられる水準で、テクニカルリバウンドを待つこともなく強引に売ってきているからです。

あくまでも推測に過ぎませんが、私はサウジアラビアが売ってきている可能性が高いと考えます。サウジアラビア王家は、原油の急落によって相当追い詰められているからです。

原油収入が潤沢なサウジアラビアは、これまでバラマキ型社会福祉を行うことで、政権が不安定になるのを押さえてきました。エジプトとともに長い年月、米国と良好な関係を維持してきました。アラブの春で、エジプトのムバラク政権が倒れたのを欧米諸国が中東の民主化と賞賛したのは、サウジ王家にとって重大な危機でした。ところが、潤沢な石油収入を生かした社会福祉を維持しているサウジに革命が波及することはありませんでした。これに不満を持つサウジ内のイスラム教原理主義者から、アルカイダやIS(イスラム国)などの過激派に身を投じる者が絶えませんが、それでも社会福祉の充実したサウジアラビアの政情が不安定になることはありませんでした。

ところが、今、原油急落によって長期的な国家財政計画が完全に成り立たなくなりました。これまで年々膨らませてきた社会福祉が維持できず、急激な切り詰めが始まっています。社会不安が広がるのを押さえるため、サウジが少しでも収入を増やそうと原油を増産すると、それが原油価格の下落に拍車をかけてしまいました。何とか収入を補おうと、保有する巨額の金融資産を売ると、世界中の金融資産が急落を始めました。

サウジアラビアをさらに追い詰めたのは、産油国の動きを先取りしたヘッジファンドが、原油先物を大量に売り、さらに、世界の金融資産の先物を売ってきたことです。サウジアラビアは、原油先物がドンドン下がり、さらに保有する金融資産の時価がドンドン下がっていくのを見て、パニック的心理状態になったと考えられます。一刻も早く、保有する金融資産を換金しないと大変と、大慌てで保有する日本株ファンドなどに強引な解約売りを出してきていると、推定されます。

以上は、あくまでも推定で、事実と異なる可能性もあります。ただ、産油国の内情を長年よく見てきた私としては、かなりの部分当たっていると考えています。

マスコミで、よくサウジアラビアが戦略的に原油価格を下げているという報道を見ます。実際、サウジアラビア政府がそれに近いコメントを出すこともあります。シーア派幹部を死刑にし、イランと断交するなど最近強硬策の目立つサウジは、対外的に弱みを見せられないと思います。実態は、かなり追い詰められていると、判断しています。

サウジアラビアに限らず、原油収入に頼って生きてきた産油国は、みな苦境にたっています。原油収入で投資してきた日本および世界の株への売りがいつ止まるか、見極めるのは難しいですが、パニック的な売りが収束した時には、株価の戻りが大きくなると私は予想しています。

(3)21日の海外市場の動き

21日のWTI原油先物は、1バレル29.53ドル(前日比2.98ドル高)、NYダウは115ドル(0.7%)高、CME日経平均先物は16,450円(21日の日経平均終値対比433円高)。ドル円為替レートは、日本時間21日午前6時40分現在、1ドル117.70円です。これを受けて、今日の日経平均は、反発して始まることが見込まれます。

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