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割安でも下げ止まらない日本株安川電機が決算発表
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略を毎営業日レポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者と…

割安でも下げ止まらない日本株安川電機が決算発表

2016/1/21
20日の日経平均は、前日比632円安の16,416円と再び急落し、日経平均の下値メドと考えていた16,700円も下回りました。原油値下がりが止まらず、産油国が保有する金融資産の処分売りを急いでいる可能性があります。
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20日の日経平均は、前日比632円安の16,416円と再び急落し、日経平均の下値メドと考えていた16,700円も下回りました。原油値下がりが止まらず、産油国が保有する金融資産の処分売りを急いでいる可能性があります。そのため世界中で株・商品先物・高金利通貨・ハイイールド債などのリスク商品が同時に売られる「リスク・オフ」相場が続いています。

(1)世界景気が突然、急激に悪くなったとは考えていません

売りが売りを呼び、世界中のリスク資産が一斉に急落していることから、リーマンショック並みの世界不況が来ると考える人がいます。私は、今の世界株安が、世界経済の実態を表しているとは考えていません。世界景気がやや悪化しつつあることはわかりますが、それだけで今の急落相場を説明できません。

原油が下げ止まらないことを受けて、産油国から世界中の株に売りが出ていることがわかっています。さらに、さまざまな海外ファンドから株価指数先物に大量の売りが続いていることも影響しています。先物・オプションを駆使して「下がれば売り」「上がれば買い」と相場の流れを増幅するファンド運用が世界中に増えたことが、今のような一方通行の相場の流れを作っていると考えています。

投資家には、「下がったら買い」「上がったら売り」と判断する人と、「下がったら売り」「上がったら買い」と判断する人がいます。2つのタイプが存在することにより、株は下げ相場でも一方通行の下げにはならず、テクニカル・リバウンドを繰り返しながら、下値を切り下げていくことになります。ところが、今は「下がったら売り」「上がったら買い」とプログラムされたファンドが増え、一方通行の売りが続くために、「下がったら買い」と考える投資家も手を出しにくくなっています。

日本株は収益価値・配当利回りから割安と判断していますが、どこで産油国や海外ファンドの売りが止まり、どこが底値になるか、見極めるのが困難になりました。ただ、投資価値を無視して売り込まれた分、先行き外国人売りが収束した時の日経平均の反発力は大きくなりつつあると判断しています。

(2)20日の海外市場動向

以下の通り、リスク資産が売られる状況が継続しています。NYダウは一時▲560ドル超のマイナスとなりましたが、引けは▲249ドルと下げ幅を縮小しました。為替はロンドン市場で一時1ドル115.88円をつけましたが、日本時間午前6時50分現在は1ドル116.97円です。

  • 上海総合株価指数:前日比▲1.0%
  • イギリスFT100指数:前日比▲3.5%
  • NYダウ:前日比▲1.6%(▲249ドル)
  • WTI原油先物(期近):1バレル26.55ドル(前日比▲1.91ドル)
  • CME日経平均先物(3月限):16,370円(20日の日経平均終値対比▲46円)

(3)安川電機(6506)が第3四半期(10-12月)決算を発表

これから始まる10-12月決算発表への注目が、一段と高まっています。日経平均の下がり方から、「決算内容はかなり悪いのではないか」と考える人も増えているからです。確かに、円高・中国景気悪化・資源価格急落によって日本企業の利益モメンタムは低下していると考えられます。それでも私は、今来期とゆるやかな企業業績の拡大が継続するという考えは変わっていません。

20日、中国や米国で事業展開し、海外売上高が7割を占める安川電機(6506)が第3四半期(2015年10-12月)の決算を発表しました。足元の業況がどう変わっているか聞くために、決算説明会(電話会議)に参加しました。

安川電機は、通期(2016年3月期)の業績見通しを以下の通り、引き下げました。

安川電機の2016年3月期業績会社予想

(金額単位:億円)

  2015年
3月期実績
2016年
3月期修正前予想
2016年
3月期修正後予想
前年比
売上高 4,001 4,200 4,100 +2.5%
経常利益 339 370 355 +4.8%

(出所:安川電機HP)

安川電機は、設備投資関連企業で、モーション・コントロール事業(ACサーボ・インバータなど制御機器)と、ロボット事業(産業用ロボット)が主力です。中国・アメリカなど海外で幅広く事業展開しており、同社業績に世界景気の影響がよくあらわれます。

同社説明によると、米国は好調だが、中国のスマホ向け・自動車向け受注が低下したために、業績見通しを下げたということでした。米アップル社のiPhone販売が低調である影響がここにも出ています。中国スマホについては、春節明けに受注が戻ることを期待していますが、現時点では楽観視できないとのことです。

中国の自動車産業向けの受注が減速していることには、警戒が必要です。ただし、米国事業が好調なので、全社業績は悪くありません。業績見通しは下方修正しましたが、ここから業績が一段と悪化していくとは、現時点で考えにくいところです。下方修正後の経常利益355億円が達成できれば、過去最高益となります。

今日以降、注目企業の決算発表が続きます。今日発表予定の日本電産(6594)・総合メディカル(4775)・小松ウォール工業(7949)、明日発表予定の東京製鐵(5423)などに注目しています。

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