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テクニカル指標ではかる株価反発の時機投資参考銘柄
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略を毎営業日レポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者と…

テクニカル指標ではかる株価反発の時機投資参考銘柄

2016/1/18
先週の日経平均は、1週間で550円(3%)下がり、17,147円となりました。年初からの下げは1,886円(10%)となりました。
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先週の日経平均は、1週間で550円(3%)下がり、17,147円となりました。年初からの下げは1,886円(10%)となりました。株・商品先物・高金利通貨・高利回り(低信用)債券などすべてのリスク資産が一斉に売られる世界的な「リスク・オフ」相場が継続しています。1月15日の海外市場でさらに株安が続き、CME日経平均先物は16,795円まで下がっており、今日の日経平均は、大幅続落して始まる見込みです。

(1)1月15日の海外市場の動き

世界的な「リスク・オフ」が継続しています。

  • 上海総合株価指数:前日比3.5%安
  • ドイツDAX指数:同2.5%安
  • NYダウ:前日比2.4%安
  • WTI原油先物:1バレル29.42ドル(前日比1.78ドル安)
  • CME日経平均先物:16,795円(1月15日の日経平均終値比352円低い水準)
  • 為替(NY市場):1ドル116.96円(前日比1.07円のドル安(円高))

(2)テクニカル指標で日経平均予想をする場合に知っておくべきこと

今日は、オシレーター系指標(逆バリ指標)を使い、日経平均の反発タイミングについて考えます。テクニカル指標には、オシレーター系(逆バリ)とトレンド系(順バリ)があります。

  • オシレーター系(逆バリ)指標:相場の転換点を探るもの。下がってきた株が下げ過ぎから上昇に転じる転換点、あるいは、上がってきた株が上げ過ぎから下落に転じる転換点を探る。
  • トレンド系(順バリ)指標:トレンドが継続中であることを確認する指標。下がってきた株がさらに下げる、あるいは、上がってきた株がさらに上げると予想されるものを探る。

赤字で記載した重要ポイントだけ、頭に入れておいてください。

  • 短期トレードでオシレーター系(逆張り)指標を使うことは原則禁物

オシレーター系指標は、株式の短期トレードに向きません。短期トレードは、トレンド系指標で行うのが鉄則です。

ただし、これには例外があります。それは、以下の点です。

  • オシレーター系指標で極端な値が出た時には、短期トレードでも有効な場合がある

オシレーター系指標は、原則、中長期投資を考える際に使うべきものです。ただし、例外として、オシレーター系で極端な値が出る場合は短期トレードでも有効になることがあります。

現在の日経平均には、オシレーター系指標で「短期売られ過ぎ」の指標が出てきています。今週、日経平均が16,700円辺りまで下げると、一部のオシレーター系指標で、やや極端な値が出てきます。その場合、短期的にも、中長期的にも、日経平均に押し目買いの好機となる可能性があります。

ただし、一部のトレンド系指標には「さらに下落」を示唆するものもあります。私は、ここはオシレーター系指標を使って逆バリを考えていいと判断していますが、さらなる下落リスクがまったくないと言うことはできません。

(3)オシレーター系指標で考える、日経平均の反発タイミング

テクニカル指標には、さまざまな種類があります。指標ごとに見る切り口が異なりますので、どれも参考になります。ただし、多くの指標が基本的に同じ方向性を示しますので、すべてを見る必要はありません。今日は、代表的な指標を使ってご説明します。

  • 裁定買い残高

    私がオシレーター系指標の中で、もっとも重視しているのが、裁定買い残高の推移です。私がファンド運用をしていた時、日経平均先物の短期投資は、基本的にトレンド系指標で判断していました。ただし、裁定買い残高だけはオシレーター系でも常時ウォッチする必要がありました。

    近年、裁定買い残高は、1.8兆円から2.6兆円まで減少すると、増加に転じる傾向があります。つまり裁定買い残高が1.8兆円から2.6兆円まで減少すれば、日経平均が下げから上昇に転じる可能性があると読むことができます。

    裁定買い残高は1月8日時点で2.55兆円まで減少しています。1月15日時点では、2.2~2.3兆円まで減少していると推定しています(1月15日時点の裁定買い残高は1月20日15時30分ころ東京証券取引所から発表される予定です)。

    この指標で見ると、日経平均は「短期売られ過ぎ」のレンジに入っています。ただし、現時点で1.8兆円を下回るところまで減少しているわけではありませんので、まだ「極端な売られ過ぎ」とは言えません。

    詳しくは、1月15日の私のレポート「裁定買い残の変化から考える日経平均のメド」をご覧ください(本レポート末尾にある「前のレポートへ」をクリックするとご覧いただけます)。

  • 13週移動平均線からの乖離率(日経平均)

    短期的な「過熱」「売られ過ぎ」を判断するもっとも代表的な指標が、移動平均線からの乖離率です。どの移動平均線を見るかは、目的や投資期間によって異なります。ここでは、中長期的な投資判断の参考になる13週移動平均線からの乖離率を使用してご説明します。

    日経平均の13週移動平均線からの乖離率:2012年1月4日―2016年1月15日

    (注:楽天証券経済研究所が作成)

    詳しい説明は割愛しますが、13週移動平均線からの乖離率が+10%を超えると、買われ過ぎのゾーンに入っていると判断します。乖離率が▲10%を下回ると、売られ過ぎと判断します。ただし、これはオシレーター(逆張り)指標ですので、ピンポイントの投資判断には役立ちません。上方乖離率が10%を超えてから上昇に加速がつくこともよくあります。また、下方乖離率が10%を越えてから、さらに下がることもあります。したがって、参考程度に見ておくのが無難です。

    ただし、乖離率が極端に大きくなった時は別です。2013年5月13日(バーナンキ・ショックの直前)に、上方乖離率が29.1%まで拡大しています。これだけ極端に乖離率が大きくなれば、逆張り指標といえども短期的な投資判断に役立ちます。この時、私はファンドマネージャーをやっていましたが、ファンドのルールで許容される範囲でキャッシュ比率を高めました。その直後にバーナンキ・ショック(世界的な株の急落)が起こっています。

    先週末、下方乖離率が▲10%に達しています。それでも、日経平均はすぐには下げ止まらず、今日も大きく下げることが予想されます。仮に16,700まで下げれば、下方乖離率は約▲12%になり、短期的なリバーサル(反発)を期待して良い水準と判断しています。

  • 騰落レシオ(東証一部)

    東証一部騰落レシオ(25日移動平均線)と日経平均推移:2012年1月4日~2016年1月15日

    (注:楽天証券経済研究所が作成)

    騰落レシオは、一般的には「80を割れたら売られ過ぎ、120を超えたら買われ過ぎ」と解説されます。新聞でよく「80を下回ったから短期的に売られ過ぎ」「120を超えたから相場が過熱」という表現を見ますが、ミスリーディング(誤解を生む)です。

    騰落レシオは、過去の推移を見ると、140以上に上昇することも、70以下に下がることもよくあります。120を超えてから日経平均の上昇が加速することも、80を下回ってから日経平均の下落が加速することもあります。私は、短期的な相場動向を考える上で、騰落レシオはほとんど使いものにならないと考えています。

    ただし、騰落レシオが極端に高く、あるいは低くなった時は、見る必要があります。具体的には150を超えた時と、60を下回った時です。1月15日に騰落レシオは59.7まで低下しましたので、短期的な売られ過ぎを意識してよいと考えています。

    ただし、騰落レシオだけで過熱感を判断するのは問題があります。他の過熱指標とあわせてみることが必要です。なぜならば、騰落レシオは相場全体の過熱感とは無関係に上下することもあるからです。小型株中心に相場が上昇する時は、相場全体が過熱していなくても、するすると騰落レシオだけ上昇することがあります。そういう場合は、騰落レシオが150を超えても、売りシグナルとは考えません。

    2012年以降、騰落レシオが150を超えたことが3回ありますが、移動平均線との乖離率もあわせて見た上で、私が過熱のシグナルと判断したのは、バーナンキ・ショック直前の2013年5月7日(グラフ中で赤の四角で囲んだところ)だけです。

    なお、現在の騰落レシオ(59.71)は、大型株主導の下落で60を割っているので、短期的な売られ過ぎシグナルと見てよいと考えています。

(3)投資の参考銘柄

下値リスクがなくなったわけではありませんが、日本株は中長期投資で買い場と判断しています。好配当利回りのディフェンシブ大型株から買っていったら良いと考えています。最近、読者の方から、小型株の参考銘柄も挙げて欲しいという声が多くありますので、今日は、小型株も2銘柄挙げました。

投資の参考銘柄:株価は2016年1月15日時点

(金額単位:円)

コード 銘柄名 株価 最低投資金額 PER:倍 配当利回り 備考
6047 Gunosy 686.0 68,600 42 NA 小型 成長期待
3669 モバイルクリエイト 469.0 46,900 22 1.1% 小型 成長期待
2914 日本たばこ産業 4,080.0 408,000 15 2.9% 大型 好配当利回り
8306 三菱UFJ FG 672.0 67,200 10 2.7% 大型 好配当利回り
8316 三井住友FG 4,172.0 417,200 8 3.6% 大型 好配当利回り
8411 みずほFG 222.4 22,240 9 3.4% 大型 好配当利回り
9437 NTTドコモ 2,416.5 241,650 19 2.9% 大型 好配当利回り

(注:楽天証券経済研究所が作成)

ここに挙げている小型成長期待株について、説明します。私は、ファンド運用をやっていた時は、市場で高い評価を受けて株価が高値に貼り付いている小型株よりも、一度失望された後に、復活の気配が出ている小型成長期待株を、より好んで投資してきました。今日挙げた2銘柄はいずれも、その範疇に入ります。

Gunosy(6047)は、20~30歳代の利用者が過半数を占めるニュース・アプリで、2015年4月に東証マザーズに上場したばかりです。上場初値が1,520円ですが、上場後に業績予想の下方修正を出して株価が大きく下がりました。上場直後はまだ収益性が不安定で、ビジネスモデルに不安がありました。ニュース記事の体裁で、広告記事を流しているとの疑惑が語られたことも痛手となりました。

そのGUNOSYですが、上場初値から大きく株価が下がりましたが、投資対象としてようやく評価できる段階に入ったと考えています。1月14日に第3四半期(9-11月期)決算を発表するとともに、KDDI(9433)との戦略的な提携も発表しました。収益性とビジネスモデルの改善が進んだことが好感され、1月15日の株価はストップ高買い気配の686円で引けました。ここから、さらに株価上昇余地は大きいと予想しています。

モバイルクリエイト(3669)は、業務用IP無線(タクシー配車システム)で成長が期待されます。タクシーのアナログ無線は、近い将来、スマホと親和性の高いIP無線に置き換えられていくと予想されますが、そこで、業績の拡大が期待されます。

2015年11月期(中間決算)経常利益が前期比▲61%の1.7億円となったことから、足元の株価は昨年4月の高値(885円)から大きく下がり、1月15日で469円となっています。今中間期は、前期の大型案件(沖縄ICカード)の剥落と、今期期待する大型案件の売上計上の遅れから、大幅減益となりました。

ただし、会社は、通期(2016年5月期)は、遅れていた大型案件も売上げにたち、経常利益が前期比+69%の13.3億円に拡大するという予想を変更していません。来期も業務用IP無線の拡大を見込んでいます。多角化事業では、将来、沖縄県での地域マネーとなることを目指すOKIKA(ICカード)の決済事業の貢献を期待しています。また、利益への貢献は当分見込めませんが、ドローンの開発・販売を開始していることにも、注目できます。

Gunosy(6047)・モバイルクリエイト(3669)ともに、業績が期待通りに拡大しないリスクも当然存在します。値動きが大きい小型株は、当たると大きく上昇する期待がありますが、逆に株価が下がるリスクもあり、十分にリスクを理解したうえで投資することが肝要です。

今日は、3分ではとても読めない長文レポートになってしまいましたが、お読みいただきありがとうございました。

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