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株主優待目当ての投資は問題か?
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

株主優待目当ての投資は問題か?

2015/12/9
7日の日経平均は、198円高の19,698円でした。11月の米雇用統計が好調であったことを好感してNYダウが上昇した流れから、朝方307円高の19,811円まで上昇しましたが、その後、上昇幅を縮小して引けました。
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8日の日経平均は、205円安の19,492円でした。朝方に7-9月GDP改定値が発表され、マイナス成長からプラス成長に修正されたことは好材料ですが織り込み済みで、利益確定売りが増えました。来週に注目イベント(アメリカの9年半ぶり米利上げが予想されていること)を控え、今週は不安定な値動きが続きそうです。下がった時は買いのスタンス継続でいいと考えています。

さて、話題は変わりますが、読者の皆様から「株主優待目当ての投資」をどう考えるべきか多数質問をいただいています。今日から明日にかけて、株主優待投資について、私が考えていることを書きます。

(1) ものくるる友は、よき友?

鎌倉時代に書かれたエッセー集「徒然草」では、「よき友」として最初に「ものくるる友」が挙げられています。日本に、贈り物を喜ぶ文化が古くから根付いていることがうかがい知れます。その流れを受けて(?)か、日本には「株主優待制度」という、欧米には存在しない特殊な制度があります。上場企業が株主に感謝して贈り物をする制度です。

本来、株主には配当金を支払うことで利益還元するのが筋です。ところが、日本の個人株主の一部に、お金(配当金)をもらう以上に贈り物(株主優待)を喜ぶ風潮があることから、株主優待という制度が存続しています。小売業や食品業では、個人株主がそのままお客さま(会社製品の購入者)になることもあるので、広報宣伝活動の一環として自社製品を優待品に積極活用する企業が多数あります。

優待投資には、すぐれた側面と困った側面があります。今日はまず、優待投資のすぐれた面を説明します。

(2)(個人投資家にとって)優待投資のすぐれた面

以下の①・②が挙げられます。

  • 株主優待制度は個人株主を優遇する内容となっていることが多い。
  • 短期的な株価変動に一喜一憂せず、じっくり長期投資ができる。

それでは、それを詳しく説明します。

  • 株主優待制度は個人株主を優遇する内容となっていることが多い。

機関投資家には、株主優待制度に反対しているところが多数あります。ほとんどの株主優待制度が、小口投資家(主に個人株主家)を優遇し、大口投資家(主に機関投資家)に不利な内容になっているからです。以下は、12月決算のアサヒグループHLDG(2502)が予定している優待内容です(優待内容は変更されることもありますので、常に最新の情報を確認してください)。

アサヒグループの優待内容

毎年12月末に株主名簿に記載されている株主に以下の優待商品を送ります(筆者注:12月末の株主名簿に登載されるためには12月25日までに同社株を購入する必要があります)。

◆対象となる株主
毎年12月31日現在、当社株主名簿に氏名が記載されている100株以上保有の株主

保有株式数 株主優待の内容
100株以上1,000株未満 1,000円相当のグループ商品詰め合わせ等
1,000株以上 2,500円相当のグループ商品詰め合わせ等

(出所:同社HP)

上記の優待内容から、100株当たり、どれだけの金額の優待を受けられるかを計算したのが、以下の表です。

保有株式数 100株当たりの優待 計算方法
100株 1,000円相当 1,000円
200株 500円相当 1,000円÷2
500株 200円相当 1,000円÷5
1,000株 250円相当 2,500円÷10
10,000株 25円相当 2,500円÷100
100,000株 2.5円相当 2,500円÷1,000
250,000株 1円相当 2,500円÷2,500

(出所:楽天証券経済研究所が作成)

ご覧いただくと分かる通り、100株当たりの経済メリット享受額は、最小単位(100株)を保有する株主が1,000円で最大です。保有株数の大きい株主は、100株当たりの優待受け取りが小さくなります。つまり、株主優待制度は、小額投資の個人株主を優遇するものであることがわかります。

個人株主数を増やしたい上場企業は、優待制度を積極活用して、個人株主にアピールすることになります。

  • 短期的な株価変動に一喜一憂せず、じっくり長期投資ができる。

株式投資では、良い会社に長期投資すると大きなリターンが得られます。ところが、毎日株価を見ていると、じっくり長期投資できなくなることがあります。株価が上がってくると、利益確定したくなるのが、人間心理です。「じっくり持っていれば株価が2倍になっていたのに、たった10%上がったところで売ってしまった・・・」のようなことも、起こるわけです。

株主優待目当てで株式投資している人には、いい意味でも悪い意味でも、日々の株価変動をあまり見ない人が多いようです。

したがって、良い会社に優待目当てで投資していると、気がつかない内に、株価が大きく上昇していたということもあります。たとえば、ここ2~3年、食品セクターに株価が大きく上昇する銘柄が多数あります。食品セクターには、株主優待制度を活用して自社製品を株主に贈る企業がたくさんあります。優待目当てで食品株に投資している株主には、株価を見ていない内に、株価が非常に大きく上昇していたということも起こっています。

以下、参考までに、株主優待制度で自社製品を贈るアサヒグループHLDG(2502)と、味の素(2802)の過去4年のチャートを掲載します。

アサヒグループHLDG(2502)月足:2012年1月~2015年12月(8日まで)

味の素(2802)月足:2012年1月~2015年12月(8日まで)

それでは明日、株主優待制度の困った面と、それを踏まえて優待制度とどう付き合うべきか、私の考えを述べます。

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