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日経平均は大幅反落かECB追加緩和でも欧米株下落
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

日経平均は大幅反落かECB追加緩和でも欧米株下落

2015/12/4
3日の日経平均は前日比+1.77円の19.939.90円と小動きでした。重大イベントの発表を前に、市場関係者がじっと息をひそめて、様子見していたと取れます。
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3日の日経平均は前日比+1.77円の19,939.90円と小動きでした。重大イベントの発表を前に、市場関係者がじっと息をひそめて、様子見していたと取れます。

重大イベントの1つは、昨晩、発表されたECB(欧州中央銀行)による追加金融緩和です。事前の市場予想を上回る緩和ではなかったことから、失望が広がり、欧州株は大幅に下落しました。これを受けて、3日の大証夜間取引の日経平均先物は、19,590円まで下がっています。CME日経平均先物は、今朝6時時点で、19,490円とさらに下落しています。

(1)ECBの追加緩和は完全に織り込み済みで、欧州株は下落

ECBが追加金融緩和を発表すれば、通貨ユーロは売られ、欧州株が上昇すると考えるのが普通です。ところが、昨晩の欧州市場では、まったく逆の反応が起こりました。ECBのドラギ総裁は10月くらいから、12月に追加緩和を実施することを明言していました。そのため、12月4日のECB理事会が近づくにつれ、事前に通貨ユーロを売り込み、欧州株を買う動きが広がっていました。事前に、追加緩和を織り込んでいたと言えます。

ECBによる追加緩和の内容は、以下の通り、ほぼ事前の想定通りでした。

  • 民間銀行が中央銀行に預け入れる余剰資金の金利をマイナス0.3%としました。もともとマイナス0.2%と、マイナス金利を導入済みでしたが、今回さらに0.1%引き下げて、マイナス幅を拡大しました。
  • ECBは、欧州国債など債券を買い取る期間を延長しました。2016年9月までとしていた買い取り期間を、2017年3月以降までと半年延長しました。ただし、買い取る規模は月額600億ユーロ(約8兆円)と据え置きました。買い取り規模の増額がなかったことは失望されました。

追加緩和の発表後、「想定以上の緩和でない」ことに失望が広がりました。3日の欧州株は以下の通り、軒並み、前日比で大幅安となりました。ドイツ(DAX指数)▲3.6%、フランス(CAC40)▲3.6%、イギリス(FTSE100)▲2.3%

欧州株の下落を受けて、NYダウも下落して始まっています。日本時間で今朝5時時点では、前日比▲252ドル(▲1.4%)の17,476ドルとなっています。

(2)為替市場では、通貨ユーロが反発

事前に売り込まれていた通貨ユーロは、ECBの追加緩和内容が想定以上ではなかったことから、反発しました。12月2日時点で1ユーロあたり130.80円まで、ユーロは売り込まれていましたが、日本時間で今朝6時時点では、1ユーロ134.10円まで反発しています。

ユーロ反発を受けて、ドル円為替レートは、やや円高が進みました。12月3日には一時123.55円まで円安が進んでいましたが、今朝6時時点では、1ドル122.48円と、円高方向に動いています。

(3)もう1つの重大イベントは、今晩発表予定の11月米雇用統計

世界の金融市場にとって重要なもう1つのイベントが、今晩に控えています。それは、今晩(日本時間で午後10時30分)に予定されている11月の米雇用統計発表です。事前予想通り、堅調な内容となれば、今月の15・16日の米FOMC(金融政策決定会合)で、利上げが実施される可能性が高まります。

12月3日に発表済みの11月の米ADP雇用統計では、雇用者数が前月比21万7千人増加しており、米景気は好調と判断されます。ADP雇用統計は、民間会社のADP社が、米労働省と似た方法で労働統計を取り、発表しているものです。米労働省による雇用統計発表の直前に発表するため、雇用統計の先行指標として注目されています。

今晩発表予定の米労働省による雇用統計で、一番注目されているのは、非農業部門の雇用者増加数(前月比)です。過去の統計を見ると、これが短期的な米国の景気変動をよく表しています。また、これが、米FRB(中央銀行)が、金融政策を決める際に重視している指標でもあるので、利上げが近づいていると考えられる今、市場関係者の注目は否が応でも高まっています。

今晩発表の非農業部門の雇用者増加数は、事前の市場予想では前月比20万人の増加となります。事前予想通りの数字が出れば、米景気は堅調と判断され、16日に0.25%程度の利上げ(FF金利誘導水準の引き上げ)が発表される可能性が高まります。

(4)米雇用統計が予想通りならば、金融市場はどう反応するか

ECBの追加緩和発表後に、通貨ユーロが買われ、欧米株式が売られたように、金融市場は、必ずしも教科書どおりに動きません。11月の米雇用統計が堅調で、米利上げが予想されるようになったとしても、金融市場が教科書通りの反応をするとは限りません。

普通に考えると、アメリカの金利が上がるわけですから、ドル高(円安)が進み、欧米株式は下がるという反応になります。ただし、米FRBのイエレン議長が、事前に12月の利上げを示唆する発言を繰り返してきたことから、利上げが実施されても、それ自体は織り込み済みかもしれません。織り込み済みで反動が出ると仮定すると、ドル安(円高)が進み、欧米株式は反発することになります。

世界の金融市場にとって重要なのは、アメリカの利上げ時期では、もはやなくなっています。今年1回利上げすることまでは織り込み済みで、来年いつ頃、2回目の利上げがあるかに、市場の関心は移っているようにも思われます。

(5)日経平均が大きく下がれば、再び買い場になると考えます

日経平均は、目先、下落が予想されます。ECBの追加緩和は、内容が想定以上でなかったことから失望されました。今後、さらに米FRBの利上げが重大イベントとして予想されています。また、伏兵として、日銀の金融政策の変更もあり得ます。欧米の金融政策変更は、事前に市場と対話しているため、織り込み済みとなっている場合が多々ありますが、日銀はいつもサプライズ(驚き)を狙っていることが多いので、何らかの発表があると、市場に大きな影響を与えます。

金融市場の重大イベントを事前に予想し、先回りして売買するのは、とても難しいことです。日本株の売買については、あまり短期的なイベントで右往左往するのではなく、上昇が続いている時には少しずつ利益確定し、大きく下がった時には買い増しする冷静な投資行動が必要であると考えています。

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