先週の日経平均は、1週間で4円上昇し、19,883円となりました。日経平均2万円を手前に、やや上値が重くなりました。

(1) 節目として意識される日経平均2万円

日経平均週足および出来高:2015年1月5日~11月27日

(注:楽天証券経済研究所が作成)

今年4月以降、日経平均2万円が節目として意識される状況が続いています。4月には日経平均2万円は上値抵抗線として意識されていましたが、5月に日経平均が2万円を勢いよく超えてから、下値抵抗線として意識されるようになりました。7月に日経平均は、一時的に2万円を大きく割れましたがすぐに2万円を回復し、8月前半まで、2万円は下値抵抗線として意識される状態が続きました。

8月後半に、世界同時株安につれて日経平均は2万円を割れて急落しました。足元ようやく2万円手前まで戻してきた日経平均ですが、2万円は再び上値抵抗線として意識されている状態です。

先週、売買高が減少している点も気がかりです。国内投資家から戻り売りが出やすい2万円を前に、外国人による日本株買いの勢いがやや低下してきていることがわかります。

(2)今週の注目指標:米雇用統計

12月4日(金)に発表される11月の米雇用統計の注目度はきわめて高くなっています。米国の金融政策を決定する際に、雇用統計が重視されているからです。中でも、注目度が高いのは、非農業部門雇用者増加数(前月比)です。強い数字(20万人以上の増加)が出れば、12月利上げの確度が高まります。

ただし、弱い数字(20万人を大きく下回る数字)が出ると、12月の利上げが難しくなります。8・9月の雇用者増加数が、景気好調と判断される20万人増を、2ヶ月連続で下回っているからです。この時、米景気の勢いは弱まっているとの不安が生じました。ところが、10月が27万1千人増加で、米景気は好調との見方が復活しています。

11月の数字がどうなるか、市場の注目度は高くなっています。ちなみに、市場予想では、ちょうど20万人の増加となります。

米雇用統計、非農業者部門の雇用者増加数(前月比)の推移:2013年1月~2015年10月