17日の日経平均は前日比+236円の19,630円でした。パリ同時テロの影響が今のところ小さく、16日の欧米株が堅調であったことが好感されました。

17日の欧州株はECB(欧州中央銀行)の追加緩和期待・ギリシャ国債の利回り低下などを好感して上昇しました。フランス株(CAC40)は前日比+2.8%、ドイツ株(DAX)は+2.4%、英国株(FTSE100)は+2.0%でした。米国株(NYダウ)は+0.04%と小動きでした。CME日経平均先物は日本時間で、今朝6時現在19,830円まで上昇しています。

今日は、日経平均の長期展望について書きます。

(1)年末の日経平均予想を20,000~21,000円に引き下げ

今週はテロへの警戒から調整を予想していましたが、調整は一時的で、日経平均は上昇基調を維持しています。今日の日経平均も続伸が予想されます。ただし、投資環境にいろいろなリスクが残っていることから、年内は、一本調子の上昇とならないと考えています。乱高下を繰り返しつつ、少しずつ下値を切り上げていく展開と見ています。

年末の日経平均予想を、これまで22,000円としていましたが、20,000~21,000円に引き下げます。22,000円に到達するのは、来年半ばになると考えます。

(2)来年には日経平均が22,000円を超えていくと予想

来年には、日経平均が22,000円を超えて、22,000~24,000円の水準に上昇すると考えています。外国人投資家が「日本復活」を評価して、再び、日本株を大幅に買い増すと予想しているからです。以下が注目されるポイントと考えます。

  • 日本企業が円安と原油安で国際競争力を取り戻しつつあること
  • 日本企業が株主への利益配分(増配や自社株買い)に前向きになってきていること
  • 日本株が配当利回りやPERで見て割安なこと
  • マイナンバー・インバウンド・次世代ロボット・次世代自動車など新しい成長テーマが増えていること

(参考)外国人投資家の日本株売買動向(2013年1月~2015年11月第1週まで)

  • 2013年:15兆1196億円の買い越し(アベノミクス・スタートを評価)
  • 2014年:8526億円の買い越し(景気失速で年前半は売り越し、景気回復を確認して年後半に買い越し)
  • 2015年(11月第1週まで):8175億円の売り越し(8・9月にオイルマネーなどが日本株を大量に売却)

(3)永遠に上がり続ける相場はない

来年、日経平均が24,000円まで上昇すれば、そこは売り場になると思います。アベノミクス相場の大きな上昇相場は、2012年11月にスタートし、2013年~2015年にかけて継続し、2016年に総仕上げの時期を迎えると予想しています。詳しくは、来年のレポ-トで報告していきます。

今は、押し目をねらって日本株を買い増ししていくべき局面と考えています。明日は、どういう銘柄を投資していったら良いか、ご紹介します。

(4)たくさんのコメントをいただき、ありがとうございました

今週から、当レポートの末尾に、レポート評価欄が付けられています。多数のコメントをいただき、深く感謝いたします。多数の方から暖かい言葉をかけていただき、感動しました。また、的確な批判も多数お寄せいただきました。肝に深く銘じ、さらに高品質のレポ-トをお届けできるように、精進いたします。

なお、いただいたご質問には極力お答えしていきたいのですが、私の調査時間の限界から、お答えできないケースも出てきますことを、ご容赦ください。皆様のコメントすべてに目を通し、レポート品質の向上に役立ててゆく所存です。

私は2013年まで25年間、投資信託・公的年金などを運用する日本株ファンドマネージャーでした。20代の頃は約1000億円、最終的には約2000億円の日本株ファンドを運用し、これまでベンチマーク(競争相手)の東証株価指数(TOPIX)を大幅に上回るパフォーマンスをあげてきました。

ストラテジストに転じてからは、私が実際に運用していた時に考えることを、皆様に毎日レポートでそのままお伝えしています。短期的な見通しを外してしまうことも多々ありますが、大きな流れについては、正しく読み込んでいけると自負しています。今後とも、本レポートを何卒よろしくお願いいたします。