世界的に株を買い戻す動きが広がっており、日本株もその流れの中で、徐々に反発色を強めつつあります。今週も、徐々に下値を切り上げる動きが続くと予想しています。

6日に発表された米国10月の雇用統計が予想以上に強く、1ドル123円台にドル高(円安)が進んでいることが好感されそうです。先週末のCME日経平均先物は、19,460円まで上昇しています。先週末の日経平均終値19,265円を、195円上回っています。

(1)世界的「リスク・オン」継続

先週のNYダウは、一段高となりました。12月利上げの見通しが強まったことはマイナス材料ですが、それよりも、米景気が好調であることが前向きに評価されています。

NYダウ週足:2014年1月4日~2015年11月6日

日経平均は、19,000円台の値固めが進み、上値をうかがう展開と考えています。

日経平均週足:2014年1月4日~2015年11月6日

(2)10月の米雇用統計はポジティブ・サプライズ(強くて驚き)

アメリカの非農業者部門の雇用者増加数:2013年1月~2015年10月

(出所:米労働省)

アメリカの景気動向をよく表していて注目が高い「非農業者部門の雇用者増加数」が、ポジティブ・サプライズでした。8月(15万3千人増)・9月(13万7千人増)が米景気好調と判断される20万人増を下回っており、米景気の減速が懸念されていました。ところが、10月速報値は27万1千人増と20万を大幅に上回りました。1ヵ月だけでは判断できませんが、米景気が再び勢いを取り戻しつつあるとの見方にもつながりました。

米FRBイエレン議長が12月利上げを示唆する発言を繰り返す中で、この統計が出たことから、年内利上げ見通しが広がり、1ドル123円台へドル高(円安)が進みました。

アメリカの完全失業率:2013年1月~2015年10月

(出所:米労働省)

10月の完全失業率は5.0%に小幅低下しました。

(3)発表中の9月中間決算では好悪材料が混在

中国関連株・資源関連株で業績予想の引き下げが相次いでいます。一方、内需関連株・米国関連株には、業績予想の上方修正が増えています。日本企業の業績回復力は、当初期待と比べると、やや弱まっていますが、それでも業績回復トレンドは継続しているといって良い状態だと思います。数字が出そろった時点で、改めて報告いたします。