これから始まる9月中間決算では、ポジティブ・サプライズ(想定以上に良好で驚き)と、ネガティブ・サプライズ(想定以上に悪化して驚き)の発表がたくさんあると思われます。決算発表後に、急騰・急落する銘柄が増えるでしょう。今日は、鉄鋼株を例にとり、決算発表前の業績見通しの調べ方について書きます。

(1)鉄鋼株は、業績悪化が「市場予想以上」か「市場予想程度」かが判断の分かれ目に

新日鐵住金(5401)・JFE HLDG(5411)など高炉株は上半期、中国が安値輸出攻勢をかけた影響で輸出採算が悪化し、減産を余儀なくされました。その影響を受けて、今期の業績見通しは徐々に低下してきています。中間決算発表時に示される見通しが、「市場予想」と比較して良いか悪いかが注目のポイントです。

鉄鋼株の代表銘柄、新日鐵住金(5401)を例にとって、決算発表前の業績のコンセンサス予想の調べ方をお伝えします。楽天証券HPを使った調べ方を解説します。

 

楽天証券HPより転載

まず、弊社HPをお開きいただきましたら、会員の方はログインしてください。次に、上の画面の通り、に入っていただき、検索欄に、と新日鐵住金の銘柄コードを入力してください。コードの代わりにと銘柄名を入力いただいてもOKです。さらに、を押してください。

すると、以下の通り、新日鐵住金(5401)の業績予想コンセンサスと、レーティング分布が出てきます。

 

楽天証券HPより転載

(出所:コンセンサス予想は、IFISコンセンサス予想)

右側の「レーティング分布」を見ると、新日鐵住金(5401)の分析を担当して、投資判断(レーティング)をつけている証券会社などのアナリストが15人いることがわかります。投資判断は、10人が「強気」、5人が「中立」となっています。

この15人の予想する今期(2016年3月期)の売上高および経常利益の予想(平均値)が左側の「業績予想コンセンサス&コメント」に出ています。コンセンサス予想では、経常利益は、353,602百万円となる見通しです。

同じページの一番下を見ると、業績予想の詳細が見られます。

 

 

楽天証券HPより転載

(出所:コンセンサス予想は、IFISコンセンサス予想)

ここをご覧いただくと、前期(2015年3月期)決算実績と、今期(2016年3月期)業績の会社予想(青矢印を添付)が見られます。会社が予想する今期経常利益は、370,000百万円(前年比-18.1%)です。

これを、今期予想コンセンサス(赤矢印を添付)と比較します。注目していただきたいのは、経常利益の今期予想コンセンサス推移(赤の四角で囲んだところ)です。3ヶ月前に452,133百万円だったコンセンス予想は、1ヶ月前に376,275百万円、1週間前には363,268百万円に下がり、現在は353,602百万円まで下がっています。当初、会社予想(370,000百万円)を大きく上回っていましたが、足元は、会社予想を少し下回るところまで、下がっています。

こうした環境下で、鉄鋼株への投資スタンスは、どうすべきでしょうか?明日、鉄鋼株の投資判断について、私の考えを解説します。