30日の日経平均は457円高の17,388円と急反発しました。外国人投資家の売りが減ったところで、国内投資家の打診買いが入り、自律反発したと考えられます。オイルダラーなどによる強引な売りが終われば、バーゲン・ハンティングの買いを入れたいと待機している国内資金も多いと考えられますが、いつまで外国人の強引な売りが続くかわからないことから、手探りの買い場探しが続いています。

(1)テクニカルには「下値模索」の形が続いている

日経平均週足:2014年1月4日-2015年9月30日

9月30日の日経平均は急反発したものの、週足チャートを見る限り、まだ下値模索の形が続いています。

  • 13週移動平均線が26週移動平均線を上から下へ抜けるデッドクロスが出ている。
  • 13週移動平均線と26週移動平均線がともに下向きに転じている。
  • 直近の週足5本を見ると、上値・下値とも切り下げるトレンドが続いている。

チャートは、短期的な需給を表します。下値を叩く外国人投資家の売りが、まだ続いていることを、示しています。ただし、私は、日経平均は売られ過ぎと判断しています。いつになるかわかりませんが、外国人の売りが止まったところで、日経平均はとりあえず18,000円台に向けて反発すると予想しています。大型優良株から買い始めて良いと判断しています。

外国人投資家の日本株および日経平均先物売買動向(売買代金差額):2015年8月10日~9月18日

(単位:億円)

  8月10-14日 17-21日 24-28日 8月31-9月4日 9月7-11日 14-18日 合 計
株式現物 ▲ 2,987 ▲ 3,896 ▲ 7,264 ▲ 4,728 ▲ 10,443 ▲ 7,846 ▲ 37,164
日経平均先物 ▲ 2,710 ▲ 5,174 ▲ 7,633 3,760 ▲ 734 ▲ 497 ▲ 12,988
合計 ▲ 5,697 ▲ 9,070 ▲ 14,897 ▲ 968 ▲ 11,177 ▲ 8,343 ▲ 50,152

(注:日本取引所グループのデータより楽天証券経済研究所が作成。▲は売り越しを示す)

(2)大型株から買い始めた方が良いと考える理由

外国人投資家は流動性の大きい大型株を中心に売買します。したがって、外国人の売りで日経平均が急落する時は、大型株の下落率が高くなります。大型優良株でも、外国人の保有が多いものは、下げが大きくなることがあります。

こういう場合、過去の経験則では、大型優良株から買い始めた方が良いと、考えます。外国人の売りが止まった時、日経平均の反発局面では、最初、大型優良株から買われることが多いからです。小型株が物色されるのは、大型株が一通り反発した後からになることがあります。ただ、これは、あくまでも過去の経験則を述べているだけです。個別に成長魅力の高い小型株は、今から買っていって良いと考えます。