外国人投資家の日本株売りがなかなか止まりません。28日の日経平均は▲235円の17,645円でした。同日のCME日経平均先物は、17,360円まで下がっており、今日の日経平均はさらに下落することが予想されます。日経平均は既に売られ過ぎと判断していますが、上昇トレンドに戻るためには、外国人の売りが止まる必要があります。

(1)ボラティリティ(変動)の大きい日経平均

NYダウと比較すると、日経平均は「上がる時は上昇率が大きく、下がる時は下落率が大きい」傾向が、はっきりしています。世界的に「リスク・オン」(投資家が一斉にリスク資産買い増し)局面に入ると、外国人投資家が、日本株の上値を追って買ってくる一方、「リスク・オフ」局面では、外国人投資家が、日本株の下値を叩いて売ってくるからです。

2013~2015年の日経平均とNYダウの値動き比較:2012年末~2015年9月28日

(注:2012年末の日経平均・NYダウを100として指数化、楽天証券経済研究所が作成)

アベノミクス・スタート後(2013年1月以降)の日経平均は、NYダウを大幅に上回る上昇率を達成しています。ただし、大きな下落局面(青矢印をつけたところ)を見ると、NYダウよりも大きな下落率となっていることがわかります。この4回の日経平均急落は、いずれも外国人投資家が、日本株(現物)および日経平均先物を大量に売ってきたことで起こっています。

(2)外国人投資家の売買動向が変わるところで、相場の方向が変わる

2013年・2014年の3回の急落局面(2013年5月・2014年1月・2014年10月)では、外国人投資家が、売り越しから買い越しに転じるタイミングで、日経平均は下落から上昇に転じています。今回の下落局面も、外国人投資家の売買トレンドが変わるところが、相場の転換点になるはずです。

タイミングをピンポイントで当てることは難しいですが、日経平均はかなり割安になっていると判断していますので、なんらかのきっかけがあれば、外国人は売りから買いに変わると予想しています。ただし、中国経済の変調が世界経済にとって不安材料となる中、外国人投資家は、今は中国と地理的に近く、経済的な結びつきも大きい日本に、警戒スタンスを続けています。今後の、外国人の売買動向に注目していきたいと思います。