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中国で今、何が起こっているのか
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略を毎営業日レポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者と…

中国で今、何が起こっているのか

2015/7/30
中国経済への不安が、日本株の上値を抑える要因となっています。これまで、上海株の急落に注目が集まり、上海株の動きに一喜一憂する展開が続いていましたが、これからは中国経済の実態、ならびに、中国関連株と言われる日本企業の業績がどう出てくるかに、注目が移っていくと思います。
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 中国経済への不安が、日本株の上値を抑える要因となっています。これまで、上海株の急落に注目が集まり、上海株の動きに一喜一憂する展開が続いていましたが、これからは中国経済の実態、ならびに、中国関連株と言われる日本企業の業績がどう出てくるかに、注目が移っていくと思います。

今日は、中国で今起こっていることについて、思っていることを書きます。

(1)中国政府の思い通りに動かない上海株、中国の経済実態は悪化

 
 

上海総合株価指数の推移:2014年12月30日~2015年7月29日

6月中旬から急落した上海株に対し、中国政府が常識では考えられない強引な市場介入を次々と打ち出しました。その効果で、7月9日以降、上海株は反発に転じていました。ところが、それでも市場の売り圧力を完全に抑えることはできず、7月27日に上海総合は前日比▲8.5%と、急落しました。29日は小幅安でしたが、これで上海株の売りが一巡したのかわかりません。

急落の直接のきっかけとなったのは、24日に発表されたHSBCマークイット中国製造業PMI(景況指数)です。5カ月連続で景況感の分かれ目となる50を割り込んでいました。

 

HSBCマークイット中国製造業PMI(季節調整済み):2013年1月~2015年7月

(出所:ブルームバーグ)

中国政府が発表した4-6月GDPは、前年比7.0%の増加で計画通りの高成長でしたが、中国政府の出す数字をそのまま信じる人は少なくなっています。中国では最近、自動車や鉄鋼の過剰生産が問題となっており、景気実態は良くないとの見方が広がりつつあり、PMIの悪化がそれを裏付けた形となりました。

(2)何でも思い通りに動かそうとする中国

中国は、経済を力ずくで思い通りに動かそうとします。これだけ経済規模が大きくなったのに、いまだに金利や為替を自由化していません。預金金利の上限と貸付金利の下限が決まっていて、銀行は必ず利ざやを稼げます。為替取引も制約されています。日本企業は、中国で稼いだお金を中国国外へ自由に持ち出すことができません。貿易や為替取引を規制することによって、中国政府は人民元の対ドルレートを思い通りに管理しています。

中国政府は、金利や為替だけでなく、株式市場まで強引に操作しようとして物議をかもしました。6月から7月にかけて普通の資本主義国では禁じ手となる市場介入を実施して上海株の反発を演出してきましたが、27日には市場から手痛いしっぺ返しを食らいました。

中国政府は、日本が実施してきた「株価対策」をよく研究しています。今回繰り出した株価対策も、一部日本のやり方を真似しているところもあります。ただし、そのやり方はあまりに稚拙です。政策金利引き下げ、大口投資家の売り制約、株式の新規公開停止、公的資金による株の大量買い上げに続き、下げ止まらない株を次々と売買停止にするという禁じ手まで繰り出しました。さらに公安当局による「悪意のある空売り」の取り締まり実施の発表もありました。ここまで露骨に介入した効果で、7月9日以降、上海株は一旦反発しつつありました。

ただし、露骨な介入をすればするほど、上海株から早く逃げ出したいという売りエネルギーも蓄積します。政府が簡単に介入してくる市場であることが世界に知れ渡ってしまったので、長期投資マネーは、上海市場を信頼できなくなりました。27日は蓄積した売りエネルギーが上海株を再び急落させる日となりました。

(3)社会主義体制のまま資本主義に移行した「異形の大国」

中国は、1980年代に社会主義国の体制を維持したまま、資本主義革命を実施しました。その成果で、1980年代以降、高成長国となりました。社会主義に留まった国々(旧ソ連・旧東ドイツ・北朝鮮など)がことごとく経済的に崩壊する中で、中国は社会主義の中にうまく資本主義を採りいれて、高成長しました。

しかし、中国は、極端な資本主義と、社会主義が共存する異形の大国となりました。社会主義の旧弊は、「計画経済」という言葉に集約されます。何でも国の計画によって動かそうとします。

中国はGDPも計画通りに動かそうとします。リーマン・ショックの直後、4兆元(約78兆円)の公共投資を実施して、強引にGDP目標を達成しました。ただし、この時に行った非効率な投資の後処理に、中国は今でも苦しんでいます。地方に林立するゴーストタウン(ほとんど誰も住んでいない高層マンション群)が負の遺産として残っています。

(4)消費好調・投資部門不調と、二極化が際立つ中国経済

中国GDPの大まかな構成を言うと、約半分が消費、残り半分が投資です。大衆層の賃金レベルが上がってきた効果で、消費は勢いよく伸びています。ただし、地方政府や国営企業が無理に非効率な投資を積み上げてきたために、投資部門は調整が必要になっています。

などは不調です。ファナック(6954)・日立建機(6305)などは好調ですが、投資に関連した企業、良品計画(7453)・ユニチャーム(8113)・花王(4452)同じ「中国関連」と言われる日本企業でも、消費に関連した企業、

 

 

  

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