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食品株への投資について
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略を毎営業日レポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者と…

食品株への投資について

2015/7/22
21日の日経平均は、191円高の20,841円でした。ギリシャ・中国ショックが収束し、あらためて日本の景気・企業業績回復への期待の高さから日本株に見直し買いが入っています。
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21日の日経平均は、191円高の20,841円でした。ギリシャ・中国ショックが収束し、あらためて日本の景気・企業業績回復への期待の高さから日本株に見直し買いが入っています。

今日は、最近、値上がり率の高さが目立つ食品株への投資について書きます。食品株には、好材料が多いものの、株価は割高で投資魅力はあまり高くないと考えています。

(1)景気回復局面でも値上がり率が高かった食料品株価指数

 

東証食料品株価指数・日経平均・東証銀行業株価指数の動き:
2007年1月~2015年7月21日

(注:2007年1月末を100として指数化、楽天証券経済研究所が作成)

食品株の値動きの特徴は、一般的には以下の通りです。

  • 不況期(日経平均下落局面)では、値下がり率が相対的に小さい
  • 好況期(日経平均上昇局面)では、値上がり率が相対的に小さい

ところが、上のグラフを見るとわかる通り、リーマンショック以降、食品株の値動きに異変が起きています。リーマンショック(2008年)の下落局面で、相対的に値下がり率が小さかったことまでは、過去の経験則通りでした。リーマンショックからの回復局面で、相対的に値上がり率が高くなっていることが、これまでと違うことです。景気回復色が強くなってきている2015年にも、値上がり率の高さが目立ちます。

食品株とは対照的に、リーマンショックの不況局面で相対的値下がりが大きく、その後の回復局面で相対的値上がりが小さいのは、銀行業です。

(2)食品株の値上がり率が高い理由

以下の3つの理由があります

  • 海外で成長する食品株が増えてきたこと
    食品株は、かつては純粋な内需株でした。少子化が進む中、内需が成長しにくくなっているため、投資魅力が低いと考えられていました。ところが、近年、味の素(2802)、キッコーマン(2801)、カルビー(2229)、アサヒグループHLDG(2502)、サントリー食品(2587)など、海外で売上を拡大する銘柄が増えてきました。「純粋な内需株」から、「海外で成長する株」にイメージが変わった途端、株式市場では人気が出て、PER(株価収益率)で高い倍率まで買われるようになりました。
  • 国内景気が順調に回復する中、海外景気にやや不安があること
    今年は、中国・ブラジル・タイなど新興国の景気減速が強まっており、輸出の回復は鈍いままです。一方、国内は順調です。消費・設備投資の回復が鮮明になってきています。そうした環境下、株式市場では、食品・小売りなど、内需の安定成長株への物色人気が高まっています。
  • TPPメリット株として注目されていること
    TPPへの日本の参加が実現しそうな情勢となってきため、株式市場で、TPPでメリットを受ける銘柄を物色する流れが出ています。日本が輸入を制限してきた例外5品目(米・麦・砂糖・乳製品・牛肉豚肉)の輸入が時間をかけながら徐々に自由化に向かうとの期待から、それでメリットを受ける食品、外食株が買われています。

(3)PER(株価収益率)で見ると、既に割高な食品株

食品株の多くは、PER30~40倍台の高い水準まで既に買われています。いろいろ好材料があっても、既に、織り込み済みと考えられます。現在の食品株には、私はあまり投資魅力を感じません。

 

食料品株、時価総額上位14社の株価バリュエーション:7月21日時点

  コード 銘柄名 PER:倍 配当利回り
1 2914 日本たばこ産業 22 2.3%
2 2502 アサヒグループHLDG 25 1.2%
3 2802 味の素 35 0.9%
4 2587 サントリー食品インターナショナ 39 1.2%
5 2503 キリンHLDG 26 2.1%
6 2267 ヤクルト本社 45 0.7%
7 2269 明治HLDG 30 0.6%
8 2801 キッコーマン 47 0.6%
9 2229 カルビー 45 0.6%
10 2897 日清食品HLDG 31 1.4%
11 2282 日本ハム 23 1.3%
12 2002 日清製粉グループ本社 33 1.4%
13 2875 東洋水産 26 1.3%
14 2212 山崎製パン 47 0.8%

(注:楽天証券経済研究所が作成)

上記の食品株の中で、株価が割安といえるのは日本たばこ産業(2914)のみと考えています。日本たばこ産業は、ロシアでの売上げ・利益が大きいので、ロシア関連株と言われることがあります。ロシア経済の悪化を嫌気して近年は、株価の上値が重くなっていました。その結果、今でもPERに割高感はなく、配当利回りで魅力的な投資対象と考えています。

(4)割安な大手銀行株に注目

本欄で何回か繰り返し述べてきたことですが、私は、現在3メガ銀行の投資魅力が高いと考えています。①株価が出遅れていて、PERが低く、配当利回りが高いこと、②海外で利益を拡大させつつあることが、評価点です。

(注:楽天証券経済研究所が作成)

  コード 銘柄名 PER:倍 配当利回り
1 8306 三菱UFJ FG 13 2.0%
2 8316 三井住友FG 10 2.7%
3 8411 みずほFG 11 2.8%

3メガ銀行の株価バリュエーション:7月21日時点

 

 

 

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