先週の日経平均は、1週間で532円上昇して20,706円となりました。ギリシャの6月末デフォルト不安が緩和したことから、週前半に日経平均は急上昇しました。週後半は、ギリシャ不安が再燃して反落しました。ただし、6月末までにギリシャへの支援延長が決まるとの期待があったため、週後半の日経平均の下落幅は限定的でした。

ところが、週末になり、ギリシャへの支援延長交渉が一旦打ち切られたことがわかりました。6月末のデフォルトの可能性があることから、今日は、日経平均反落が予想されます。

(1)ギリシャ不安があっても日経平均は堅調な動き

日経平均日足:2015年1月4日~2015年6月26日

6月前半、日経平均はギリシャのデフォルト不安から下落しましたが、デフォルト不安が低下した6月22・23日に急反発しました。日経平均は、不安が再燃した24・25・26日に反落しましたが、下げは小幅に留まりました。ギリシャ問題の行方にかかわらず日本の景気回復は続くとの見方が広がってきたためです。ギリシャ信用不安に対して、日経平均は打たれ強くなってきています。

(2)ギリシャのデフォルト不安が再燃、6月30日にかけて神経質な動き続く

ギリシャ政府は6月末に、IMFから受けた16億ユーロの融資を返済する必要がありますが、EUなどの債権団から支援延長を引き出すことができなければ、デフォルト(債務不履行)となります。6月末が迫っているので、先週中には、ギリシャ政府と債権団との間で何らかの妥協が行われ、支援延長が決まっていなければなりませんでした。ところが、話し合いは物別れに終わり、まだ支援延長が決まっていません。

債権団はギリシャに対して一切の妥協をせず、「緊縮策を受け入れるか、デフォルトか」選択するよう、最後通牒を突きつけたままです。ギリシャ政府も、緊縮策受け入れの判断をしないまま、一旦、EUとの話し合いを打ち切った状態です。

ギリシャのチプラス首相は27日、突然、EUが要求する緊縮策を受け入れるか問う国民投票を7月5日に実施すると表明しました。ギリシャ議会は28日、国民投票の実施を承認しました。ところが、債権団は国民投票実施に納得していないため、7月5日を待たずに6月末でギリシャのデフォルトが確定する可能性もあります。

今週6月29日(月)、30日(火)は、ぎりぎりでギリシャ支援継続が決まるか否か、世界の金融市場は、神経質な動きとなりそうです。仮に、7月5日の国民投票の結果が出るまでの支援延長が決まっても、国民投票で「緊縮策受け入れ」が可決されるか、不透明要因が残ります。

(3)7月1日発表の日銀短観、7月2日発表の米雇用統計に注目

今週は、重要指標の発表が続きます。1日の日銀短観で、大企業・製造業DIの改善がどれだけ進むか、2日の6月米雇用統計で、一段の米景気回復が見られるか注目されます。米景気が順調に改善していると、米利上げが近づくとの見方が広がるので、注意を要します。