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今週の日本株見通し
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

今週の日本株見通し

2015/6/22
先週は18日(木)に日経平均が2万円を割れましたが、19日(金)には20,174円まで反発しました。日経平均の2万円割れは、外国人投資家の売りで引き起こされたものです。
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先週は18日(木)に日経平均が2万円を割れましたが、19日(金)には20,174円まで反発しました。日経平均の2万円割れは、外国人投資家の売りで引き起こされたものです。外国人投資家は、今年5月までに約2.8兆円日本株(現物)を買い越していましたが、6月は、日本株の買いポジションを減少させた模様です。

①米利上げを控えた世界的な金利上昇、②「黒田発言」で一時円高が進んだこと、③ギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念が、外国人投資家が日本株を売った理由と考えられます。

(1)日経平均は徐々に底打ちへ

日本の景気は徐々に回復色が強まってきていますので、日経平均2万円前後では、国内投資家の押し目買いが増えると考えています。

一方、6月の日経平均下落を主導した外国人投資家の売りは、一巡したと推定されます。なぜならば、裁定買い残高が大きく減少しているからです。

日経平均と裁定買い残高の推移:2014年8月1日~2015年6月18日

(注:日本取引所グループのデータに基づき楽天証券経済研究所が作成、
裁定買い残高は6月18日まで)

外国人投資家による日経平均先物などの先物買いが増加すると、裁定買い残高が増加します【注】。

【注】詳しい解説をご覧になりたい方は、以下のレポートをご参照ください。
5月8日レポート「裁定買い残高が3.5兆円に これは売りシグナルか?」

2014年8月から2015年5月まで、裁定買い残高が3.5兆円辺りまで増えると、その後、日経平均の下落が起こっていました。2015年5月末には裁定買い残が3.8兆円まで増えましたが、その後6月に入り、裁定解消売りが出て日経平均が下落しました。外国人投資家が日経平均先物を売り、それで裁定解消売りが引き起こされたと考えられます。

外国人投資家は、2月から5月まで、日経平均先物の買い建てを増やしてきましたが、6月は買いポジションを減らした模様です。裁定買い残高が一気に2.9兆円まで減少したことを見ると、外国人投資家の先物買いポジションの整理は一巡したと、推定されます。

(2)今週は、引き続きギリシャのデフォルト懸念が波乱要因

ギリシャ政府は6月末に、IMF(国際通貨基金)から受けた16億ユーロの融資を返済する必要があるが、EUやIMFから支援延長を引き出すことができなければ、デフォルト(債務不履行)になる見込みです。今週は、ギリシャを巡る債権団との交渉が、引き続き相場の波乱要因となる見込みです。

EU・IMFは、ギリシャが債務削減のために必要な改革策を打ち出さない限り、支援延長はないとの姿勢です。もし6月末の債務を返済できないと、ギリシャはデフォルトに陥り、ユーロ離脱を余儀なくされるでしょう。そうなると、ギリシャ向け債権やギリシャ国債の保有の多い欧米金融機関が売られ、欧米株式が下落する可能性が高まります。

こうした不安が、今週も世界的に株の上値を抑える要因となります。ただし、ギリシャ問題が今後どういう方向に進もうと、日本の景気・企業業績に与える影響は限定的と考えています。ギリシャ問題で日本株が下がる局面があれば、そこは買い場と考えます。

(3)ギリシャの行方、考えられる2つのシナリオ

  • メインシナリオ:ギリシャの支援継続
    想定されるメインシナリオは、6月末までのぎりぎりの段階で、ギリシャ政府が何らかの改革策を出し、何とかEUやIMFから支援継続を取り付けるというものです。そうなると、短期的に欧米株式は反発するでしょう。ただし、それは問題解決ではありません。改革を押し付けられるギリシャ国民は、EUへの反感を強め、EUの要求を呑んだギリシャ政府への批判を強めるでしょう。EUは、ギリシャ国民の反感を買いながらも、いつまでもだらだらとギリシャ支援を続けざるを得なくなり、ギリシャ問題はいつまでも、潜在的不安要因として残ります。
  • リスクシナリオ:ギリシャがデフォルト・EU離脱
    リスクシナリオは、ギリシャが早ければ6月末、遅くとも7~8月にデフォルトし、EU離脱を余儀なくされるというものです。短期的に世界にはショックが走りますが、長期的には世界の金融市場にプラス要因となります。

    EUを離脱したギリシャは通貨ユーロを使えなくなるので、ギリシャの通貨は「ドラクマ」に戻ります。ドラクマは対ユーロで急落し、ギリシャはハイパーインフレに見舞われます。インフレによってギリシャの消費は落ち込み、深刻な不況に陥ります。ただし、長期的にはそこから真のギリシャ再生が始まります。

    通貨が急落したギリシャでは輸入が激減します。一方、通貨急落の効果で、ギリシャの観光業や海運業は活況になります。ギリシャは深刻な不況に陥りますが、それで経常収支で黒字を稼げるようになるでしょう。信用不安国が、通貨急落・インフレ高騰によるショックを経て、3~5年後に立ち直っていくことになります。

    ギリシャ問題に、EUや金融市場が神経質になるのは、ギリシャと同様の多重債務国が、EU内に多数あるからです。信用不安がギリシャ一国に留まっていれば世界経済への影響は限定的だが、欧州の多重債務国全体に波及すると深刻な金融危機に発展する可能性が出ます。

    ギリシャ以外の多重債務国は今、粛々と債務削減のための改革策を進めているところです。ところが、ギリシャ同様に、緊縮財政に国民の不満が高まってきている国もあります。EUが、ギリシャのわがままを受け入れてだらだらとギリシャ支援を続けると、ギリシャ同様の反緊縮運動が、欧州全体に広がるリスクもあります。

    ところが、ギリシャがEU離脱を余儀なくされると状況は変わります。EU離脱のギリシャがハイパーインフレによる経済危機に陥れば、それを見て「ああは、なりたくない」という感情が欧州に広がります。ギリシャのEU離脱は、結果的に他の多重債務国に、反緊縮運動が広がるリスクを押さえる効果があると思います。

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