15日の日経平均は19円安の20,387円でした。日本の景気回復が鮮明になりつつあるという強材料があり、下値では買い需要があるものの、世界的な金利上昇に歯止めがかかっていないため、上値は重くなっています。今日は、6月に中間決算を迎える好配当利回りの投資参考銘柄について書きます。

(1)コツコツと長期投資を続ける価値のある好配当利回り株

株式投資の基本は、好配当利回り株投資と考えています。長期でじっくり持てる好配当の優良株を選別して投資していくといいと考えています。ただ、株の配当利回りは、確定利回りではありません。業績が悪化すると、減配になる可能性があります。なるべく、減配になりにくい銘柄を選別することが大切です。

一般的には、以下の特色を持つ株は、減配になるリスクが小さいといえます。

  • 株式時価総額が大きい(大企業の方が、一般論ですが、利益は安定的です。)
  • 自己資本比率が高い(借金の多い会社は、業績が悪化すると借金返済のために減配することがあります。一般論ですが、自己資本比率が高くて、財務内容が良好な会社の方が減配リスクは小さいといえます。
  • 安定的な事業を行っている。景気影響を受けにくい、景気が良くなっても利益はそんなに増えないが、景気が悪くなっても利益がそんなに減らない会社の方が、配当の安定性は高いといえます。

(2)12月決算の好配当利回り株

12月決算で、6月中間期で配当支払いを予定する銘柄で、一般的に減配になりにくい性格を持つのは、以下です。

6月末に中間配当を取る権利が確定する 好配当利回り株リスト

コード 銘柄名 配当利回り(%) 自己資本比率(%)
2914 日本たばこ産業 2.5 53.9
5108 ブリヂストン 2.55 52.4
3405 クラレ 2.42 68.7
5214 日本電気硝子 2.53 70.2
9757 船井総研HLDG 2.49 81.1

(6月15日、楽天証券経済研究所が作成)

「好配当利回り株」は、言い方を変えると「人気があまり高くない株」です。なぜでしょう?人気株は、どんどん買われて株価が上昇するので、配当利回りは低くなります。一方、株価があまり大きく上がらない株は、配当利回りが高いままとなります。

(3)日本たばこ産業(JT)は好配当利回り株として魅力的と考えます。

JTは、6月15日時点で、配当利回り2.5%です。6月末(中間配当)と12月末(期末配当)に、配当を受け取る権利が確定します。好配当利回り株として魅力的と考える理由は、以下の3点です。

  • 株主への利益配分に積極的な会社として有名です。
    配当金を着実に増やしてきたことに加え、自社株買いにも積極的です。今期は、上限1,000億円の自社株枠を設定しています。
  • 海外M&Aで成長してきました。
    海外でタバコ事業の大型M&Aを実施して、利益を成長させてきました。財務内容良好の、高収益企業です。
  • 事業の構造改革にも手を緩めない

JTは、今期、飲料事業からの撤退を発表しました。JT飲料事業は「桃の天然水」「ルーツ」などのヒット商品を出し、長年にわたって利益を稼いできましたが、直近2期は赤字でした。国内の飲料市場に成長が見込めない中、今後さらなる競争激化が見込まれるため、撤退を決断しました。医薬事業も赤字ですが、こちらは早ければ2016年度に黒字が見込めるところまで来ており、事業を継続します。