今週の日経平均は、下落して始まる見込みですが、下がったところは買い場になると考えています。NYダウが先週末(17日)279ドル下がったこと、ギリシャの信用不安が蒸し返していること、上海株式市場で空売りが解禁されることなどが、目先の懸念材料となります。

(1)NYダウにやや調整色、日経平均も目先反落の見込み

NYダウ週足:2014年1月~2015年4月17日

(マーケットスピードより楽天証券経済研究所が作成)

2015年に入ってから、NYダウの上値が重くなっています。18,000ドルの壁で何回も打ち返されています。米景気回復の勢いが落ちていることが、懸念材料となっています。また、米FRB(中央銀行)が、今年利上げを方針であることも、NYダウの上値を抑えています。今9、アメリカでも1-3月の決算発表が行われていますが、企業業績のモメンタムも悪化し、1-3月のEPS(1株当たり利益)が前年比で若干マイナスになる可能性も出ています。

日経平均週足:2014年1月~2015年4月17日

(マーケットスピードより楽天証券経済研究所が作成)

日経平均は、NYダウとは対照的に、2015年に入ってから上昇ピッチが速くなっています。2014年は短期景気後退期となった見込みですが、2015年から景気・企業業績の回復色が強まる見込みであることが、買い材料となっています。

ただし、短期的にはNYダウに引っ張られる形で、日経平均も調整する可能性があると考えています。これから本格化する2015年3月期決算で示される、新年度(2016年3月期)の業績予想が保守的(低め)となる見込みであることも、日経平均の上値を重くする見込みです。

ただし、楽天証券経済研究所では、新年度に金融を除く全産業ベースで15%の経常増益を予想していますので、下がったところは日本株の買い場となると予想しています。

(2)今週注目の経済指標

財務相が22日(水)に発表予定の3月の日本の貿易収支に注目しています。原油安と輸出の回復効果で、単月黒字になる可能性もあります。実現すれば、日本の復活を象徴する出来事になると思います。