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インバウンド関連株への投資の考え方
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

インバウンド関連株への投資の考え方

2015/4/15
14日の日経平均は3円高の19,908円でした。これまでの日経平均の上昇ピッチが速かったことと、アメリカ企業の業績モメンタムが低下していることに警戒感があり、上値が重くなっています。
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14日の日経平均は3円高の19,908円でした。これまでの日経平均の上昇ピッチが速かったことと、アメリカ企業の業績モメンタムが低下していることに警戒感があり、上値が重くなっています。

一方、日本の景気・企業業績に回復期待があり、外国人と日本の公的資金(公的年金GPIFや日本銀行)が今は買いスタンスであるため、下値は堅くなっています。

今日は、インバウンド(訪日外国人観光客)関連株の投資の考え方について、考えていることを書きます。

(1)松屋(8237)とDCM HLDG(3050)

2月決算小売株の決算発表が続いています。14日は、前日に2015年2月期決算を発表した松屋(8237)が前日比6.4%と大幅上昇しました。また、同日に決算を発表したDCM HLDG(3050)も前日比4.1%高となりました。

今は、決算発表を控えた3月期決算企業を積極的に買いにくい中、一足先に決算発表を終えて、新年度(2016年2月期)の増益予想を出す2月決算小売株が買われやすい環境です。

この小売2社をPER(株価収益率)・PBR(株価純資産倍率)・配当利回りなどの株価指標で比較すると、おもしろいことがわかります。

 

松屋とDCMの株価バリュエーション比較:4月14日時点

コード 銘柄名 株価:円 配当利回り PER:倍 PBR:倍
8237 松屋 1,981 0.3% 74.9 5.8
3050 DCM HLDG 948 2.1% 12.6 0.8

配当利回りは、松屋が0.3%しかありませんが、DCMは2.1%あります。配当利回りから見ると、DCM株の方が割安です。

PERは、松屋が74.9倍、DCMは12.6倍です。PERとは、株価が、1株当たり利益の何倍かを示します。倍率が低いほど、株価は割安と見られます。PERで見ても、松屋よりDCMの方が割安といえます。

PBRも同じで、松屋が高く、DCMが低くなっています。PBRは1株当たり純資産の何倍まで株価が買われているかを示します。松屋5.8倍に対し、DCMは0.8倍で、PBRでも、松屋よりDCMの方が割安といえます。

(2)インバウンド(訪日外国人観光客)関連として人気の松屋

百貨店「松屋」の店舗は、銀座と浅草にあります。今、急増している外国人観光客に人気の銀座店では、外国人向けの売上高が増加しています。外国人の買い物は都心に集中しており、特に銀座は人気です。都心だけに店舗を持つ松屋は、株式市場で「インバウンド関連株」として人気化しています。その結果、現在、株価バリュエーションはとても高めとなっています。

松屋が株式市場で人気株となることは、過去にはあまりありませんでした。百貨店という業態が、日本の流通業の中で弱体化しつつある上に、松屋は百貨店として、特に強いわけでもないからです。松屋は、昔は、人気が出ることのない万年割安株でした。それが、インバウンド関連というテーマに乗って、急きょ人気株に変わりました。

(3)堅実経営でも不人気のDCM

DCMは、東日本中心に展開するホームセンターです。堅実経営でしっかり利益や配当を出していても、人気が出にくいのは、国内だけで展開する小売業の将来に、不安が残るからです。

DCMはPERやPBRなどの株価バリュエーションがきわめて低くても買われにくい万年割安株となっています。

(4)松屋は、もはや長期投資には向かないと判断します

松屋はテーマ株として人気化していますが、冷静に考えれば、国内に閉じこもっている将来が不安な小売業という位置づけは、DCMと同じです。短期的にインバウンド関連を買う流れは続きそうですが、既に株価に割安感のない松屋をここから買うのは得策でないと、考えます。

(5)インバウンド関連として人気化したコメ兵(2780)

コメ兵(2780)は名古屋を地盤とする中古ブランド品などを扱う小売業です。かつてはDCM HLDG(3050)と同じような割安株でした。ところが、訪日観光客向けの免税販売が好調とわかってから、インバウンド関連株として人気化しました。4月14日時点の株価バリュエーションは以下の通りです。

 
コード 銘柄名 株価:円 配当利回り PER:倍 PBR:倍
2780 コメ兵 3,270 0.9% 18.8 2.3

PERがまだ18.8倍なので割高とはいえませんが、それでも、かつてのような割安株とは、もう言えなくなっています。

(5)テーマ株は、急騰後に買うのでなく、急騰前のものを探したい

インバウンドは、とてもわかりやすいテーマで、株式市場での人気はまだ続くでしょう。ただし、株価バリュエーションが高くなり過ぎているものには、注意が必要です。

免税店の販売好調で人気化した日本空港ビル(9706)は、4月14日時点で株価バリュエーションがかなり高くなっているので、ここからの投資は、短期投資に限るべきと私は思います。東京ディズニーリゾートを経営するオリエンタルランド(4661)も、業績は好調なものの、株価バリュエーションはかなり高くなっており、ここから投資しても上値余地はあまり大きくないと思います。

 
コード 銘柄名 株価:円 配当利回り PER:倍 PBR:倍
9706 日本空港ビルデング 7,630 0.2% 108.7 5.9
4661 オリエンタルランド 8,655 0.4% 42.9 5.5

訪日外国人観光客数の増加は、まだ続くでしょう。ただし、前年比増加率は、少しずつ低下していくと思います。伸び率が鈍化する際に、インバウンド関連株でバリュエーションが高いものは株価調整のリスクが生じると思います。その時が来たら、本レポートで注意喚起します。

(出所:日本政府観光局(JNTO))

訪日外国人観光客数の推移:2011年1月~2015年2月

 

 

 

 

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