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外国人投資家が日本株を買う理由
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

外国人投資家が日本株を買う理由

2015/4/14
13日の日経平均は2円安の19,905円でした。日経平均が先週、一時20,000円をつけたことから、個人投資家から利益確定売りが増えるとの見方もありましたが、今のところ、さほど大きな売りは出ていない模様です。
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13日の日経平均は2円安の19,905円でした。日経平均が先週、一時20,000円をつけたことから、個人投資家から利益確定売りが増えるとの見方もありましたが、今のところ、さほど大きな売りは出ていない模様です。

一方、外国人投資家および日本の公的資金(公的年金GPIFや日本銀行)が牽引する形で、徐々に下値を切り上げる展開が続くとの見方を継続します。

(1)外国人が日本株を買う理由:期待と恐怖

外国人が日本株を買っている理由は何でしょう。2つあります。日本の回復を評価する外国人投資家は、日本株のパフォーマンスが良くなると期待して、日本株を買ってきています。でも、それだけでは、今起こっている外国人の買いのおおむね半分しか説明したことになりません。

残り半分は、何でしょう。それは恐怖です。日本をあまり評価せず、グローバル株式ファンドで日本株の組入比率を低くしてきた外国人投資家は、今年に入ってからベンチマークとしているグローバル株式指数(注1)をアンダーパフォーム(注2)するようになっています。これ以上、負けが大きくなったら取り返せなくなるとの恐怖から、日本株の組み入れを増やさざるを得なくなっています。ここで、専門用語を2つ使いましたので、以下にその意味を解説します。

(注1)ベンチマークとしているグローバル株式指数:グローバル株式ファンドの運用成績を評価するために、比較対象として、何らかのグローバル株価指数をベンチマークとして予め決めておくのが普通です。ファンドの運用利回りが、ベンチマークの利回りを上回っていれば、運用成績は「良い」、下回っていれば「悪い」と判断されます。日本株ファンドで言えば、TOPIX(東証株価指数)や日経平均がベンチマークとされ、運用利回りが、TOPIXや日経平均を上回るか否かが、ファンドの運用成績評価に使われます。

(注2)アンダーパフォーム:ベンチマークの利回りを下回ること。ベンチマークが10%上昇している時は、ファンドが10%以上の利回りを出さない限り、評価は「アンダーパフォーム:悪い」となります。たとえば、+9%ならばアンダーパフォームです。一方、ベンチマークが10%下落した場合は、ファンドが10%以上、下落した場合だけ、運用評価は「アンダーパフォーム:悪い」となります。マイナス5%ならば、ベンチマーク(マイナス10%)よりマイナスを少なく抑えたので、運用評価は「ベンチマークを上回る」になります。

(2)外国人から見た日本株:2013年高評価、2014年失望、2015年再評価

外国人の立場になって日本株を見てみましょう。

日経平均とNYダウの比較:2013年1月~2015年4月10日

(注:2012年末を100として指数化、楽天証券経済研究所が作成)

アベノミクスがスタートしてから、日経平均の上昇率がNYダウを大幅に上回っています。これなら、日本株に投資している外国人投資家は大いに満足かというと、実はそうではありません。

外国人投資家は、ドルを円に換えて日本株に投資しています。日経平均が上昇しても、その間に円安(ドル高)が進むと、為替で投資価値は目減りしてします。2013年~2014年は大幅に円安が進み、その分、為替で損をしています。外国人投資家にとって大切なのは、ドル建て日経平均のパフォーマンスです。彼らは、以下のグラフを見ています。

ドル建て日経平均とNYダウの比較:2013年1月~2015年4月10日

(注:2012年末を100として指数化、楽天証券経済研究所が作成)

2013年以来のドル建て日経平均とNYダウのパフォーマンスを比べると、あまり大きな差はありません。それならば何も外国人が日本株をあわてて買う必要はないように思えます。ところが、この2つのパフォーマンスを年別に比較すると、驚くべきことがわかります。

ドル建て日経平均とNYダウの年別比較:2013年・2014年・2015年(4月10日まで)

(2013年初・2014年初・2015年初をそれぞれ100として指数化、楽天証券経済研究所が作成)

上のグラフを見ると、外国人投資家から日本株がどう見えていたか、よくわかります。私が、海外へ出向いた時、実際に外国人投資家から聞いたことを参考に、彼らが日本株に感じていたことをまとめると、以下の通りです。

  • 2013年

    外国人が日本株を15兆円以上買い越し。日本株を必死に買った。社会福祉を重視する民主党から経済成長を重視する自民党に政権が移ったこと、異次元緩和を実施して大幅円安が進んだことが、主な評価点。

  • 2014年

    日本に失望、1-3月に日本株を2兆円以上売り越し。年後半に買い越して2014年通年は約8,500億円の買い越し。あんなに期待して必死に買ったのに、消費増税でいきなり景気が悪化して日本に失望。アベノミクスの成長戦略も思うように進んでいないことには、失望を通り越して怒り。日本は期待するに値しない国だ。

  • 2015年

    NYダウが上がらない中で、ドル建て日経平均がいきなり高いパフォーマンスとなっている。原油安・円安の恩恵で日本の景気が回復することを見越し、早めに日本株の組み入れをあげた外国人投資家はやれやれ。でも、日本に失望して、日本の組み入れを落としていた投資家は、日本株の保有が低いためにグローバル指数にどんどん負けていくのにあわてて日本株を買い戻し。

なお、上記は、私が接触した外国人投資家の反応をまとめたものですが、すべての外国人が同様に感じていたとは限りません。

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