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クロネコメール便は3月末で廃止、陸運業に値上げ機運
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

クロネコメール便は3月末で廃止、陸運業に値上げ機運

2015/3/24
3日の日経平均は、194円高の19,754円でした。日本の景気・企業業績の回復を評価した外国人投資家による買いが続いているようです。
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23日の日経平均は、194円高の19,754円でした。日本の景気・企業業績の回復を評価した外国人投資家による買いが続いているようです。春闘で高めの賃上げが実現する見通しとなるなど、実際、国内に景気回復の兆しが増えてきています。

今日は、今後業績の回復が強まると予想する陸運(トラック輸送)業の投資視点について書きます。

(1)ヤマト運輸がクロネコメール便を廃止する理由

ヤマト運輸(ヤマトHLDG(9064)の子会社)は、3月31日付けで「クロネコメール便」を廃止します。1997年から18年続けてきたサービスが幕を閉じることになります。信書(手紙)は郵便で送ることが義務付けられており、メール便で送ると罪に問われます。この「信書規制」に対して、ヤマト運輸は長年にわたり見直しを提言してきたが受け入れられませんでした。信書の定義がはっきりしていないことから「お客さまが知らないうちに信書を(メール便で)送ってしまうリスク」を防ぐために、メール便を廃止すると説明しています。

ヤマト運輸はこれまでメール便を利用していた法人顧客には4月1日から「クロネコDM便」と名前を変えた新サービスを提供します。個人顧客にはメール便の代わりとして「宅急便コンパクト」と「ネコポス」を提供します。

新サービスの料金体系を詳しく説明するのは省略しますが、全般的に、大口顧客の料金は据え置き、小口顧客の料金は引き上げとなるケースが多いと考えられます。ヤマト運輸は、信書規制の違反リスクを回避する手立てを講じながら、ここで実質的に料金引き上げを実現していると考えられます。

(2)超多忙のトラック輸送業に料金引き上げ機運

トラック輸送業は、長年、構造不況産業でした。内需が低迷する中で、過当競争が続いてきたからです。ところが、近年国内需要の拡大で復活の芽が出ています。無店舗販売の増加と景気回復を受けて超多忙になってきています。

ただし、トラック輸送業には、逆風も吹いています。ドライバー不足が深刻化し、人件費や傭車費が上昇していることです。トラック輸送業は、料金引き上げが通りにくい中でコストアップが続く「利益なき繁忙」状態が続いてきました。

ところが、昨年から風向きが変わり始めました。ようやくトラック輸送業で料金引き上げが通るようになってきたのです。昨年は、まず日本通運(9062)、ヤマト運輸や佐川急便が料金引き上げを実施しました。大手がそろって値上げに動くことで、中小事業者にも料金を引き上げる余地が出てきています。低迷していた輸送単価がようやく上昇に向かうと考えられます。

こう考えると、ヤマト運輸がクロネコメール便を廃止して新サービスを開始する目的には、信書規制違反のリスクを減らすことも含まれていますが、コストに見合った料金体系への移行がより重要な目的であったと考えられます。

(3)建設・土木産業と、トラック輸送業の共通点

建設・土木株とトラック輸送株には、3つの共通点があります。

  • 近年、国内で需要が拡大していること
    建設・土木産業では、公共投資(国土強靭化)と民間需要(都市再開発)が同時に立ち上がってきています。それに、リニア新幹線建設や東京オリンピックなどのプロジェクトも加わり、2020年まで仕事は豊富にあります。
    陸運(トラック輸送)産業も、無店舗販売の急拡大を受けて、宅配需要が拡大しているほか、内需復活によって産業用貨物の輸送も増えています。こちらも仕事量は、どんどん増えています。
  • 人手不足が深刻であること
    両産業とも人手不足が深刻です。日本中で人手不足が話題になっていますが、建設・土木技術者、トラック運転者の不足は、とりわけ深刻です。両産業とも、人件費の上昇が収益圧迫要因となっています。
  • 料金引き上げが動き始めたこと
    建設・土木業は、一昨年まで「利益なき繁忙」が続いていました。仕事はいくらでもあるのに、人件費や資材費が大きく上昇しているために、利益があげにくい状況でした。ところが、昨年から、「利益ある繁忙」に変わっています。建設単価の上昇によって利益が拡大する局面に入っています。
    一方、トラック輸送業界は、まだ「利益なき繁忙」から抜け切れていませんが、料金引き上げの動きが出ていますので、今後、「利益ある繁忙」に移行できる可能性が出ています。

(参考)時価総額700億円以上のトラック輸送業銘柄

コード 銘柄名 株価:円 PBR:倍 PER:倍 配当利回り
9064 ヤマトHLDG 2,920.0 2.2 29.8 0.9%
9062 日本通運 680.0 1.4 22.3 1.5%
9076 セイノーHLDG 1,441.0 0.9 22.1 0.8%
9086 日立物流 1,900.0 1.3 19.6 1.5%
9075 福山通運 648.0 0.8 19.5 1.5%
9065 山九 542.0 1.3 14.3 1.7%
9072 日本梱包運輸倉庫 2,245.0 1.1 16.2 1.9%
9069 センコー 818.0 1.5 14.3 2.1%
9025 鴻池運輸 2,568.0 1.0 13.1 1.8%

(出所)楽天証券スーパースクリーナー

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