18日の日経平均は107円高の19,544円でした。業務・資本提携を発表した任天堂(7974)とDeNA(2432)の急騰が話題になりました。両社とも株価が前日比21.3%上昇してストップ高(買い気配)でひけました。

最近、任天堂(7974)・ファナック(6954)・ソニー(6758)など、時価総額がきわめて大きい株に突然急騰する例が増えています。このように時価総額の大きい株を急騰させる買い方は、外国人投資家と手口と推定されます。日本株の保有が少なく、日本株を「持たざるリスク」を意識した外国人投資家が、急いで日本株の組入比率を引き上げている模様です。

(1)負けを縮小するために買う外国人

日本は「少子高齢化が進む国」であることを外国人投資家は、知っています。これまで多くの外国人投資家は、日本株をアンダーウエイト(基準組入比率より低い組入比率とすること)し、代わりに経済成長率の高い中国・インド・ブラジル・東南アジアなど人口増加率の高い国々をオーバーウエイトしてきました。

ところが、近年、成長率の高かった新興国の停滞が鮮明になってきました。中でもブラジルやロシアなど資源国は、資源急落で大きなダメージを受けています。そのような中で、資源急落と円安で大きなメリットを受ける日本の景気が回復色を強めてきました。2015年に入ってからは、ドル建てパフォーマンスで比較すると、日経平均のパフォーマンスが世界各国と比較して目立って高くなっています。日本を低く評価し、日本株の組み入れを低くしていたグローバル投資家は、日本株のアンダーウエイトによって、ベンチマーク(基準ポートフォリオ)に対して負けが拡大するのを防ぐために、日本株を買っている面もあると考えられます。

(2)2003~05年と類似する相場展開

2013~2015年の日本株は、ちょうど10年前の2003~2005年の動きと似ています。2005年は、外国人投資家が日本株を積極的に買った結果、日経平均がNYダウを大きく上回るパフォーマンスとなりました。2015年も同様にNYダウを凌駕するパフォーマンスになる可能性が高いと予想しています。

 

日経平均とNYダウの動き比較:2013年1月~2015年3月13日

(出所:2012年末を100として指数化、楽天証券経済研究所が作成)

(出所:2003年4月21日を100として指数化、楽天証券経済研究所が作成)

日経平均とNYダウの動き比較:2003年4月21日~2005年12月31日