16日の日経平均は8円安の19,246円でした。最近、日経平均はNYダウが下がるのを無視して上昇してきましたが、16日はさすがにNYダウの調整を警戒して上値が重くなりました。

2015年のドル建て日経平均の上昇率は、NYダウを始めとする世界の主要株価指数の中で、目立って高くなっています。日本株の保有が少ない外国人の機関投資家が、日本株を「持たざるリスク」を感じて買ってくる流れは、今しばらく続くと考えています。

(1)ドル建てで見た、主要国の株価パフォーマンス比較

世界主要国の株価指数の年初来パフォーマンス比較

国名 株価指数 自国通貨での騰落率 ドル建て騰落率
日本 日経平均 10.3% 8.9%
ドイツ DAX 21.4% 5.6%
フランス CAC40 17.3% 2.1%
香港 ハンセン 1.3% 1.2%
豪州 S&P/ASX 7.2% 0.4%
アメリカ NYダウ -0.4% -0.4%
イギリス FTSE100 2.7% -2.6%
メキシコ ボルサ 2.0% -2.7%
カナダ トロント 0.7% -8.4%
ブラジル ボベスパ -2.8% -20.8%

(出所:ブルームバーグ、3月16日の日本時間16時)

ドル建ての年初来パフォーマンスは、日本が主要国の中で一番高い+8.9%となっています。NYダウが-0.4%とマイナスになっている中で、日経平均の上昇が勝っています。

ドイツなど、欧州株の自国通貨建て上昇率が高くなっていますが、通貨ユーロがドルに対して大きく下がりましたので、ドル建てで比較すると、ドル建て日経平均に負けています。ドイツのDAX指数は、ドル建てでも+5.6%と、ドル建て日経平均に次いで高いパフォーマンスとなっています。中南米諸国(カナダ・メキシコ・ブラジル)や豪州など、資源国は、資源価格の急落を受けて、通貨がドルに対して大きく下がっているため、ドル建てのパフォーマンスは軒並み不振です。

こうした状況を受けて、外国人投資家、中でも日本株の組入比率が高くない機関投資家は、「日本株を持たざるリスク」を感じるようになっています。

(2)日経平均とNYダウ比較

日経平均とNYダウの動き比較:2012年末~2015年3月13日

(出所:2012年12月末の株価指数を100として指数化、
楽天証券経済研究所が作成)

アベノミクスが開始した2013年以降は、久々に日経平均がNYダウを凌駕するトレンドが続いています。このトレンドが今年も継続すると、私は予想しています。

ただし、短期的に1つ、気にしなければならないイベントがあります。アメリカのFRB(中央銀行)が、6月以降、利上げをする可能性が高いことです。アメリカの利上げが意識される局面では、世界的に株が下がり、その時は、一時的に日経平均の下落率がNYダウの下落率よりも高くなる可能性もあります。