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銀行株投資の考え方
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

銀行株投資の考え方

2015/2/19
2月に入ってから、銀行株の上昇が目立ちます。なぜ今、銀行株が買われるのか、銀行株の上昇は継続するかにつき、私の考えを述べます。
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2月に入ってから、銀行株の上昇が目立ちます。なぜ今、銀行株が買われるのか、銀行株の上昇は継続するかにつき、私の考えを述べます。

(1)バリュー株投資復活で、買われる銀行株

株式投資の代表的スタイルに2つあります。1つはグロース(成長株)投資、もう1つはバリュー(割安株)投資です。昨年は、グロース優位の相場でした。ただし、今年に入ってから、バリュー優位の流れが出ています。

日本の銀行株は、成長性が高いとは言えません。ただし、株価はPER(株価収益率)・PBR(株価純資産倍率)・配当利回りなどの株価指標から見て、割安です。銀行株は、バリュー株物色の一環で買われていると見ています。

大手銀行の株価バリュエーション:2月18日時点

コード 銘柄名 株価:円 配当利回り PER:倍 PBR:倍
8304 あおぞら銀行 427.0 3.4% 11.9 1.36
8306 三菱UFJ FG 743.3 2.4% 10.9 0.78
8308 りそなHLDG 674.6 2.2% 8.2 1.1
8309 三井住友トラストHLDG 485.0 2.3% 12.6 0.88
8316 三井住友FG 4,566.5 2.8% 8.9 0.78
8411 みずほFG 210.6 3.3% 9.4 0.72

(楽天証券経済研究所が作成)

成長株が買われる相場で、銀行のようなバリュー株は人気が出にくいですが、成長株の上値が重くなる時に、見直されて上昇する傾向があります。今が、まさにそのタイミングと思います。

株式市場が上昇する時、2つのパターンがあります。

  • 極化相場:人気銘柄がいつまでも上がり続け、不人気銘柄がほとんど上がらない相場
  • 循環物色:人気銘柄が先行して上昇した後、出遅れ株が遅れて上昇してくる相場

グロース株は言い方を変えれば「人気株」です。バリュー株は言い方を変えれば「不人気株」です。昨年、人気株が買われ不人気株があまり上昇しない二極化が続きましたが、人気株の株価バリュエーション(PERやPBRなど)が高くなり過ぎる中で、不人気株のバリュエーションが低いことに市場の注目が集まるようになってきました。

(2)銀行株の上昇は継続するか

相場はきまぐれで予想は難しいですが、私は、今しばらく銀行などバリュー株優位の相場が続くと予想しています。特に、3メガバンク(三井住友FG、三菱UFJ FG、みずほFG)は上値余地が大きいと予想しています。金利低下で国内の預貸金利ざやは縮小していますが、3メガ銀行は、海外など長期的に成長が期待される分野も出てきています。堅実経営で収益水準は高いことが、第3四半期(10-12月)の決算発表で改めて注目されました。

(3)銀行業界の収益環境

日銀の異次元金融緩和によって、長期金利(10年もの新発国債利回り)は、一時0.2%まで低下しました。長短金利スプレッド(長期金利と短期金利の差)が小さくなってきていることは、銀行業界全体にとって深刻な問題です。長短金利のスプレッドが縮むことによって、預貸金利ザヤに一段と縮小圧力がかかるからです。ただし、足元、長期金利は反発しています。18日は0.41%まで反発しました。2月に入ってから長期金利が反発したことが、銀行株が買われるきっかけとなりました。

日本の銀行は、1990年代は不良債権に苦しみ、財務が悪化していました。ところが、今は財務も収益力も改善し、堅実経営で評価できるようになりました。昨年は人気の蚊帳の外でしたが、ようやく、堅実経営の割安な株価が評価される局面になってきたようです。

(4)3メガ銀行には、成長の芽も出ている

3メガバンク(三井住友FG、三菱UFJ FG、みずほFG)には、新たな成長の芽も出てきています。以下2分野は、将来が期待されるところです。

  • 海外事業を拡大:アジアの地場銀行への買収・出資を積極化して、海外での事業拡大をはかっています。
  • ノンバンク業務を拡大:証券・リース・消費者金融などノンバンク業務を拡大し、ユニバーサルバンクとして成長を目指しています。消費者金融業務は、ようやく過払い利息の返還請求がピークアウトして、利益が回復する局面に入りつつあると考えています。

欧州の銀行は今、不良債権問題で苦しんでいますが、日本の3メガ銀行は、財務内容が安定し攻めの経営に転じつつあります。欧米やアジアで業務を拡大するとき、財務内容で優位にたっていることを生かせるようになってきています。

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