16日の日経平均は、91円上昇し18,004円となりました。7年7カ月ぶりに終値で18,000円台を回復しました。朝方、発表された10-12月のGDPは前期比年率2.2%増と、市場予想+3.5%を下回りましたが、とりたてて悪材料視されることはありませんでした。

2015年には、日本の景気・企業業績の回復色が強まるという期待があり、日経平均は徐々に下値を切り上げていくと予想しています。

(1)10-12月のGDPはプラス転換したものの、回復力は弱い

日本の実質GDP(前期比年率):2012年1-3月期~2014年10-12月期(速報値)

(出所:総務省)

消費税の引き上げがあった昨年4月~9月までGDPは2四半期連続でマイナスとなり、日本の景気は「ミニ景気後退」状態にありました(欧米の定義では「短期景気後退」に該当)。

10-12月GDP(速報値)はプラス転換しましたが、前期比年率+2.2%と回復力は弱いままです。ただし、これは過去の数字で、この時点での弱さは気にかける必要がないと思います。10-12月に、原油急落・円安進行と、2015年の日本の景気・企業業績を押し上げる、環境の変化があったからです。1-3月以降に、日本の景気・企業業績の回復色が強まる見込みです。

(2)日経平均は、年末20,000円へ上昇の予想を継続

日経平均推移:1998年1月~2015年2月16日

(注:楽天証券経済研究所が作成)

日経平均は、1998年には20,000円の水準にありました。1998~2002年は不良債権問題に絡む金融システム不安で売られました。金融システムを強化して2007年に18,000円を回復したものの、2008年にはリーマンショックが起こって再び急落しました。

日本企業は今、再び競争力を回復し、今期・来期ともに全産業ベースで最高益を更新していくことが予想されています。業績拡大を反映して、日経平均は今年末に20,000円へ上昇すると予想しています。

東証1部上場企業の、全産業ベース(除く金融)経常利益予想

2014年3月期 実績 +36%
2015年3月期 楽天証券予想 +9%
2016年3月期 楽天証券予想 +11%

(出所:楽天証券経済研究所)

原油安・円安・米景気好調のトリプル・メリットを受けて、日本企業の業績は2016年3月期も二桁以上の増益になると予想しています。