日経平均17,000円は、来期(2016年3月期)の予想利益に基づくPER(株価収益率)が14倍となる水準です(来期利益は楽天証券経済研究所の予想)。昨年来、予想PERで14倍となる水準まで下げると、日経平均は反発しています。

私は、今回も予想PER14倍の日経平均17,000円前後が、買い場になると予想しています。

(1)今の株価急落は「上昇トレンドの中の調整」と見ています

株式市場は、一本調子で上昇し続けることはありません。上昇相場の中でも、何回も調整局面があるのが普通です。

日経平均の推移:2013年1月~2015年1月7日

(注:楽天証券経済研究所が作成)

2015年1月から、日経平均が大きく下落しましたが、これも「上昇局面の中の調整」と判断しています。ただし、短期的には16,500円くらいまで売りのオーバーシュート(行き過ぎ)がある可能性は否定できません。

(2)日経平均急落局面の検証

日経平均が1日で400円以上、下げることも、特に珍しいことではありません。2014年1月4日から2015年1月7日までの間で9回ありました。

1日で400円以上の急落:2014年1月以降

  日付 日経平均 前日比
2014年1月14日 15,422 -489
2月4日 14,008 -610
3月14日 14,327 -488
5月7日 14,033 -424
8月8日 14,778 -454
10月2日 15,661 -420
11月17日 16,973 -517
12月10日 17,412 -400
2015年1月6日 16,883 -525

400円以上の急落を、日経平均の日足チャートの中に矢印で示すと、以下の通りです。

日経平均日足:2014年1月4日~2015年1月6日

(注:楽天証券経済研究所が作成)

日経平均は、2014年5月までは下げても14,000円辺りから反発していました(グラフ中に赤い線で表示)。14,000円は、前期(2014年3月期)利益で評価してPERが約14倍になる水準でした。悪材料があって売られても、PER14倍を割り込むところで割安感に注目した買いが増え、反発につながっていたことがわかります。

6月以降は、今期(2015年3月期)の予想利益を意識しながら、日経平均は下値を切り上げていきました。ただし、4月の消費増税の影響で景気が停滞していたため、なかなか増益期待が高まらない状況でした。10月までは、日経平均で15,000円辺りが下値となっていました。

11月以降、円安進行・2015年の消費増税延期・追加緩和・原油価格下落などの追い風があって、来期(2016年3月期)までの増益期待を、株価が織り込み始めています。

楽天証券経済研究所の予想では、日経平均17,000円は2016年3月期の予想利益からPERが約14倍になる水準です。今後は、日経平均で17,000円を下値目処として、買い場を探していったら良いと判断しています。