10日の日経平均は、400円安の17,412円と急落しました。11月以降、欧州・日本・中国の金融緩和を好感して、世界的に株が上昇していましたが、株高ピッチの速さに警戒感が出始めていました。欧州・日本・中国の足元の景気指標が弱いことがきっかけとなり、利益確定売りが優勢となり、その流れで日本株も急落しました。

私は、スピード調整が済めば、日経平均は再び上値トライすると考えており、ここは買い場と判断しています。

(1)上昇ピッチが速すぎることに警戒感、過熱感の払拭が鍵

日経平均日足:2014年9月1日~12月10日

(出所:楽天証券経済研究所が作成)

相場の短期的な過熱を測る指標はいろいろあります。11月中旬には、日経平均の25日移動平均線からの上方かい離率が大きくなったことが注目されました。過熱感が意識される中で、11月17日に7-9月のGDP速報値が発表され市場予想を大幅に下回るネガティブ・サプライズだったことから、同日の日経平均は517円安の16,973円となりました。後から振り返ると、そこが買い場でした。

日経平均の本日の急落も、私は短期的な過熱感が原因と考えています。25日移動平均線からの上方かい離はさほど大きくありませんでしたが、騰落レシオなど他の指標で、短期的な過熱感がありました。そこで、欧州・日本・中国で景気指標に弱いものが出たことをきっかけに、今週は利益確定売りが優勢になったと考えられます。

日本については、8日に発表された7-9月GDP改定値がネガティブだったことが影響しました。私は、7-9月の実績は過去のものであり、これから日本の景気は回復すると予想しています。

日経平均の25日移動平均線からの上方かい離は、今日の下げでなくなりました。短期的な過熱感がなくなれば、来年の景気・企業業績の回復を見込んで、買っていけると判断しています。ただし、13週移動平均線からのかい離では、まだやや過熱感が残っています。

(2)13週移動平均線からの上方かい離はまだやや大きい

日経平均週足:2014年9月1日~12月10日

(出所:楽天証券経済研究所が作成)

25日移動平均からの上方かい離はなくなりましたが、13週移動平均からの上方かい離幅はまだやや大きいと言えます。過熱感の低下を見ながら、買いのタイミングを測る方針でいいと判断しています。