先週の日経平均は、1週間で610円上昇して17,490円となりました。先週は、安倍首相が来年10月に予定されている消費増税を1年半程度先送りし、国民の信を問うために衆院解散総選挙を行う見込みという報道が相次ぎました。これを受けて、再び外国人投資家の買いが増えて、日経平均は急伸しました。

(1)11月は外国人投資家の一手買いに

日経平均週足:10月第1週~11月第2週

株券/CB  投資主体別売買動向(売買代金差額 二市場1・2部)

(金額単位:億円)

売買主体 10月第1週 第2週 第3週 第4週 第5週 11月第1週
外国人 ▲ 1,947 ▲ 3,370 ▲ 4,076 257 5,363 7,691
個人 3,542 2,931 3,875 ▲ 692 ▲ 8,276 ▲ 9,911
信託銀行 714 1,265 1,894 1,580 2,143 ▲ 770

(注:10月第1週は9月29日-10月3日、東京証券取引所より楽天証券経済研究所が作成)

  • 10月1-3週:外国人の売りに個人投資家が買い向かう。公的年金と推定される信託銀行も買い越し。
  • 10月4-5週:外国人投資家が買いに転じると、個人投資家は売りに。信託銀行(公的年金)の買いは継続。
  • 11月1週:外国人が大量に買い。ほぼ外国人の一手買い。個人・信託銀行は売り越し。
  • 11月2週:主体別売買データはまだ発表されていないが、11月1週と同様、外国人の一手買いになっていると考えられます。

(2)外国人投資家は、11月に日経平均先物も大量に買い越し

外国人投資家は日経平均先物を、日銀の追加緩和発表のあった10月第5週に3,986億円、11月1週に7,738億円買い越しています。株式現物と先物を合わせると、10月第5週に9,349億円、11月1週に1兆5,429億円も買っていることになります。

解散総選挙のネタが出た11月第2週も同様に、株式現物と先物を買い越していると推定されます。

(3)今週の見通し:外国人の買いの勢いが弱まれば、反落へ

あまりに急激に日経平均が上昇したので、テクニカル面で過熱のシグナルも出ており、国内投資家は、ほぼ売り一色になってきています。今週も日経平均が上昇するためには、外国人投資家の買いが続く必要があります。

今週の相場は、外国人の売買動向次第です。消費増税の先送り、解散総選挙が発表される可能性がありますが、それは株式相場にほぼ織り込み済と考えられます。それで、外国人の買いがさらに増えるとは考えにくいところです。ただし、外国人の買いが急に途切れるとも考えにくいところです。今週は日経平均17,000円台で乱高下する展開が予想されます。