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増税先送りで解散総選挙になると予想する4つの理由
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略を毎営業日レポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者と…

増税先送りで解散総選挙になると予想する4つの理由

2014/11/13
12日の日経平均は、72円高の17,197円と続伸し、年初来高値を更新しました。午前中は、来年の消費増税の延期があたかも決まったかのような勢いで急伸し、13時4分に319円高の17,443円まで上昇しました。しかし、その後「消費増税の先送りが決まったわけではない」と要人発言が相次ぐと、日経平均先物に売りが増え、大引けにかけて上げ幅を縮める展開となりました。
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12日の日経平均は、72円高の17,197円と続伸し、年初来高値を更新しました。午前中は、来年の消費増税の延期があたかも決まったかのような勢いで急伸し、13時4分に319円高の17,443円まで上昇しました。しかし、その後「消費増税の先送りが決まったわけではない」と要人発言が相次ぐと、日経平均先物に売りが増え、大引けにかけて上げ幅を縮める展開となりました。

(1)確かに、まだ消費増税の延期が決まったわけではない

12日の前引け間際に、自民党の菅官房長官が消費増税の先送りを「ありえない」と発言したことが伝わると、先物に売りが入りました。午後に、日銀の黒田総裁が衆院財務金融委員会で、追加緩和について「2015年10月に予定される消費税率10%への引き上げを前提に実施した」と述べ、国全体として財政再建の取り組みが大切であると指摘したことが伝わると、先物への売りが増えました。この委員会で、麻生財務・金融相も「(消費増税の)先延ばしが決まったかのような話だが、そんなことはまったくない」と発言しています。

(2)増税延期が決まるならば、早ければ来週にも発表される

来年10月に消費税を10%へ引き上げるか否かは、7-9月の国内景気の状況を見た上で、10-12月に決定することになっています。菅官房長官は当初、12月8日に発表される7-9月のGDP改定値を見てから決めると発言していましたが、それが早まる可能性が出ています。

早ければ、11月17日(月)に発表される7-9月のGDP速報値を見た上で、来週中に決定されます。11月17日に発表されるGDP速報値は、7-9月の法人統計がまだ発表されていない段階での試算なので、設備投資の数字が正確とは言えません。改訂値で設備投資の数字が大きく修正されることは時々起こります。そういう正確性が担保できない速報値で増税の判断をするのは、本来は望ましくありません。

ところが、消費増税の先送りを決定して、年内に衆院の解散総選挙をやるとなると、改定値が出る12月8日まで待っていられません。「増税先送り」を決定するならば、早い時期の決断が必要です。

(3)増税先送りで解散総選挙の可能性が高いと予想する4つの理由

最後の決断は、安倍首相の腹の中にあり、どう転ぶかわかりません。ただし、今、自民党が置かれている政治状況を考えると、私は増税を1年半または2年半延期した上で解散とする可能性が高いと考えます。これには4つの理由があります。

  • 2015年に自民党が予定する経済改革がやりやすくなる

    2012年の衆院解散総選挙で、自民党は地滑り的勝利を収めました。したがって、今、解散総選挙をやっても、今以上の議席を得るのは困難です。やれば自民党の議席はいくらか減少するでしょう。それでも、今、解散総選挙をやることは自民党にとって有利と考えられます。今、総選挙をやってしまえば、4年後の2018年まで衆院選挙はやらないで済むからです。

    解散総選挙をやらないと、衆議院は2016年に任期(4年)切れに伴う総選挙を行わなければならなくなります。2016年には参議院選挙(半数改選)も予定されていますので、2016年が衆参ダブル選挙の年となります。2015年10月に消費税を10%に引き上げた上で、2016年にダブル選挙をやるのは、自民党にとって不利と考えられます。こうなると、2015年は選挙が気になって思い切った経済改革ができなくなります。

    安倍内閣の支持率は発足当時よりかなり下がりましたが、それでも今解散総選挙をやれば、公明党とあわせて過半数の議席は獲得できると考えられます。議席を減らしてでも解散総選挙をやって衆院過半数を確保すれば、2015年に、選挙を気にしないで思い切った構造改革ができると考えられます。

  • 電撃解散で、野党に選挙協力のための話し合いの時間を与えなければ、選挙で優位になる

    日本は、衆院選で小選挙区制をとっています。これは少数政党に不利と言われています。1人区(当選者が1人しか出ない選挙区)では得票トップの候補しか当選しないからです。もしすべての政党が独自候補をたてると、少数政党ではトップを取ることはまず不可能となります。野党の票が割れれば、最大政党の自民党が当選する可能性が高くなります。

    したがって、1人区では、野党は大同団結して、候補者をしぼり、自民党に一騎打ちを挑む体制を作らなければなりません。ところが、野党同士でも政策主張が異なるので、政策のすり合わせを十分にしないことには、選挙協力はできません。それには時間がかかります。

    2012年の解散総選挙では、当時民主党の野田首相がサプライズとなる電撃解散を行いました。そのため、少数政党は選挙協力を話し合う間がなく、ばらばらに候補者をたてざるを得ませんでした。その結果、1人区で自民党が圧勝しました。

    今回も、野党が選挙協力のための話し合いを十分にできないうちに今、電撃解散を行えば、選挙戦で自民党が有利になると考えられます。

  • 10月以降も個人消費や中小企業の景況感は低調

    街角景気指数の低下に表れているように、10月以降も、中小企業の景況感は低調です。また、個人消費も停滞が続いている模様です。全国津々浦々まで景気回復を実感できるというには程遠い状況です。消費増税延期を決め、さらに追加の景気対策をたくさん出しながら、選挙戦を戦う口実が、今ならばあると言えます。

  • 増税延期・解散総選挙の観測が出て、株が急騰したこと

    もし、予定通り増税と発表すれば、今度は株価が暴落することになるでしょう。株価を気にする安倍首相は、株の反応を見たことで、増税延期に気持ちが傾く可能性もあります。

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