16日の日経平均は335円安の14,738円でした。欧州経済への不安に端を発し、世界景気が失速する懸念が広がり、世界中の株にパニック売りが連鎖しました。

16日のNYダウは24ドル安の16,117ドルでした。今後、日本株へのパニック売りは徐々に収まっていくと見ています。

(1)日本株は「買い場」と判断します

日本は、10月以降、「ミニ景気後退」を脱し、ゆるやかに回復すると見ているからです。詳しくは、昨日の夕方に出した緊急レポート「日経平均急落、ここは買い場と判断します」をご参照ください。

(2)まずは、大型の好配当利回り株から

世界景気の先行きに不透明感がある中で、株を買い始めるわけですから、まずは大型で割安な優良株から買い始めるのがいいと思います。

景気変動の影響が相対的に小さい業種(ディフェンシブ業種)に属する銘柄と、景気変動の影響が大きい業種(景気敏感業種)に属する株に、分散投資した方がいいと思います。

(参考1)ディフェンシブ業種に属する大型好配当利回り株

コード 銘柄名 産業分類 16日終値 PER:倍 PBR:倍 配当利回り
4502 武田薬品工業 医薬品 4,425.0 41 1.4 4.1%
4568 第一三共 医薬品 1,602.5 15 1.2 3.7%
9437 NTTドコモ 通信 1,661.0 15 1.3 3.7%
9432 日本電信電話 通信 6,099 12 0.8 3.0%
2914 日本たばこ産業 食品 3,320.5 14 2.7 2.9%

(注:楽天証券経済研究所が作成)

医薬品・通信・食品は、景気変動の影響が相対的に小さい典型的なディフェンシブ業種と考えられています。また、電鉄・食品スーパー・コンビニエンスストア・ガスなども、ディフェンシブ業種と見られています。

(参考2)景気敏感業種に属する好配当利回り株

コード 銘柄名 産業分類 16日終値 PER:倍 PBR:倍 配当利回り
8031 三井物産 商社 1,550.5 7 0.7 4.1%
7751 キヤノン 電機 3,241.5 18 1.5 4.1%
8001 伊藤忠商事 商社 1,200.0 7 1.0 4.0%
8411 みずほFG 銀行 180.1 8 0.7 3.9%
8316 三井住友FG 銀行 3,933.5 8 0.8 3.2%
7203 トヨタ自動車 自動車 5,879 11 1.4 3.1%
8306 三菱UFJ FG 銀行 560.0 8 0.6 3.0%

(注:楽天証券経済研究所が作成)

(3)中間決算発表に注目

これから始まる9月中間決算発表への注目度が一段と高まりました。私は、2015年3月期の利益予想を上方修正する企業が増えると、予想しています。日経平均が大きく下がったところですので、利益予想を上方修正する株は、素直に上昇していくと考えられます。