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米FOMC受け1ドル108円台、ソニーショック再び
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

米FOMC受け1ドル108円台、ソニーショック再び

2014/9/18
アメリカで17日(日本時間では18日午前3時以降)に、FOMC(金融政策決定会合)の結果発表と、イエレンFRB議長の会見が行われました。来年利上げに踏み切る可能性に具体的に言及したことを受けて、一時1ドル108.39円までドル高(円安)が進みました。これを受けて、本日の日経平均は輸出株を中心に上昇すると予想します。
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アメリカで17日(日本時間では18日午前3時以降)に、FOMC(金融政策決定会合)の結果発表と、イエレンFRB議長の会見が行われました。来年利上げに踏み切る可能性に具体的に言及したことを受けて、一時1ドル108.39円までドル高(円安)が進みました。これを受けて、本日の日経平均は輸出株を中心に上昇すると予想します。

なお、昨日、大引け後に、今期業績見通しの大幅下方修正を発表したソニー(6758)は、大幅下落が予想されます。

(1) 米FOMCの決定事項

すべて事前の市場予想通り

  • 米FRBの米国債買い入れ額を月額150億ドルから100億ドルへ縮小
  • MBS買い入れ額を月額100億ドルから50億ドルへ縮小
  • FFレート誘導目標0.00-0.25%(現状維持)

(2) FOMC声明

金融緩和の出口戦略ガイドラインを発表したことはサプライズ

  • (米景気が)見通し通りならば、次回会合(10月)で量的緩和は終了
  • 「相当な期間」低金利を維持
  • FOMCメンバー16名中の14名が2015年中の利上げ開始を見込む
  • 金融緩和からの出口戦略ガイドラインを示す(金融緩和終了後の金融引き締め方法を具体的に示した)

(3) イエレン議長の会見

基本的にはFOMC声明と同じ発言内容であったが、ハト派(金融引き締めに否定的)と見られていたイエレン議長が、引き締めの可能性に具体的に言及したことが、ドル高材料となりました。以下、専門用語が多くなりますが、会見の主要な内容を記載します。

  • まだ労働市場は完全に回復していない(従来の主張の繰り返し)
  • FOMCはインフレ率が2%へ徐々に接近すると予想
  • 次回会合で量的緩和は終了へ
  • 金融引き締めのペースは今後の米経済次第
  • 「相当な期間」低金利を維持するとの約束は、かなりの条件を伴ったものである。
  • FF金利が金利政策を伝える主要手段となる。
  • 超過準備の付利によってFF金利を誘導する。必要ならば、翌日ものリバースレポも活用する。

(4) ドル円為替レート推移(2013年5月~2014年9月18日午前6時)

 

(5) ソニー(6758)が大幅下方修正、ネガティブ・サプライズ

本日、ソニー(6758)株は大幅下落が予想されます。以下の3点がネガティブです。

  • 赤字拡大、無配転落

    ソニー(6758)は昨日、今期(2015年3月期)の純利益予想を▲500億円の赤字から▲2,300億円の赤字に修正し、今期の配当予定をゼロとしました。上場来はじめて無配になります。

    収益力の低下したモバイル・コミュニケーション(携帯電話機)事業の「のれん」全額1,800億円を減損することによって、赤字が1,800億円増加することが業績予想修正の要因です。

    携帯電話機事業の「のれん」に減損が出る可能性があることは、第1四半期の決算説明会で説明済みでしたので、減損発生自体はサプライズではありません。ただし、減損額が市場予想を大幅に上回り、無配に転落することまで、市場は織り込んでいませんでした。1958年以来はじめての無配転落です。

  • これで減損が出尽くしとは言えないこと

    ソニー(6758)は、今期中にモバイル事業の従業員を1,000名削減すると発表しました。モバイル事業の拡大戦略を見直し、事業を縮小するためです。今回の業績下方修正では、事業価値(のれん)の減損しか織り込んでいません。従業員削減と事業縮小で発生するリストラ損失は織り込まれていません。今期の赤字は、リストラ損失発生でさらに拡大する可能性もあります。

    また、将来、赤字が続いてきたテレビ事業でも減損が発生する可能性があります。

  • ソニー経営陣の見通しの甘さ露呈

    今回、減損せざるを得なくなった「のれん」1,800億円は、2012年2月にソニー・エリクソン(ソニーとエリクソン社の合弁、携帯電話の端末を開発・製造)を完全子会社にする時に発生したものです。ソニーは携帯電話の端末事業を中核事業の1つと位置づけ、大金をつぎ込んで拡大路線に走ったのでした。ところが、完全子会社として社名を「ソニー・モバイル」に変えた後、ほとんど利益を出せないまま、今期(2015年3月期)が減損によって大きな赤字に転落となりました。安値販売の中国メーカー(小米科技)の台頭で、普及品(低付加価値の端末)では太刀打ちできなくなりました。今後は、高付加価値品にしぼって生き残りを目指すことになります。わずか2年前に大きな判断ミスをしたことが、今回の減損につながっています。

    エリクソンは、結果的に端末事業の持ち分を上手く高値で売り逃げたことになります。エリクソンは中国メーカーの台頭を予想し、将来見込みのない端末事業をソニーに売り渡し、ケータイ電話システムに使われる通信機器に集中して、収益をあげています。

    ソニーの拡大戦略の見通しの悪さは、今回が初めてではありません。1990年代後半にブラウン管テレビ「ベガ」が大ヒットしたのち、ソニーはブラウン管に大型投資を実施しました。それが、液晶テレビが急拡大してブラウン管テレビが売れなくなる直前でした。その後、ブラウン管事業でソニーは巨額の減損損失を出しました。

(6) ソニー(6758)の見通し

今日は大きく下げ、下値のメドがつかないことも考えられます。ただし、下げが一巡し、株価が落ち着いたところでは、また買いを検討できると思います。

ソニーには、映画・音楽・金融・イメージセンサーなどの、成長が期待できる優良事業がたくさんあるからです。ゲーム事業も、一定の利益を稼ぎ続けることはできるでしょう。

一方で、エレクトロニクス事業では、赤字を出し続けてきています。今、ソニーは大きな事業構造の転換を行っているところです。赤字を出し続ける「エレキ」事業を縮小し、利益を稼ぎ続ける事業に集中していく過程です。経営判断が遅い上に判断ミスもあって、事業構造の転換に時間がかかり過ぎていますが、遅いながらも今後は正しい方向へ構造転換が進むと期待できます。

 

 

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