中小型株物色のすそ野が広がってきました。最初は成長性の高い少数の銘柄が集中物色されていましたが、最近は、割安で好業績の中小型株が幅広く買われるようになっています。

(1)「割安・業績好調」だけでは買われにくい

中小型株は、ただ割安・業績好調だけでは、なかなか人気がつきません。割安・好業績でも、いつまでも割安に放置される「バリュー・トラップ(割安のワナ)」にハマルこともあります。

株が人気化するためには、「割安・好業績」+「何らかのカタリスト(触媒)」が必要です。「・・・関連」などの成長テーマはカタリストになり得ます。万年割安株が「水素関連」「次世代ロボット関連」などのテーマ株になった途端に人気化して急騰するのは「カタリスト」が整ったからです。

最近、中小型の建設・土木株や建設関連株が急騰しているのは、業績が良くなってきたことに加え、「国土強靭化」「東京再開発」「リニア新幹線建設」などのテーマに乗ったからです。

(2)割安・業績好調な中小型の参考銘柄

今日は、割安・業績好調にもかかわらず、何のカタリストもないために不人気で割安に放置されている中小型株をご紹介します。そのまま万年割安株として放置され続けるかもしれませんが、もし、何らかのカタリストが出れば大きく上昇する可能性もあります。最近、東証一部や東証二部の小型割安株を、いろいろなテーマに関連させて物色する動きが、活発です。今ならば、割安・好業績小型株を買っておけば、いろいろなテーマに引っかかって上昇する確率が高くなっていると思います。

  • 低PBRで、経常最高益更新を予想する中小型株
  コード 銘柄名 PER:倍 PBR:倍 配当利回り
1 9628 燦HLDG 10 0.5 2.5%
2 4968 荒川化学工業 13 0.6 2.2%
3 8098 稲畑産業 9 0.6 2.9%
4 5986 モリテック スチール 14 0.6 3.1%
5 8818 京阪神ビルディング 12 0.6 2.5%
6 2874 横浜冷凍 17 0.7 2.4%
7 7619 田中商事 8 0.7 2.8%
8 8276 平和堂 13 0.8 1.6%
9 8125 ワキタ 12 0.8 2.1%
10 9025 鴻池運輸 11 0.8 2.1%

(注)東証一部上場、時価総額1,000億円以下、PBR0.85倍未満の銘柄で、①会社予想ベースで今期経常最高益を更新、②既に実績が出ている四半期(3月期決算企業では4-6月期)の経常利益が前年比増益の10銘柄を抽出、楽天証券経済研究所が作成

  • 低PERで、経常最高益更新を予想する中小型株
  コード 銘柄名 PER:倍 PBR:倍 配当利回り
1 1930 北陸電気工事 7 0.7 1.7%
2 8137 サンワテクノス 7 0.8 2.2%
3 9963 江守グループHLDG 7 1.1 3.0%
4 9619 イチネンHLDG 7 1.1 3.6%
5 9994 やまや 7 0.8 1.7%
6 5101 横浜ゴム 8 1.1 2.8%
7 5105 東洋ゴム工業 8 1.5 2.3%
8 4116 大日精化工業 8 0.8 2.2%
9 5110 住友ゴム工業 8 1.2 2.7%
10 9810 日鉄住金物産 8 0.9 2.8%

(注)東証一部上場、時価総額4,000億円以下、PER8.5倍未満の銘柄で、①会社予想ベースで今期経常最高益を更新、②既に実績が出ている四半期(3月期決算企業では4-6月期)の経常利益が前年比増益の10銘柄を抽出、楽天証券経済研究所が作成