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次世代ロボットについて
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

次世代ロボットについて

2014/8/29
日本はロボット王国です。アメリカ映画に出てくる未来ロボットに「日本製」という設定が多いのは、日本のロボット技術の高さが世界的に認知されているからです。
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日本はロボット王国です。アメリカ映画に出てくる未来ロボットに「日本製」という設定が多いのは、日本のロボット技術の高さが世界的に認知されているからです。

(1)急成長が見込まれるロボット市場

株式市場では、モノを製造する産業用ロボットよりも、サービスを提供するサービス・ロボット(次世代ロボット)への注目が高くなっています。産業用ロボット市場も引き続き成長しますが、サービス・ロボット市場はそれを上回る速度で拡大すると見込まれています。

 

ロボット市場の成長予測

(出所:経済産業省の独立行政法人新エネルギ0139ー・産業技術総合開発機構(NEDO)「平成22年度ロボット産業将来市場調査」)

上の表の、「製造分野」は産業用ロボットを、「サービス分野」はサービス・ロボットを表します。「ロボテク製品」とは、ロボット技術を使って動く機器(自動運転システムなどロボット形状を取らない)のことです。ロボテク製品も広義のサービス・ロボットと考えることができます。

現在の日本のロボット市場は1兆円弱と推定されますが、NEDOの予測ではそれが2020年までに2.9兆円、2035年までに9.7兆円に拡大します。

(2)なぜ、サービス・ロボットが重要か

これまでロボットというと、ほとんど産業用ロボットのことでした。自動車や機械の組み立て工場で、産業用ロボットが目にも止まらぬ速さで、正確に製品を組み立てています。あの速さ、正確さは、とても人間にできることではありません。日本の産業用ロボットは、既に世界中の工場で使われています。人件費が高騰する新興国で、省力化投資の切り札となるだけでなく、製品の品質向上にもロボットは欠かせません。今後世界中で産業用ロボットへの投資拡大は続くと考えられます。

ただし、産業用ロボットだけでは、ロボット産業の将来は限られます。「モノ」を生産しているだけでは、高い付加価値を得られない時代になってきているからです。「モノ」は一時的に人気が出て不足することがあっても、しばらくすると人類が獲得した圧倒的な量産技術を駆使して、大量に安く作られるようになります。そのころにはブームが去って、在庫の山ができて、価格が暴落します。ハイテク製品は常にその運命を繰り返してきました。

そんな時代にあって、需要がどんどん増えるのに、まったく供給が間に合っていないものがあります。それは、良質の「サービス」です。医療・介護・教育・防犯・防災・共働き世帯の家事・育児支援・・・需要の拡大に供給が追い付いていない分野を数え上げればきりがありません。サービスが不足する理由は、これまでサービスが大量生産できなかったからです。サービスの供給量を2倍にするのに、人員が2倍必要では、大量供給はできません。

サービスの大量供給に道を開くのが、サービス・ロボットです。サービス・ロボットへの潜在需要は莫大で、これから様々な分野で実用化が進むと考えられます。10年後には巨大産業に育っていると考えられます。

(3)ロボットと人間の協業に無限の可能性

かつて、人間と同じ「心」や判断力を持ったロボットが作る夢が語られたことがありました。残念ながら、それは不可能です。相手の声が怒りを含んでいたら、悲しそうに「申し訳ありません」、相手の声がうれしそうだったら、笑顔で「よかったですね」みたいに応対するロボットは簡単に作れます。ただし、そのロボットは、あくまでも人間が作ったプログラムの範囲でしか対応ができません。きめ細やかな心遣いや臨機応変の対応力が必要な医療や介護を、ロボットだけに任すことは不可能です。

半面、ロボットには人間にない能力があるのも事実です。警備ロボットが居眠りすることはありません。介護ロボットは通常の人間にないパワーを持ちます。人間とロボットが協業することで、良質なサービスの大量生産に道が開けます。

介護・警備・清掃・受付など人間とロボットが協業することで、すばらしく効率があがる分野はたくさんあります。高所の窓ガラス拭きや、被災地の救助活動など、危険をともなう作業は、ロボットとの協業がいちはやく進むと考えられています。

(4)介護ロボットの成長が視野に

サービス・ロボットの応用分野として注目が高いのが、介護ロボットです。介護分野で、人手不足が深刻だからです。ロボットは人間にはない力を持つので、人間とロボットと協業することで介護の品質を高めることができます。介護職の7割が腰痛に悩んでいるといいますが、ベッドから車椅子への移乗にロボットの補助を得ることで介護職の負担は軽減されます。また、食事や排泄の補助は、ロボットを使うことで介護される人の心の負担を軽減できることがわかっています。介護される人のQOL(生活の質)向上にロボットは重要な役割を果たします。

 

<参考>介護ロボットの開発や生産を行っている主な企業

開発分野 主な開発企業
移乗介助:介護者が装着する型 CYBERDYNE(7779)・菊池製作所(3444)・東芝(6502)
移乗介助:非装着型 パナソニック(6752)・安川電機(6506)・富士機械製造(6134)・トヨタ自動車(7203)
移動支援 アズビル(6845)・ナブテスコ(6268)・安川電機(6506)
排泄・入浴支援 TOTO(5332)
食事支援 セコム(9735)
認知症見守り 東海ゴム工業(5191)・クラリオン(6796)

(注:経済産業省等、楽天証券経済研究所が作成)

(5)関連銘柄への投資に当たって注意すべきこと

現段階でサービス・ロボットはほとんど研究・開発段階で、売上がないか、あっても小さく利益を挙げている企業はほとんどありません。そういう状況ですから、大企業が多角化の一環としてサービス・ロボットの開発に取り組んでいても、その企業の株は、サービス・ロボットが話題になっても、それを材料に動くことはほとんどありませんでした。

ただし、CYBERDYNEや菊池製作所のように、規模の小さいベンチャー企業が取り組んでいる場合、将来の夢を買う投資家によって株価が大きく上昇しています。

実際に利益があがっていない中で、株価だけが大きく上がっている場合は、先行き大きく反落する可能性もあるので、注意が必要です。

 

 

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