先週の日経平均は、1週間で242円上昇して15,457円となりました。4-6月期の決算発表はまだ始まったばかりですが、安川電機(6506)、日本電産(6594)、ファナック(6954)などが好決算を発表したことで日本株全般に先行き業績上方修正期待が高まりました。ウクライナでマレーシア航空機が撃墜された事件には政治的な解決策が見えませんが、とりあえず世界景気に与える影響は大きくないとの見方が広がりました。

(1) 日経平均はいずれ上放れると見ているが、今週はまだ膠着相場が続きそう

(注)楽天証券経済研究所が作成

昨年5月以降、日経平均は1万4,000-6,000円を中心としたボックス相場が続いています。そろそろ上か下へトレンドが出てもいいのではないかと、考える人が増えてきています。

私は、いずれ日経平均は上放れると予想しています。ただし、まだ条件が整っていません。日経平均が1万6,000円を抜けて上昇するためには、企業業績の上方修正が増える必要があります。4-6月の決算発表で、企業業績は会社想定よりも良好であることが確認できると思います。ただし、第1四半期(4-6月期)の業績を見ただけで、通期(2015年3月期)の業績を上方修正する企業は多くないと考えられます。

日経平均が1万6,000円を抜けて上昇するのは、企業業績の上方修正ラッシュとなることが想定される10月頃と考えています。

今は次の上昇に向けて、エネルギーをたくわえている時期

私は、来年3月には日経平均は1万8,000円まで上昇すると予想しています。ただし、企業が発表している2015年3月期の企業業績予想が低すぎるので、一気に上昇することができない状況が続いています。

私は、今の状況は、2004年の日本株の状況に近いと考えています。

(注)楽天証券経済研究所が作成

2003年は、りそな銀行に公的資金が投入されたことをきっかけに10年以上続いた日本の不良債権問題が解消したことを好感して日本株が急騰した年です。日経平均は2003年5月→2005年12月に、8,000円→1万6,000円と2倍になりました。ところが、その間、日経平均は安定的に上昇が続いたわけではありません。

日経平均は、2003年に先行きの業績期待で1万1,000円まで一気に上昇しました。ところが、企業業績の回復には時間がかかり、その後1年以上日経平均は1万1,000円を中心として上にも下にも大きくは動かない膠着相場に入ったのです。日経平均が1万6,000円に向けて再び大きく上昇したのは、業績回復トレンドを確認した2005年からです。

アベノミクス相場が実質的にスタートした2012年11月から現在までの日経平均と、2003年5月から2005年12月までの日経平均を比較したのが、以下のグラフです。

(注)上昇相場スタート地点である2003年4月25日と、2012年11月9日の日経平均を100として指数化、楽天証券経済研究所が作成

今の日経平均が、2003年5月~2005年12月の日経平均上昇パターンとまったく同じ上昇パターンを描くと仮定すると、これからさらに3~4ヶ月日経平均はボックス相場が続くことになります。そして3~4か月後に大きく上放れることになります。

私は、企業業績の上方修正が増えると考える10月頃に日経平均は1万6,000円を超えて上昇すると予想しています。