銀行株は、これまで人気がなく、株価はPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などの株価指標でみて、いつも割安でした。株価は万年割安に据え置かれていますが、私は、大手銀行株に、強気の投資判断をしています。

(1)大手銀行株に強気の理由

私は、日本の大手銀行は、株価に見直し余地があると考えています

これには4つの理由があります。

  • 株価がPERやPBRなどのバリュエーションで見て割安であること
  • 日本の銀行は財務内容が改善していること。(欧州の銀行が不良債権問題で力を失っているので競争力で優位。)
  • 証券業務・ノンバンク業務を含めたユニバーサルバンクとして成長の余地があること。
  • 内需中心の景気回復。いま、日本は、内需中心に景気が回復していると考えています。都心で不動産価格も上昇基調にあります。2000年代をふりかえると、不動産価格が上昇する局面で、銀行株が上昇する傾向があります。

(2)不良債権問題に苦しむ欧州の銀行

欧州の銀行は、不良債権問題で苦しんでいます。欧州はようやく景気が底入れしつつありますが、まだ、不良債権問題は解決していません。日本の銀行は、1990年代に、海外事業を縮小せざるを得ませんでした。それは、国内で不良債権問題をかかえていたからです。

今は、立場が逆転しています。日本の銀行は、欧米やアジアで業務を拡大するとき、財務内容で優位にたっていることが、業務拡大に優位に働きます。

(3)ノンバンク業務が拡大する可能性

リース業務や、消費者金融業務は、長期的に成長する余地があると考えています。消費者金融業務は、ようやく過払い利息の返還請求がピークアウトして、利益が回復する局面に入りつつあると予想しています。

(4)割安株の見直し

日本の大手銀行株に、高い成長性があるとは考えていません。あくまでも、株価の割安性が魅力だと考えています。日経平均は、やや膠着しつつありますが、割安株が見直される局面になると予想しています。

メガバンクの2013年1月以後の株価推移 (単位:%)

※2012年末終値を基準に、週足で上昇・下降率を算出(楽天証券経済研究所 作成)