6日の日経平均は2円安の15,077円。6日夜の米雇用統計を控えて手じまい売りが出て小反落となりました。6日発表された5月米雇用統計は事前予想通り、「米景気好調」と判断できる内容でした。アメリカは「景気好調でも金利があがりにくい」株にとって良好な環境が続いています。

(1)日経平均は上値抵抗線を超え、新たな上昇トレンド開始を示唆

<日経平均週足>2013年1月~2014年6月6日

今年の1~5月にかけて形成した保ち合いで、5月末には上値抵抗線と下値支持線の間隔がだんだん狭くなってきていました。テクニカル分析で上か下へ抜ける可能性が高いと判断できる状況でした。6月に入り、日経平均は、上値抵抗線を超えて、新たな上昇トレンド入りを示唆しています。これで、上値を抑えていた13週移動平均も越え、しばらく堅調な推移が予想されます。

次の節目は、日経平均で16,000円を超えたところにあります。この水準は、昨年5月と12月にトライしたが、直後に暴落した水準です。ここに近づくと戻り売りが増えると考えられます。ここを越えるには、企業業績の上方修正の本格化が必要です。すぐには難しそうです。

当面は、日経平均16,000円を上限として、徐々に下値を切り上げる展開が続くと予想します。

(2)上昇継続を予想する4つの理由

日本株の変動要因を、以下の4つにわけて考えます。
①金融政策・海外要因、②金融政策・国内要因、③景気・海外要因、④景気・国内要因。

金融政策は、内外とも株価にプラスで働きます。景気は、内外とも、ややプラスです。総じて、投資環境は良好と判断できます。

  海外要因 国内要因
金融政策

アメリカは金融緩和の縮小を続けているが、それでも緩和的な状態が相当長く続く見込み。米長期金利は、景気好調にもかかわらず、足元低下。

欧州中央銀行(ECB)が5日の理事会で政策金利引き下げ(0.25%→0.15%)を決定、過去最低水準とした。同時に、民間銀行が中央銀行に預け入れる資金の金利をマイナスとした。マイナス金利の導入は世界初。ECBの積極的な緩和姿勢を印象づける。

「異次元緩和」と呼ばれる積極的な金融緩和を実施中、その効果で、長期金利は0.6%の低位に留まっている。

日銀・黒田総裁は、日本の景気に強気見通しを表明していることから、日銀による追加緩和は期待できない。ただし、現在の緩和を維持するだけでも、景気にプラス効果は及ぶ。

景気

アメリカの景気は好調、ただし、長期的な成長期待は低下。

欧州景気は回復続くも、回復力は弱い

4~6月は、消費増税の影響で一時的に景気が低下。

7月以降に、復調する見込み。