3日の日経平均は98円高の15,034円。終値で15,000円を回復しました。日経平均は、新たな上昇トレンドに入りつつあると考えています。

設備投資の回復傾向がはっきりしてきたことから、設備投資関連株の投資妙味が高まっています。今日は、機械株の参考銘柄を紹介します。

(1)機械株の投資参考銘柄

以下の4条件を満たす銘柄を抽出しました。

  • 今期経常利益が、IFISコンセンサス予想で最高益を更新
  • 来期経常利益も、IFISコンセンサス予想で増益が続く
  • 前期・今期・来期と3期連続増益となる見込み
  • 今期予想PERが15倍以下

機械株の投資参考銘柄

コード 銘柄名 株 価 連結PER 連結経常利益(前年比)
(円) (倍) 前期実績 今期予想 来期予想
6118 アイダエンジニア 945 13.3 64.7% 6.6% 5.6%
6361 荏原製作所 648 15.0 22.0% 13.7% 13.4%
6371 椿本チエイン 826 13.5 40.4% 9.3% 4.3%
6471 日本精工 1,277 14.0 120.3% 12.7% 10.2%
6486 イーグル工業 1,814 11.2 62.6% 6.7% 14.8%
6395 タダノ 1,553 13.6 89.0% 13.2% 8.2%

【注】 前期は2014年3月期、今期は2015年3月期、来期は2016年3月期のこと。
経常利益の今来期予想は、6月3日時点のIFISコンセンサス予想による。

(2)なぜ今、機械株の投資タイミングと考えるか

国内で設備投資の回復傾向がはっきりしてきたからです。財務省は2日、2014年1~3月期の法人企業統計を発表しました。それによると、全産業(金融を除く)の設備投資額(ソフトウエアを含む)は前年同期比7.4%増の12兆2,307億円となり、4四半期連続で増加しました。消費税が引き上がった後も、設備投資は好調を維持している模様です。いよいよ設備投資に勢いがつき始めた感があります。円安で一部に設備投資の国内回帰が見られるようになったことも追い風です。

海外でも設備投資は回復してきていますが、まだ本格回復とはいえません。米景気が好調で、欧州景気も底打ちしているものの、中国景気はまだ停滞が続いているからです。

(3)日本の機械産業は、国際競争力を失っていない

民生エレクトロニクス産業では、シャープ・パイオニアのように、競争力を失ってしまった企業が多いですが、機械産業と自動車産業では、日本の競争力が健在です。

日本は、ドイツと産業構造が似ています。ドイツは、日本と同様、機械と自動車で高い競争力を有しています。中国では、反日デモで日本製品のシェアが下がった分を、ドイツ製品がシェアを増やしています。ただ、過去2年で大幅なユーロ高・円安が進んだ効果で、今後は、日本企業が有利になると見ています。