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自社株買いが、日本株上昇の重要なドライバーになる時代へ
窪田 真之
3分でわかる!今日の投資戦略〔平日毎朝8時掲載〕
楽天証券経済研究所の窪田真之と香川 睦が、日本株市場の分析と投資戦略をレポートします。 ともに元ファンドマネージャーであり、国内外のマーケット動向に精通。運用者、分析者としての幅…

自社株買いが、日本株上昇の重要なドライバーになる時代へ

2014/5/22
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21日に日銀が追加緩和を実施しなかったことを受けて、一時、円高が進みました。日本株は、しばらく軟調な展開が続きそうです。ただし、ここは、割安な日本株を積極的に買っていく好機と判断しています。

今日は、自社株買いを発表する企業への期待について、書きます。

(1) 自社株買いで急騰したアマダ(6113)

先週16日、アマダ(6113)株が、15.6%上昇しました。15日午後に「利益の半分を配当に、半分を自社株買いにあてる」と、株主への利益配分率を100%にする方針を発表したことが好感されました。自社株買いによってROE(自己資本利益率)を高め、安すぎる株価(PBR1倍割れ)を修正することを目指すとされました。

アマダ(6113)は、実質無借金で、現金を1000億円以上保有しており、株主配分を高める余力が十分にあります。にもかかわらず、これまでそういう動きをとってこなかったことが、株価が万年割安(PBR1倍割れ)に放置される要因となってきました。

アマダが株主への利益配分を増やすとともに、ROEを高める経営改革に踏み出すことを、株式市場は歓迎しました。

(2) 4月25日以降に、上限金額100億円以上の自社株買いを発表した企業リスト

コード 銘柄名 自社株買い上限金額
(億円)
発表日
9437 NTTドコモ 5,000 4月25日
9432 日本電信電話 2,500 5月13日
8604 野村HLDG 700 4月30日
8058 三菱商事 600 5月8日
7751 キヤノン 500 5月8日
9531 東京瓦斯 400 4月28日
4503 アステラス製薬 300 5月12日
7741 HOYA 300 5月7日
1878 大東建託 166 4月30日
8174 日本瓦斯 151 5月16日
9020 東日本旅客鉄道 150 4月30日
6789 ローランド ディー ジー 126 5月14日
8630 NKSJ HLDG 100 5月20日
8725 MS&ADインシュアランスHD 100 5月20日
6113 アマダ 100 5月15日
6273 SMC 100 5月15日
8795 T&D HLDG 100 5月15日
9005 東京急行電鉄 100 5月15日
3659 ネクソン 100 5月13日
7202 いすゞ自動車 100 5月12日
8332 横浜銀行 100 5月12日
6448 ブラザー工業 100 5月8日
2801 キッコーマン 100 4月25日

自社株買いの目的は、株主への利益配分だけとは限りません。これまで、「持ち合い解消売り」の受け皿として自社株買いを実施してきた企業が多かったことも事実です。日本企業には、企業同士で株を持ち合う「持ち合い」の慣習がありました。ただし、株式持ち合いは、資本効率の悪化や企業統治の劣化につながり、望ましくないと判断される時代になりました。株を持ってもらっている相手から、持ち合い解消の申し出があった場合に、企業は自社株買いによって売りを吸収してきた面もあります。

最近は、純粋な株主還元や、財務戦略の一環で自社株買いを実施する企業が増えています。

(3) 自社株買いは、重要な財務戦略のひとつ

自社株買いは、株主にメリットが大きいですが、会社にもメリットがあります。買い取った自社株に対して、会社は配当金を払わないで済みます。買いつけた株数の分だけ、配当金の支払い総額を減らすことができます。

米国企業は、自社株買いを、財務戦略の一環として重視しています。昔、米国企業のIRで、自社株買いの目的を「自社株への投資が、一番利益率が高いので実施する」と説明していたのを聞いたことが印象に残っています。

簡単な例で説明しましょう。
A企業が、余剰キャッシュを10億円持っていたとします。その使い道に、①設備投資、②借金返済、③自社株買い、④大口定期預金の4つの選択肢があったとします。

  • 設備投資のニ-ズなく、無理に投資しても投資利回りは2%しか期待できない
  • 借入金利は2%
  • 自社株の配当利回りは3%
  • 大口定期預金の利回りは0.2%

とすると、自社株買いの利回りが一番高くなります。配当金は、税引き後利益から払わなければなりません。配当金を減らせば、税引き後で3%のリターンが得られます。税引き前では、4.5%程度の高い確定利回りが得られる計算となります。

このような場合に、財務戦略として、自社株買いを実施することが、会社にとって一番利益率の高い投資先となるわけです。米国企業は、そういうことを説明していたのです。

(参考)自社株買いでROE(自己資本利益率)が上昇

簡単な例で説明しましょう。自己資本100億円、純利益10億円の会社があったとします。そこで、10億円(資本の10%)にあたる自社株買いを実施したらどうなるでしょう?

自己資本は90億円に減ります。株主にとってのメリットは、ROE(自己資本利益率)があがることです。自社株買い実施前には、ROEは、純利益10億円÷自己資本100億円=10%でした。それが、自社株買い実施後には、ROEは、純利益10億円÷自己資本90億円=11.1%に上昇します。

ROEの上昇を反映して、株価が上昇する可能性が高まります。将来、増配するための余力も高まります。

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