先週の日経平均は、週初に一時14,000円を割れましたが、その後上昇に転じ、1週間で366円高い14,462円となりました。アメリカの代表的株価指数であるS&P500が23日に最高値を更新し、出遅れのロシア株(RTS)も先週は5%上昇しました。先週は、世界的に株が買われる流れとなりました。

(1)日本株は、ようやく出遅れを取り戻す局面に入ると予想

<日経平均の週足>2013年1月~2014年5月23日まで

日経平均は、今年に入ってから外国人投資家の執拗な売りに押されて、これまで下値支持線の14,000円をかろうじて維持している状態でした。世界的に株が上昇し、日本株の出遅れ感がきわだってきましたので、ここからさらに日本株へ外国人が積極的に売りを仕掛けくるとは考えられません。日経平均は、上値抵抗線を抜けて今後15,000円に向けて、上昇していくと予想します。

株は短期的には需給、長期的にはファンダメンタルズ(企業業績)の変化に従って動きます。私は、今年は景気・企業業績の回復が続くと予想していますので、外国人の売りが止まれば、上昇転換すると考えています。

今が、その転換点と考えています。先週は、アルゼンチン・ギリシャ・ロシア・トルコなどの株価指数が大きく上場しており、世界的に投資マネーがリスクを取り始めていると考えています。

(2)ドル金利の低下は、世界の株式市場にプラス

米景気が好調にもかかわらず、米国の長期金利(10年国債利回り)が低下していることが「謎」と言われています。

<アメリカの長期金利の動き>

アメリカのインフレ率が低位にとどまっていること、アメリカ経済の長期的な成長性が低下していることなどが金利低下の原因と考えられます。

アメリカの金利動向は、世界の金融市場にとって重要です。米経済が好調で、米金利が上昇すると、新興国株や新興国の通貨が売られ、世界的にリスク・オフムードが広がる傾向がありました。

足元、米景気が好調にもかかわらず、米金利が下がったことは、世界的に投資家がリスクを取りやすくなることを意味します。出遅れの日本株も、上昇しやすくなってきています。