13日の日経平均は275円高の14,425円でした。前日のNYダウが上昇して最高値を更新したことを好感して、日本株にも買戻しが入りました。

日経平均は、先週7日に、NYダウの下落を嫌気して外国人の売りで424円安の14,033円となりましたが、その時の下げをほぼ取り戻しました。NYダウが反発して最高値を更新したので、日経平均も買い戻されたわけです。海外要因によって外国人の売り買いで動く、主体性のない値動きが続いています。

(1) 決算を発表した銘柄の売り買いは活発

今の日本株市場の注目材料は、毎日発表される3月決算です。もっとも注目されているのは、新年度(2015年3月期)の業績予想です。まず、12日に発表された決算内容と、13日の株価変動を見てみましょう。

<今期連結経常利益、会社予想と、直前の市場予想比較> 12日発表分

(金額単位:億円)

コード 銘柄名 会社予想 前年比 直前の
市場予想
前年比 会社予想
の市場予想との差
13日の
株価変動
9684 スクウェア・エニックスHLDG 50 -60.1% 135 7.7% -63.0% 8.5%
6773 パイオニア 75 46.7% 103 100.5% -26.8% -5.5%
6501 日立製作所 5,100 -10.2% 6,000 5.6% -15.0% -2.9%
3099 三越伊勢丹HLDG 320 -16.8% 358 -7.0% -10.5% -0.3%
7202 いすゞ自動車 1,750 -6.2% 1,951 4.6% -10.3% 7.8%
5711 三菱マテリアル 840 9.2% 869 13.1% -3.4% 7.2%
7201 日産自動車 6,200 17.6% 6,370 20.8% -2.7% 5.1%
6753 シャープ 500 -6.2% 497 -6.8% 0.7% 5.0%
4188 三菱ケミカルHLDG 1,270 23.2% 1,250 21.3% 1.6% 2.2%
4005 住友化学 1,200 8.0% 1,177 5.9% 1.9% 5.1%
3289 東急不動産HLDG 510 0.8% 497 -1.8% 2.7% 7.4%
2282 日本ハム 370 4.8% 346 -2.1% 7.0% 1.1%
8801 三井不動産 1,560 7.9% 1,423 -1.6% 9.6% 4.4%

(出所)各社決算短信およびIFISコンセンサス予想から楽天証券経済研究所が作成

保守的(低め)に予想を出す企業が多いことは、かなり市場に織り込まれてきました。市場予想を下回る今期予想を発表したパイオニア(6773)や日立製作所(6501)は大きく下げましたが、スクエア・エニックスHLDG(9684)は今期予想が低かったにもかかわらず株価は、8.5%上昇しました。事前に株価が急落していたので、それで悪い決算は織り込んでおり、決算発表であく抜け感が出たものです。いすゞ自動車(7202)、三菱マテリアル(5711)、日産自動車(7201)も新年度予想は低めですが、株価は大きく上昇しました。

(2) 昨日の決算発表内容

<今期連結経常利益、会社予想と、直前の市場予想比較> 13日発表分

コード 銘柄名 会社予想 前年比 直前の
市場予想
前年比 会社予想
の市場予想との差
6366 千代田化工建設 210 -8.0% 296 29.5% -29.0%
5007 コスモ石油 570 36.2% 671 60.3% -15.0%
1801 大成建設 380 -33.0% 427 -24.7% -11.1%
4183 三井化学 310 37.6% 340 51.2% -8.9%
2267 ヤクルト本社 410 3.7% 442 11.9% -7.3%
5233 太平洋セメント 650 -6.6% 700 0.6% -7.1%
4324 電通 779 -5.6% 839 1.6% -7.1%
7731 ニコン 660 6.9% 710 15.0% -7.0%
8308 りそなHLDG 2,315 -25.8% 2,470 -20.9% -6.3%
1802 大林組 390 -2.8% 407 1.3% -4.1%
5232 住友大阪セメント 220 -1.8% 228 1.9% -3.6%
1812 鹿島建設 300 11.1% 307 13.6% -2.2%
6326 クボタ 2,100 -0.6% 2,097 -0.7% 0.1%
8830 住友不動産 1,350 3.4% 1,328 1.8% 1.6%
7912 大日本印刷 540 1.3% 527 -1.2% 2.5%
1803 清水建設 400 36.6% 309 5.5% 29.5%

(出所)各社決算短信およびIFISコンセンサス予想から楽天証券経済研究所が作成

大手ゼネコンの新年度予想は、清水建設(1803)だけがポジティブで、大成建設(1801)、大林組(1802)、鹿島(1812)はネガティブでした。