先週の日経平均は、1週間で293円下がり、14,163円となりました。5月7日(水)に外国人投資家と考えられるTOPIX先物の大口売りで424円安の14,033円まで下がりましたが、8日(木)・9日(金)は小反発し、辛うじて14,000―14,500円のボックス圏内に留まっています。

(1)今週も膠着相場が続く見込み

日経平均は、上値抵抗線が下がってくる中で、辛うじて下値支持線(14,000円)を維持している状態です。

<日経平均の年初来の動き>

ただし、ここから、日本株を売り込む理由は、少なくなっています。

  • 米国株も膠着してきている
    先週7日の日経平均急落は、6日のニューヨーク市場でナスダック指数(アメリカの新興株市場:ハイテク株やIT株の構成比が高い)やNYダウが下がり、円高が進んだことをきっかけとした売りでした。ただし、その後、米国株は反発し、為替も1ドル101円台後半で落ち着いた動きとなっています。日本株だけ売り込む理由は乏しくなってきています。

    <NYダウは最高値圏で堅調>

    <ナスダック指数が下げ止まったかは不明>

  • 4月からの国内景気悪化は想定内、あるいは、想定以下
    消費税引き上げの影響が薄れる7月以降に、景気は再び好調に戻ると予想されています。
  • 2015年3月期の業績予想(会社発表)が保守的(低め)であることは、だんだんマーケットに理解されてきた

    <5月9日までに決算発表した主要67社の今期経常利益予想集計>

    (注)市場予想は、会社予想発表直前のIFISコンセンサス予想

    中間決算が発表される10月頃、業績予想を上方修正する企業が増えると予想されています。

  • 日本株への外国人売りは、徐々に減少

    <外国人投資家による日本株売買動向>
    (2014年1月~5月2日まで)

(2)これまでの決算発表のまとめ

<今期連結経常利益 会社予想と、直前の市場予想比較>

(金額単位:億円)

(注)各社決算短信、IFISコンセンサス予想より楽天証券経済研究所が作成